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平成20年度 淡海生涯カレッジ 長浜校 実施報告

掲載日:2009年5月1日

テーマ:身近な問題から見つめ直そう 〜バイオテクノロジーから自然環境まで〜
     「出会い・ふれあい・学びあい」自分の学び、見つけませんか。

期間:平成20年6月21日(土)〜平成20年12月13日(土) 土曜コース  受講生:22名

(1)問題発見講座

講座 日時 テーマ 講師
第1講 6月21日(土)
13:30〜17:00
開講式
講演「バイオテクノロジー総論」
長浜バイオ大学
教授 大島 淳
第2講 6月28日(土)
13:30〜15:30
グリーン購入を始めましょう
−いつもの買い物で出来ること−
滋賀グリーン購入ネットワーク
事務局次長 辻 博子
第3講 7月12日(土)
9:30〜17:30
地球環境の保全とエネルギーの有効利用
【現地学習】 大阪ガス ガス科学館
大阪ガス ガス科学館
副館長 斉野良一
第4講 7月26日(土)
13:30〜15:30
地図でたどる滋賀の環境の変遷 滋賀県立高島高等学校
校長 松井善和
第5講 8月 2日(土)
12:00〜17:30
<1>里山を暮らしに取り戻そう(里山整備体験等)
<2>地蔵川の貴重な動植物(梅花藻見学等)
【フィールドワーク】 米原市日光寺 醒井
NPO法人「やまんばの会」のみなさん
NPO法人「環境工房ころころ」
理事長 田中萬祐

第2講  グリーン購入を始めましょう −いつもの買い物で出来ること−

講義のようす

 「グリーン購入を始めましょう−地球温暖化にストップ・お買い物でできること−」と題して、グリーン購入の考え方や活動についてお話しを聴くことができた。
 最近は、地球温暖化対策や環境問題などニュースや新聞等でよく目にする。しかし、仕事や生活にと忙しさもあり、あまり真剣に考えたり、行動したりすることがなかったように思う。今回のレクチャーによって、その必要性や重要性を感じることができた。
 このような問題に対しては、いかに個人レベルでの意識を高めるか、また、意識を持った人を増やすかが重要になってくると思う。そういった意味でも、今回のような機会をもっと多くの人に参加して聞いてもらうことが必要と思う。

第3講  地球環境の保全とエネルギーの有効利用

講義のようす

 大阪ガスガス科学館斉野副館長より天然ガスの環境への優位性についての懇切なご説明を受け、大阪ガスの泉北製造所第2工場を見学。また、ガス科学館内にてアテンダントの方からエネルギーと地球環境問題の関連性について学んだ。さらに、巧みに工夫を凝らされた各種展示物を前に科学の不思議を体感した。

《講師のご説明》
 ●大阪ガスの概要について
 ●天然ガスについて
 ●製造所内の見学

第4講  地図でたどる滋賀の環境の変遷

講義のようす

 今回の講座は「地図でたどる滋賀の環境の変遷」という興味をそそられる題名であったが、期待していたとおりだった。古地図を深く読み取り、それで現代の今の姿と対照させ、未来に向けて人間の進むべき道筋をも導き出す力。これを含有している地図という存在を改めて知らされるよい機会となった。今後も古地図を深く読み取る力をつけたく思う。
 松井先生は、若いときからのライフワークとして古地図と向き合ってこられた。そこには、自分で積み上げて体得された「地図学」というものを確立されたと思う。近江国という地域に的を絞り、そこで人々がいかに自立と対峙してきたかを丁寧に講じられた。

第5講 「里山を暮らしに取り戻そう」「地蔵川の貴重な動植物」

講義のようす

 やまんばの森と醒ヶ井への半日の現地見学会でした。
 まず双葉幼稚園に到着。裏山の間伐作業とのこと。各自にヘルメットが用意され、ノコギリを手にうっそうとした竹薮に入った。1時間後、山肌が現れ、この斜面で園児が遊ぶという。くたびれたが、感動ものでした。
 山小屋へ移動し、「会の取り組み」のスライド説明を受ける。平成12年開始後9年目を迎え、のべ1,500人の子どもが参加し、100名弱の会員の1割が常に活動しているが、サラリーマン主体とのこと。間伐材はチップにし、息長氏の古墳の保護に使う。手入れした山には下草も繁り、ウバユリ・ササユリと咲き、ギフチョウも羽化するとのこと。焼きあがったパンを皆で食し、子どもの木工クラブのツリーハウス等を見て歩くうちに、里山保全に魅せられている人達のロマンに共感できたように思った。
 その後醒ヶ井に移動し、駅より地蔵川を歩く。川の清流に白い花をつけた梅花藻が群生し、観光客がカメラを向けていた。ここにはハリヨが泳ぐという。岐阜と滋賀のごく一部に生息する極めて貴重な淡水魚を守ろうとされている。大変有意義な半日を過ごさせていただきました。


