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平成25年度 淡海生涯カレッジ 大津校

掲載日:2014年3月31日

平成25年度「淡海生涯カレッジ大津校」の講座実施レポートをお届けします。

テーマ:環境人になろう 〜自然と文化、暮らしを考えよう〜

期間:平成25年6月15日(土) 〜平成26年2月1日(土) 土曜コース

(1)問題発見講座

講座 日時 テーマ 講師
第1講 6月15日(土)
10:00〜11:30
『山間地農業から食文化を考える』
〜山菜栽培や朽木の自然を語る〜
講師 農業士 西澤 恵美子
第2講 6月29日(土)
10:00〜12:00
『比良の赤シソジュース
"Hira Perilla"(ヒラ ぺリラ)ができるまで』
講師 比良里山クラブ
代表理事 三浦 美香
第3講 7月6日(土)
9:00〜16:00
『夢から始まったローザンベリー多和田』
〜自然の中に命がある小さな夢から始まった物語〜
講師 ローザンベリー多和田
社長 大澤 恵理子
第4講 7月20日(土)
10:00〜12:00
『琵琶湖の魚たちと水産業について』 講師 滋賀県農政水産部水産課
参事 二宮 浩司

第1講  『山間地農業から食文化を考える』 〜山菜栽培や朽木の自然を語る〜 (会場:大津市役所 新館7階 大会議室)

講義のようす講義のようす

[開講式]
1 あいさつ
2 実施機関の紹介
3 受講生代表のことば
4 オリエンテーション
5 受講の諸注意

 西澤恵美子氏が取り組んでおられる山間地農業の実態、状況を経験をもとに講演された。山菜栽培や野菜の自家栽培について語っていただくとともに、季節感あふれる朽木の自然や環境、暮らし、さらには限界集落の中で夢に向かって取り組んでいることを話していただいた。

第2講  『比良の赤シソジュース"Hira Perilla"(ヒラ ぺリラ) ができるまで』 (会場:藤尾公民館)

講義のようす 講義のようす

 比良里山クラブは、大津市南比良の、「まほろばの里」を拠点に里山保全のあり方を考え実践しておられる。里山クラブの歴史や概要を紹介し、里山活動や、薬剤を使わず有機肥料で育てるシソを使った、シソジュースづくりを紹介された。また、体験型菜園セミナー等も紹介された。
 最後に、シソジュースをみんなで試飲した。

〔感想〕
 生まれ育った故郷の里山の荒廃を目の辺りにした彼女が、自然を取り戻すことを決意して、地域の農業経験者や若者たちの協力を得て、農業の楽しさと自然の豊かさを伝える現在の素晴らしい活動に至るまでを興味深く聞かせていただきました。
 その活動の中で生まれたヒラペリラの試飲とても爽やかで美味しかったです。

第3講  『夢から始まったローザンベリー多和田』 〜自然の中に命がある小さな夢から始まった物語〜
コンセプト説明、ガーデン散策、収穫体験 (会場:米原市ローザンベリー多和田)

 大澤恵理子社長より、ローザンベリー多和田(体験型観光農園)の開設経緯やコンセプト説明を聞き、さらにはガーデンを散策しながら花や木の説明を聞いた。また、各施設を案内してもらい散策を行った。昼食は施設内のレストランで、午後は農場でジャガイモの収穫体験を行った。

講義のようす 講義のようす 講義のようす

〔感想〕
 快適なバスで、ローザンベリーを訪問。オーナーの話(土地購入から開園までの経緯や、庭園を案内してもらいながらの木々や花の説明)は、私にはとても興味深かった。美味しいバイキング料理(お腹一杯)。貸し長靴を履いて、頑張ったイモ掘り。その後の冷たいジェラート。猛暑でなければ、歩き回って、もっと農園を散策できたかも。

第4講  『琵琶湖の魚たちと水産業について』 (会場:藤尾公民館) 

講義のようす講義のようす

 滋賀県農政水産部水産課の二宮浩司参事より、琵琶湖の魚介類や伝統漁法について詳しく説明を受けた。また、琵琶湖漁業の推移と影響を及ぼした要因、さらには琵琶湖の水産資源を再生するための、「1.場づくり、2.種づくり、3.人づくり、4.有害生物対策」の4つの柱から講義を受けた。
 また、漁業組合の方の協力によりアユ、モロコのてんぷらや鮒ずしの試食を行った。
 最後に、「今までの問題発見講座を受講して」と題してグループ討議と発表を実施した。

〔感想〕
 最近、琵琶湖の固有種を含め回復の動きがあることに希望を感じた。内湖の消滅や護岸工事などで大きなダメージがあっただけに、関係者の努力に感謝と敬意を感じる。
 我々も自分のできる湖食の見直し、森や川の改善活動への参加を強めていきたいと思った。


