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平成24年度 淡海生涯カレッジ 長浜校

掲載日:2013年1月9日

平成24年度「淡海生涯カレッジ長浜校」の講座実施レポートをお届けします。

テーマ:身近な問題から見つめ直そう 〜バイオテクノロジーから自然環境まで〜

期間:平成24年6月16日(土) 〜12月15日(土) 土曜コース

(1)問題発見講座

講座 日時 テーマ 講師
第1講 6月16日(土)
13:00〜17:00
・開講式
・講演「生活の中に存在するバイオテクノロジー
を探してみよう」
・長浜バイオ大学施設見学
長浜バイオ大学
教授 蔡 晃植 
第2講 6月30日(土)
12:00〜17:00
水郷を活かした農の里づくり
【現地研修】
権座・水郷を守り育てる会
会長:東房男 副会長:大西實
第3講 7月7日(土)
13:30〜15:30
苔植物の生活
〜スナゴケ栽培研究より〜
株式会社 明豊建設
経営戦略室 鈴川 一行
第4講 7月14日(土)
13:30〜15:30
湧水魚ハリヨから琵琶湖を思う 岐阜経済大学 経済学部
教授 森 誠一
第5講 7月21日(土)
12:30〜16:30
高山の森と川をのぞいてみよう
【フィールドワーク】
やまのこ専任指導員
初田 幸穂・山崎 歩
森林インストラクター
小西 民人

第1講  生活の中に存在するバイオテクノロジーを探してみよう (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 今年度は、『講義』と『施設・研究室の見学』の2本立てで行ないました。また、淡海生涯カレッジを受講されたことのない方に体験していただく目的で第1講のみ一般開放しました。前半の講義では、バイオテクノロジーを生活と結びつけてわかりやすくお話していただきました。後半の施設見学では、蔡教授と長浜バイオ大学の学生さんに研究室等の案内をしていただきました。

〔感想〕
 日常の生活の中に生かされているバイオテクノロジーが沢山あり、これからも発見・研究されていくことがよく理解できてよかった。バイオ大学施設見学は大変興味深かったです。話にだけ聞いていたいろいろな機械を見ることができ、ますます興味が湧きました。

第2講 【現地研修】水郷を活かした農の里づくり (会場:鳩の湖会館)

講義のようす

 近江八幡市白王町の鳩の湖(におのうみ)会館にバスで行き、現地研修を受けました。権座・水郷を守り育てる会東房雄会長、大西實副会長に会の取組状況等について講義いただきました。また、講義後、小舟に分乗して権座(内湖に飛び地した湖中水田)に渡り、現地研修を受けました。

〔感想〕
 長命寺川に7つの島があったことを知った。現存する1島で地域づくりの核として村おこしに活用している発想と計画性のある実行力に感動した。

第3講  苔植物の生活〜スナゴケ栽培研究より〜 (会場:長浜バイオ大学・長浜バイオインキュベーションセンター)

講義のようす

 株式会社明豊建設の鈴川一行先生に、自然豊かな地球をとりもどすカギとなるとして研究されている『スナゴケ』について講義いただきました。講義後には、長浜バイオインキュベーションセンターに移動し、鈴川先生の研究室見学とセンター職員箕浦さんからセンターについての説明を受けました。

〔感想〕
 ヒートアイランド現象の緩和策として緑化のためにスナゴケを使われると聞きました。スナゴケが緑化施工にとてもすぐれているなんて。生産技術を向上させられてどんどん緑化に役立たせてくださるといいですね。

第4講  湧水魚ハリヨから琵琶湖を思う (会場:湖北公民館)

講義のようす

 岐阜経済大学経済学部の森誠一教授に、環境省が絶滅危惧種に指定しているハリヨについて、パワーポイントやご自身が企画・監修するハリヨ映画の一部を放映し、講義いただきました。

〔感想〕
 ハリヨとはトゲウオの仲間で巣を作る魚であり、進化を考える上で特に重要な魚である。生物多様性に影響を与える要因として、人の生活・地球温暖化によって人工の環境の負荷の軽減が大切となる。ハリヨがいなくなってから考えても遅く、今、保護・対策をとらなければならない。

第5講 【フィールドワーク】高山の森と川をのぞいてみよう (会場:高山キャンプ場)

講義のようす

 長浜市高山町にある高山キャンプ場で、やまのこ専任指導員の初田幸穂さん・山崎歩さん、森林インストラクターの小西民人さんにクラフト作りと間伐地の見学について指導を受けました。