(2) 実験・実習講座

講座 日時 テーマ 講師
第1講 8月23日(土)
13:30〜15:30
星座と宇宙
−天球儀とプラネタリウムを使って−
滋賀県立長浜北星高等学校
教諭 平塚隆三
第2講 8月30日(土)
13:30〜15:30  
紫外線を探ろう 滋賀県立長浜北星高等学校
教諭 平塚隆三
第3講 9月 6日(土)
13:30〜15:30  
顕微鏡の世界 滋賀県立長浜高等学校
教諭 梅本美保、馬場利和、谷口 惣亮
第4講 9月13日(土)
13:30〜15:30
食品添加物の実験
(食肉製品中の発色剤「亜硝酸ナトリウム」の定量)
滋賀県立長浜農業高等学校
教諭 粕渕宏昭、中野輝良、森沢 進
第5講 9月20日(土)
13:30〜15:30
触れることと見えること
−私たちの感覚器について−
滋賀県立長浜北高等学校
教諭 藤村知行

第1講  星座と宇宙 ―天球儀とプラネタリウムを使って―

講義のようす

 雨天のため、紫外線測定の予定を変更して、「星座と宇宙」の講座をしていただきました。
  地球や宇宙、星座等について興味深い話題が次々とたくさんあり、宇宙というテーマは内容が多岐に渡り、奥が深いと感じました。
  宇宙から見た地球の姿の地球儀や天球儀、家庭用プラネタリウム、星座早見盤等を見せていただいたり、見方を教えていただき、今までぼんやりとしか見ていなかった空や、月、星の見え方が変わってきた気がしました。
  博識の先生に、幅広い色々なお話を聞かせていただきました。

第2講  紫外線を探ろう

講義のようす

(1)紫外線クイズによって身近な問題を解説
  ・黒く焼けている人は、免疫力低下により病気になりやすい。
   ※5月の連休辺りが最も日焼けしやすい。
(2)紫外線とは何か・・・太陽からの光と電磁波
  ・UVインデックス・・・夏は5〜6(3以上は帽子をかぶった方が良い)
(3)紫外線を防ぐには
   <1>日焼け止めを使う
   <2>服や日傘など(紫外線透過率を参照)
(4)紫外線を測定しよう
  ・色が変わる折り紙、ブラックライト等を使って実験。
 日焼けに対する紫外線の身近な話を聞き、紫外線対策に対する関心が高まりました。

第3講  顕微鏡の世界

講義のようす

 前々回に宇宙のお話、マクロの世界を勉強させていただいた後に、今度は顕微鏡のミクロの世界を楽しませていただきました。とても対照的で、ものの見方、考え方も時には大局的に、時には緻密に、臨機応変に、柔軟に対応できるように、とまず教えていただいたように思います。
 講座は、まず顕微鏡の名称と機能、操作についての説明を受けてから、いろいろなものを実際に顕微鏡で観察させていただきました。タマネギ、コカナダモの葉、アオミドロ、プランクトン、蝶の鱗粉、蛾の触角・足、昆虫の複眼、ひまわりの花粉、ウニ、さまざまなミクロの世界を堪能させていただきました。