(2)実験・実習講座

講座 日時 テーマ 講師
第1講 8月3日(土)
9:30〜12:00
『膳所周辺の歴史散歩』
・禾津頓宮跡、膳所神社、膳所茶臼山古墳をフィールドワークし、人々が豊かな自然の中で育んだ歴史と文化について考えます。
膳所高等学校教員
池田 敏之
第2講 8月10日(土)
9:30〜12:00
『日本建築の特徴について』
・滋賀県にある建築について解説し、その全体や細部の特徴、見方について解説し、建築に使われる木材について、環境とのかかわりを考えます。 
※フィールドワーク
膳所高等学校教員
獅子堂 昭雄
第3講 8月24日(土)
9:30〜12:00
『身近な水を化学的に分析してみよう』
・琵琶湖の水、河川の水、生活排水などを化学的な手法を使って分析します。
膳所高等学校教員
池下 克美
第4講 9月7日(土)
9:30〜12:00
『葦を使っての楽器製作』
・琵琶湖の水を浄化するのに大きな役割を果たしている葦を材料にして、笛を製作し、琵琶湖の環境に対する意識を高めます。
膳所高等学校教員
本間 匡夫

第1講 膳所周辺の歴史散歩 (会場:膳所高等学校および膳所地区周辺)

 旧膳所高校グラウンド(現の高校玄関先)で発掘調査が実施され奈良時代の禾津頓宮跡が発見された。禾津頓宮(聖武天皇が東国行幸の際に設けた仮の宮殿:宿泊所)や、膳所城跡公園と膳所神社、膳所茶臼山古墳について、資料を見ながら説明を受けた。講義後、膳所高校を出発し膳所神社や、膳所の町から茶臼山古墳まで散策した。膳所城下町の風情とその地の歴史を感じながら散策することができた。

講義のようす講義のようす講義のようす

〔感想〕
 あまり大津のことを知らなかったので、膳所に遺跡があること、また彦根城とも所縁のあるお城のこと、古墳のこと等、たくさんお話をしていただいて、本当に楽しい時間でした。滋賀県の身近にあるもので歴史を感じさせていただいて、講師の先生がお話の中で言われていたように、ふと外を眺めたときのものの見方が変わり楽しく、また愛情を感じて日々過ごせると思いました。講師先生のお話は歴史というか、この地に愛情を感じます。

第2講  日本建築の特徴について (会場:膳所高等学校、三井寺) 

講義のようす講義のようす

 最初、膳所高校セミナーハウス研修室にて、京都、奈良、滋賀の社寺の写真をもとに日本建築について、説明を受けた。さらに、滋賀県の寺院の建築物についても、いくつか紹介されその特徴について解説された。次に、後で見学する三井寺の建築について、寺院の模型の製作を通してその特徴を説明された。その後、貸切バスにて三井寺に移動し、現地にて実地研修を行った。

講義のようす講義のようす

〔感想〕
 日本建築についての時代背景とその様式の違いについて話を聞き、その後、三井寺を見学した。今まで国宝等の建築物について全体のイメージや雰囲気で見た程度であったが、今回新たな視点で見ることを知った。滋賀には多くの歴史的文化遺産が存在し、身近に接することができる恵まれた環境にあることに感謝し、講座を学んだ点をふまえて今までとは違った見方で楽しみたいと思った。

第3講 身近な水を化学的に分析してみよう (会場:膳所高等学校)

講義のようす講義のようす

 サンプルとして採水された琵琶湖や河川(伊庭内湖、大同川等)、雨水等をろ過し、SRPの定量実験で濃度測定した。また、身近な飲物(ジュース、コーラ等)、米、野菜等にリンが含まれているかを、モリブデン青法にて定性分析により測定した。水質分析の説明を聞き、実際に水分析実験をグループごとに行った。

講義のようす講義のようす

〔感想〕
 今回は私たちをとり巻く身近な水の中にどれだけの「リン」が含まれているか、膳所高校化学教室に於いて興味深い内容で実験させていただきました。滋賀県では水質保全のため、いろんな取り組みをされていますが、「リン」が減らない原因も多々あり、まず私たちが家庭においてできることから実践していかなければならないと思いました。

第4講 葦を使っての楽器製作 (会場:膳所高等学校) 

講義のようす講義のようす

 ヨシ群落のはたらきや特性、ヨシ原の管理、刈り、焼き、植栽等・・・。さらにはヨシ製品としての活用をはじめ、現代のヨシの利用、ヨシと楽器の関係についても説明された。
 その後、美術室にてヨシ等の材料を使ってヨシ笛つくりに挑戦をした。なかなか難しく受講生の皆さんも苦労されていた。

講義のようす講義のようす

〔感想〕
 葦笛作りのコツは、通気口の高さと竹を斜めに削った高さを揃えることであった。それがわかっていてもできない。彫刻刃と極細ヤスリできれいにカッコつけられたが・・・。講師の本間先生のこの日の為の準備。そしてなんとか笛をみんなに造らせようとされた努力。感謝です。ありがとうございました。その熱意に感動しました。