〔感想〕
 前日の豪雨で「川の生き物探し」も「滝谷林道の散策」も中止になりましたが、かえってこちらの方が楽しいひと時が過ごせ、樹木や森林に関しても大変勉強になりました。知ったかぶりを是正された樹木の見方。
 インストラクターが一生懸命に集められた多種類の材料を使い、久々に童心にかえったクラフト。人工林で間伐していない所との比較や光と風の具合、大風での崖くずれ…。本当に「問題発見講座」最終回に相応しい講座でした。


(2)実験・実習講座

講座 日時 テーマ 講師
第1講 8月4日(土)
13:30〜15:30
体の不思議を調べよう 滋賀県立長浜北星高等学校
教諭 木村晋輔・西川聡
第2講 8月11日(土)
13:30〜15:30
岩塩から見る原子の大きさとその数 滋賀県立虎姫高等学校
教諭 堀浩治・田附久美子
第3講 8月25日(土)
13:30〜15:30
実体顕微鏡で『より自然な観察』 滋賀県立長浜北高等学校
教諭 保積孝宏
第4講 9月1日(土)
13:30〜15:30
石と宝石のはなし 滋賀県立伊香高等学校
教諭 平塚隆三
第5講 9月8日(土)
13:30〜15:30
身のまわりにある物質の液性を
調べる
滋賀県立長浜高等学校
教諭 土田久弥・辻彰彦・筧政昭
第6講 9月22日(土)
13:30〜15:30
バイオリアクターでデンプンを
分解しよう
滋賀県立長浜農業高等学校
教諭 藤沢 真尚 実習教諭 森沢 進

第1講  体の不思議を調べよう (会場:長浜北星高等学校)

講義のようす

 滋賀県立長浜北星高等学校の木村晋介先生、西川聡先生に講義いただきました。体の不思議を調べようというテーマで、いろいろな実験から体の持つしくみを体験しました。

〔感想〕
 人間の持つ5感について、いろいろ実験をしました。視覚、聴覚、味覚、触覚、臭覚と人間の体が持つ不思議を体験し、とても興味深かったです。

第2講 岩塩から見る原子の大きさとその数 (会場:虎姫高等学校)

講義のようす

 滋賀県立虎姫高等学校の堀浩治先生・田附久美子先生に講義いただきました。岩塩について道具やデータ、模型などを使い、アボガドロ定数を求めました。

〔感想〕
 高校時代に習ったことで、とても懐かしい内容でした。自分で実習をしたり計算をしたり、大変楽しく勉強できました。

第3講  実体顕微鏡で『より自然な観察』 (会場:長浜北高等学校)

講義のようす

 滋賀県立長浜北高等学校の保積孝宏先生に講義いただきました。 実態顕微鏡を使って、身近にあるものを観察しました。またチリメンモンスターを探し、顕微鏡で観察した後、樹脂で固めて標本にしました。

〔感想〕
 実態顕微鏡で見ると、物の特徴がよくわかりました。チリモンの標本作りも楽しかったです。

第4講  石と宝石のはなし (会場:伊香高等学校)

講義のようす

 滋賀県立伊香高等学校の平塚隆三先生に講義いただきました。岩石の特徴や分類、宝石の観察など、実物を観察しながら、知識を深めました。

〔感想〕
 本物のダイヤモンドやいろんな鉱物を観ました。また伊吹山が隆起しできたことや、石灰石が姉川から琵琶湖に流れていることなど、知らないことがありおもしろかったです。

第5講 身のまわりにある物質の液性を調べる (会場:長浜高等学校)

講義のようす

 滋賀県立長浜高等学校の土田久弥先生・辻彰彦先生・筧政昭先生に講義いただきました。紫キャベツで指示薬を作り、いろいろな液体の液性を調べました。

〔感想〕
 日常生活の中にある20種類の液体を、酸性やアルカリ性などに分類をしました。溶液が身近なもののためわかりやすかった。

第6講 バイオリアクターでデンプンを分解しよう (会場:長浜農業高等学校)