第4講 食品添加物の実験―食肉製品中の発色剤「亜硝酸ナトリウム」の定量―

講義のようす

 本日は、長浜農業高等学校で実験による学習を行いました。
 同校の3名の先生にご指導いただき、様々な実験器具や試薬を使って、食品に含まれる亜硝酸ナトリウムを調べました。実験を行うということで、最初は、「自分達にできるだろうか」との不安もありましたが、先生方が終始丁寧に指導してくださったおかげで、どのグループもスムーズに進行できたと思います。
 昨今、特に食の安全について関心が集まっています。普段、何気なく食しているものが安全なのかどうか、消費者として『知らない、わからない』では済まされないと感じることも多いです。そんな中、本日の講座はとても有意義なものでした。食品に添加物を含んだものがあることは、頭ではわかっているのですが、実際、実験結果として目に見える形で表われると、それが基準値以内の量であっても、それを食べているということにあらためて抵抗を感じました。
 また、実験に使用した商品は、有名なメーカーのものが多数ありましたが、思った以上に亜硝酸ナトリウムが含まれているものが多くてびっくりしました。これまで食品を購入する際は、商品の見た目やメーカーのブランド名で選ぶことも多かったのですが、それは安全とイコールではないのだと実感しました。
 見た目やブランド名に惑わされず、賢い消費者となるために、機会があれば、今後も学習していきたいと思います。

第5講  触れることと見えること ―私たちの感覚器について―

講義のようす

<1>感覚器と適刺激
  ・味覚に実験により適刺激を体感
<2>感覚器からの情報をもとに「脳が感じている」こと
  ・触覚の実験を通じて「脳が感じている」ことを体感
<3>目の構造と機能
  ・実験による盲班の大きさの測定
  ・実験により視野の色彩班別と錐体細胞と補色について体感
  ・イカの水晶体を観察

 簡単でしかも楽しい実験を通じて、日頃考えることのほとんど無かった「感覚」について知ることができ、生物界の一員である私達の体について理解が深まりました。講義いただいた藤村先生にお礼申しあげます。


(3)理論学習講座

講座 日時 テーマ 講師
10月 4日(土) 13:30〜15:30 日本人と環境 長浜バイオ大学 教授 佐藤宗諄
10月18日(土) 13:30〜15:30 ウイルスって何? 長浜バイオ大学 教授 伊藤正恵
10月25日(土) 13:30〜15:30 植物は環境問題解決の切り札だ 長浜バイオ大学 教授 蔡 晃植
11月 8日(土) 13:30〜15:30 コンピュータによって生命を解く 長浜バイオ大学 教授 依田隆夫
11月15日(土) 13:30〜15:30 バイオテクノロジーによる食品や薬の生産 長浜バイオ大学 講師 長谷川 慎
11月29日(土) 13:30〜15:30 電子顕微鏡で見るバイオの世界 長浜バイオ大学 教授 山本章嗣
12月 6日(土) 13:30〜15:30 雑草がアルコールに生まれ変わる 長浜バイオ大学 教授 大島 淳
12月13日(土) 13:30〜17:00 DNAはウソをつかない
閉講式
長浜バイオ大学 教授 大島 淳

第1講より  日本人と環境

講義のようす

 奈良時代は近江国から木材を調達してきた。
 今の滋賀県の自然があるのは、江戸時代後期から継続的に植林を続けてきたからだろう。
 適切に利用すれば、森林は物質的にも精神的にも人間生活を豊かにする反面、いったん誤ると地域全体の環境を破壊する原因ともなりかねない。
 このことがわかっていながら、何世紀にもわたって同じパターンの失敗が繰り返されてきた。
 以上のことを今回学び、森林についてあらためて考えさせられた。

第2講より  ウイルスって何?

講義のようす

 新型インフルエンザウイルス・・・鳥類(カモ)のインフルエンザウイルスが人に感染し、人の体内で増えることができるように変化し、人から人へと感染できるようになったもので、このウイルスが感染して起きる疾患。人類のほとんどが免疫を持っていないので、人から人へ感染して広がり、急速な世界的大流行(パンデミック)を起こす危険性がある。日本で全国的に流行した場合、人口の1/4が感染し、死者16万人〜64万人と推定されています。パンデミックワクチンが完成するのは新型が発生してから最短で6ヶ月かかる。
 対策や予防など新型インフルエンザに関する正しい知識を持ち、感染しないための方法を知り、発生前から必要な準備を進め、発生した場合適切に対応したいと思います。

第3講より  植物は環境問題解決の切り札だ

講義のようす

・「植物はエネルギーの元、生命の元」という言葉が印象に残りました。
・リンネによる植物の分類体系の方法、それぞれの代表的植物やその進化を勉強しました。
・食料問題、環境問題の解決には、化石燃料をできるだけ使用せず、太陽電池を使用し、また、遺伝子組換植物の利用が重要であると学んだ。