(3)理論学習講座 (会場:滋賀大学教育学部)
   (土曜特設講座)

講座 日時 テーマ 講師
第1講 10月5日(土)
13:30〜15:00
環境保全的な農業と農村の資源管理 滋賀大学准教授  藤栄  剛
第2講 10月12日(土)
13:30〜15:00
琵琶湖のほとりから見た農業と環境 滋賀大学名誉教授  木島 温夫
第3講 10月19日(土)
13:30〜15:00
大震災を考える 滋賀大学准教授   田中 宏子
第4講 10月26日(土)
13:30〜15:00
琵琶湖淀川川くだり 滋賀大学特任教授  三田村 緒佐武
第5講 11月2日(土)
13:30〜15:00
学ぶこと、生かすこと 滋賀大学教授   神部 純一
第6講 11月16日(土)
13:30〜15:00
滋賀の食とその伝承に向けた取り組み 滋賀大学教授   久保 加織
第7講 11月30日(土)
13:30〜15:00
びわ湖に生息する生物のつながり
―湖沼生態系とはー
滋賀大学准教授  石川 俊之
第8講 12月7日(土)
13:30〜15:00
里川づくりと水辺環境再生 滋賀大学客員教授  柏尾 珠紀  
第9講 12月15日(日)
13:30〜15:00
環境教育・環境学習って何だろう 滋賀大学教授   市川 智史
第10講 2月1日(土)
13:30〜16:00
グループ発表会 講師全員

<平日正規の講義>

◎会場:滋賀大学教育学部 (琵琶湖学特論)

講座 時間 テーマ 講師
10月2日(水) 10:30〜12:00    びわ湖の自然、社会、生活などについて、専門的な立場から講義するとともに、個々にかかえている問題点を議論する。
このような講義や議論をふまえて、びわ湖に関する環境問題の実態を明らかにし、その解決策を探るとともに、広く水環境についての洞察力を深めていく。
滋賀大学特任教授
三田村 緒佐武
10月9日(水)
10月16日(水)
10月23日(水)
10月30日(水)
11月20日(水) 滋賀大学准教授
石川 俊之
11月27日(水)
12月4日(水)
12月11日(水)
10 12月18日(水)
11 1月5日(日) 9:30〜17:00
滋賀県立琵琶湖博物館
滋賀県立琵琶湖博物館を見学し、琵琶湖の「魅せかた」の実例を学び学校教育や生涯教育への活かし方を考える。
12 1月5日(日)
13 1月5日(日)
14 1月5日(日)

グループ学習発表会 (会場:滋賀大学教育学部)

講義のようす講義のようす講義のようす

 平成25年度の「理論学習講座」のまとめとして「グループ学習発表会」が開催された。今年度は、3つのグループから発表があり、各グループとも、それぞれの学びの成果を生かす発表の場となった。グループ発表ののち、質疑・討論の場が設けられ、積極的な意見交換が行われ充実した最終講となった。

【グループ発表のテーマ】

1.ゴミの減量・リサイクルをどう進めるか
 本グループはアンケート調査や大津市、守山市、草津市のゴミ関係課に実地調査等を行い、ゴミに関わる調査、リサイクルについてまとめや考察を加えて発表された。
 食べられる食品を大量に廃棄している食品ロスの現状や、再生ペットボトルの回収率、ならびに大津市のゴミ量の推移から家庭から出るゴミの調査3R(リデュース、リユース、リサイクル)の実際についてもまとめて発表された。

2.滋賀の風土と伝統を守るためには
〜草津追分野神神社祭禮と木地師の里東近江市君ケ畑・蛭谷の現状から〜
野神祭りを研究グループで実際に見学したりして、野神神社について調査研究が行われた。神社を守り祭りを実施していく上での役割等についてその苦労等も報告された。
 また、木地師の里、蛭谷や君ケ畑にも実地調査に入り、見学や木地師小椋さんの講話を聞いて木地師の歴史や現在の奥永源寺の現状を報告された。木地師の伝統技術の伝承や昔ながらの村落の維持等木地師の里の現状とともに歴史と伝統を守ることの大切さを提起されていた。

3.食育から環境を考える 〜理想的な食育と滋賀県〜
 食をめぐる現状と課題をPFC(たんぱく質、脂質、炭水化物)バランス等を用いて報告された。また、滋賀県人の野菜摂取量、滋賀県の食糧自給率、滋賀県の食糧生産についても報告された。最後に滋賀県について男女ともに野菜の摂取が少なく、農産物自給割合は半分程度で続いてきた生産低下傾向は、平成22年頃から改善されたことや、商い方法を工夫し地場産で生活できる滋賀県にとの期待をこめて報告された。

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