講義のようす

 滋賀県立長浜農業高等学校の藤沢真尚先生・森沢進先生に講義いただきました。バイオリアクターを使って酵素反応の実験をしました。

〔感想〕
 いろんな試薬や実験器具を使って本格的な実験ができ、とてもよかったです。実験によって得られるデータは大変興味深いものでした。


(3)実験・実習講座

講座 日時 テーマ 講師
第1講 10月6日(土)
13:30〜15:30
健康を守りいのちを育むペプチド〜栄養、 機能性食品から医薬まで 長浜バイオ大学
准教授 向井 秀仁
第2講 10月13日(土)
13:30〜15:30
コンピュータを使ってタンパク質を調べる 長浜バイオ大学
講師 塩生 真史
第3講 10月20日(土)
13:30〜15:30
私の骨はなぜ形を変えたのか? 長浜バイオ大学
教授 野村 慎太郎
第4講 11月10日(土)
13:30〜15:30
竹、雑草、水草からバイオエタノールを作る 長浜バイオ大学
教授 大島 淳
第5講 12月1日(土)
13:30〜15:30
ビワマスをより美味しくするエサの開発 長浜バイオ大学
准教授 河内 浩行
第6講 12月8日(土)
13:30〜15:30
生物の寿命について考える 長浜バイオ大学
准教授 向 由起夫
第7講 12月15日(土)
13:30〜17:00
・植物が世界を救う
・閉校式
長浜バイオ大学
教授 蔡 晃植

第1講  健康を守りいのちを育むペプチド〜栄養、機能性食品から医薬まで (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 長浜バイオ大学の向井 秀仁准教授に御講義いただきました。ペプチノの形成、ペプチノからインスリン、グレリン、前立腺癌、エイズ等の薬の発見へとなった経過等の内容でした。

〔感想〕
 既にマラリア対策や認知症対策への取組がなされていることがわかり心強い講義でした。

第2講 コンピュータを使ってタンパク質を調べる (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 長浜バイオ大学の塩生真史講師に御講義いただきました。コンピュータ、を使って、シュミレーションをするには考えられない量の計算をくり返される等、研究者の大変さがわかる専門的内容でした。

〔感想〕
 タンパク質の形状が重要で、その形状を計算するのにコンピュータなしでは成立しないことがわかりました。

第3講  私の骨はなぜ形を変えたのか? (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 長浜バイオ大学の野村慎太郎教授に御講義いただきました。骨の組成や特徴、加齢にともなう骨の変形についてお話いただきました。

〔感想〕
 骨についてのお話でしたが、とても難しい内容でした。さらに理解を深めるためにもう一度同じ講義を受けたいと思いました。

第4講  竹、雑草、水草からバイオエタノールを作る (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 長浜バイオ大学の大島淳教授に御講義いただきました。繁茂する竹や、琵琶湖の水草などを材料にバイオエタノールを作る取組についてお話いただきました。

〔感想〕
 廃棄する植物からバイオエタノールを作り、エネルギー問題にも解決を求めようとする取り組みはすばらしいと思います。バイオエタノールの精製過程での物質が放射能汚染土壌の浄化に役立つことは興味深い話でした。

第5講 ビワマスをより美味しくするエサの開発 (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 長浜バイオ大学の河内浩行准教授に御講義いただきました。ビワマスや牛肉等をおいしくするためのエサの開発のお話を聞きました。

〔感想〕
 安価で安全な飼料の開発について、とても努力されていることがわかりました。琵琶湖の固有種であるビワマスが、もっと手軽に楽しめるといいと思いました。

第6講 生物の寿命について考える (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 長浜バイオ大学の向 由起夫准教授に御講義いただきま した。生物の寿命について、研究結果から科学的なデータで証明されている内容をお聞きしました。

〔感想〕
 腹八分目や粗食など、昔から言われてることが証明されていた。酵母のおかげで美味しいものが食べられることに幸せを感じながら、長寿の恩恵にあずかれたらと思う。

第7講 植物が世界を救う (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 長浜バイオ大学の蔡 晃植教授に御講義いただきました。植物の能力から生命の誕生まで、スケールの大きなお話で環境をテーマにした最終講義としてふさわしい内容でした。

〔感想〕
 植物の持つ能力に感嘆です。植物に対する見方が変わりました。「人間はもっと謙虚に植物に学ぶ必要がある。」という言葉に大変考えさせられました。

閉校式・交流会

講義のようす
講義のようす

 閉校式では、26名の修了生に修了証書が授与されました。 半年間の開校期間の中で、新しい学びと新しい出会いを経験され、みなさん晴れやかな笑顔でした。
 閉校式終了後、グループに分かれて意見交換会を行いました。

意見から…
・難しい話を分かりやすく教えてもらい助かった。
・最新の研究や高度な専門的内容が聞けて勉強になった。
・バイオ大学の施設見学ができ、研究室は興味深かった。
・いろんな高校に行けたこと、高校の先生方も準備をしっかりしてくださり、ありがたかったし実験は楽しかった。
・新しい知識が増えたことや友人ができたことがよかった。


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