第4講より  コンピュータによって生命を解く

講義のようす

・40枚に亘る写真が印刷されて資料として頂戴できたのは収穫であった。
・生命の根源であるタンパク質の種類、構造、働きを研究されている。
・タンパク質の種類は現在判明しているだけで25万個。これからますます増えると考えられ、その発見にはコンピュータが不可欠である。
・生命の巧妙なからくりの話が聴けなかったのは残念である。
・ほんの少し配列が違うだけで、ヒトと猿、黒人と白人の差が生じる。

第5講より バイオテクノロジーによる食品や薬の生産

講義のようす

 まずは酵素の働きによってさまざまな物質が出来ることを知る。中でも、アミラーゼから異性化糖を生産する過程とそのメカニズムがすごく興味深く、私だけでなく受講生が一様に食い入るように聴講する。特にでんぷんをアミラーゼが切断するメカニズムは、アミラーゼが活性中心といわれる特定の場所だけを切断する特異性をもつことなど、驚愕の連続で感心するばかりだった。
 また、ペニシリンの発見について、フレミングの発見は偶発的とは言え、これまでの蓄積によって培われた彼自身が持つ「発見の目」によってこそ発見し得たもの、と改めてその偉大さに感心する。
 抗生物質は確実に効くものと思っていたが、耐性菌の出現でまるで無力になってしまうという。創薬の世界は、いわば耐性菌との闘いなのか…とその道の科学者、研究者の日々の精進に頭の下がる思いで聴講した。

第6講より  電子顕微鏡で見るバイオの世界

講義のようす

 光学顕微鏡は解像度が100nmまでであり、電子顕微鏡では0.1nmと1000倍程度ある。
 光はガラスレンズによって屈折するが、電子は電磁レンズを用いなければ屈折しない。また、電子顕微鏡の鏡筒内は真空にする必要がある。
 最近の電子顕微鏡は3次元の観察が可能になった。
 教科書でしか見たことのないような微細な組織を位相差顕微鏡や電子顕微鏡を用いて見せていただいて大変勉強になりました。

第7講より  雑草がアルコールに生まれ変わる

講義のようす

 日本は、エネルギー消費の大国でありながら、その大部分を諸外国からの輸入に頼っているという現実は、ガソリン代の高騰などがニュースで流れるたびに実感するところでしたが、「現実問題として、エネルギー消費を抑えるということでしか根本的な解決はできないだろう」と思っていました。
 昨今話題となっている穀物から作られるバイオエタノールも食物価格の高騰という新たな問題を引き起こしていますし、結局、米国や中東諸国の動向に影響されてしまう日本という国のエネルギー問題の深さを感じていました。
 今回の講義は、そんな中、未来に向けての希望のひとつではないかと思える内容でした。雑草の「葛」をバイオエタノールの原料とすることは、とうもろこし等を原料とするバイオエタノールと違って広く世界中に分布しており、生命力が強く何よりも「雑草」ということで、生産費用がかからないという点でより有望であると思えました。
 現実として、実現するには収集や流通コストなどの諸問題は多くありますが、現在のエネルギー問題に新たな可能性が出てきたということで、私達一般市民もそれを知ることが実現につながる一歩になるのではないかと思います。また今回は、バイオエタノールができる過程についても講義を受けました。実際にバイオインキュベーションセンターの中の研究室にも入らせていただき、研究内容を説明していただきました。
 最新の研究内容の講義を受けることができ、また普段は入ることのできない研究室まで見せていただき、とても勉強になりました。


受講生の感想  意見交流会より

  • 大阪ガス見学、フィールドワーク等が良かった。特に、自然の中でパン等をいただいて大変おいしかった。
  • 先生方も、実験ということで準備が大変だったと思いますが、毎回おもしろかったです。話を聞くだけでなく、実験させてもらえるのが良かったです。
  • 長浜北星高等学校での星座や紫外線の講座、長浜農業高等学校での食品添加物の実験がおもしろかった。受講後は、学んだことを意識するようになった。
  • 「日本人と環境」の中で、人為的に木を伐採することにより、山の環境が大きく変わってしまうことがよくわかった。
  • 知らない者同士が、同じ目的で学んだり、しゃべったりできて楽しかった。
  • 自分自身の日々の生活につながっていく話題が興味をもてた。
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