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平成27年度 淡海生涯カレッジ 長浜校

掲載日:2016年2月9日
平成27年度「淡海生涯カレッジ長浜校」の講座実施レポートをお届けします。

テーマ:身近な問題から見つめ直そう 〜バイオテクノロジーから自然環境まで〜

期間:平成27年6月13日(土)〜平成27年12月12日(土)

(1)問題発見講座

講座 日時 テーマ 講師
第1講 6月13日(土)
9:00〜12:30
・開講式
・講演「我々の生活とバイオテクノロジー」
長浜バイオ大学
教授 蔡 晃植
第2講 6月20日(土)
10:00〜12:00
【企業見学】
黒壁スクエア散策とガラス体験教室
轄封ヌ
伊吹 健
第3講 6月27日(土)
12:15〜16:45
【現地研修】
国の重要文化的景観・菅浦の魅力に迫る
菅浦惣村の会
会長 島田 均
第4講 7月4日(土)
12:30〜17:00
【フィールドワーク】
県指定天然記念物・鍾乳洞『河内風穴』探検
多賀町立博物館
主任学芸員 阿部 勇治
第5講 7月25日(土)
12:00〜16:00
【フィールドワーク】
湖北の魅力再発見!!!琵琶湖に浮かぶ神秘の島“竹生島”散策
宝厳寺
管主 峰 覚雄

開講式

講義のようす

 今年で19年目になる長浜校の開講式を長浜バイオ大学で行いました。今年度は過去最高の60名の申し込みがあり、新規申し込みの方だけで定員を超えてしまいました。そこで新規の方全員を受け入れ34名でスタートしました。
 開講式では、滋賀県教育委員会生涯学習課中川浩一参事と長浜市教育委員会嶋田孝次教育部長にご挨拶をいただきました。また、長浜校実行委員の長浜バイオ大学蔡晃植教授、長浜北高等学校福田康二教諭、長浜農業高等学校大橋拓朗教諭にもご臨席いただき、開講式に花を添えていただきました。開講式の後のオリエンテーションでは、グループでの自己紹介を行い、楽しい雰囲気でスタートすることができました。

第1講 我々の生活とバイオテクノロジー(会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 バイオテクノロジーは、生物が持っている様々な働きを、私たち人間の生活に役立つように利用する術として古くから使われてきました。
 発酵食品としては、酒、ビール、ワイン、味噌、チーズ、漬物、納豆などがあり、とくにビールはシュメール文明時代には存在していたようです。また、植物においては、従来の交配による育種から遺伝子組み換えによる育種の進化により、新しい品種を作り出すことが急速に発展してきました。他にも医薬品の開発にも活用されており、バイオテクノロジーという言葉が身近になりました。今後は、食料問題、難病問題、環境問題など地球的規模の問題解決に役立つ技術として大きく貢献することが期待されています。

第2講 黒壁スクエア散策とガラス体験教室 (会場:轄封ヌ)

講義のようす

 今日は、黒壁スクエア見学の後、サンドブラストによる小さなモノづくりを体験しました。先ず、マジックとカッターナイフで簡単にコップに刷りガラス状の絵を付けて、高圧で砂を吹きつけ加工しました。
 私たちは幼かった時のように、自分の思うままに手を動かし、頭を働かせてイメージを形にしていく状況ではありませんでしたが、そんな懐かしくて楽しい気持ちを思い起こすようなモノづくりの場で、新しい仲間同士との会話を楽しみながら作る喜びを満喫しました。この作品はずっと大切にしたいと思います。

第3講 国の重要文化的景観・菅浦の魅力に迫る (会場:菅浦地区)

講義のようす

 長浜に住んでいて、一度は訪れたいと思っていた「菅浦」。昨年には、国の重要文化的景観にも選定されたとのことでとても楽しみにしていました。当日は、心配していた雨にも降られることなく、地元ガイドさんの懇切丁寧な説明を聞きながら、その町並みから歴史までを堪能することができました。ガイドさんは実際に菅浦にお住まいの方々で、その生活ぶりまで教えていただきとても参考になりました。
また、現在は60戸余りが実際に生活をされているとのことで、この貴重な文化的景観を住民の方々が一丸となって守っておられることに感銘を受けるとともに、同じ市内に住んでいたにもかかわらず、またまだ知らない地域や歴史があることに改めて気づかされ、今後は積極的に新しい地域を散策していきたいと思いました。

第4講 県指定天然記念物・鍾乳洞『河内風穴』探検 (会場:河内風穴)

講義のようす

 事前調査や周到な準備をいただき、天候不順のなか、スケジュール通りに実施いただき大変良かったです。現地における学芸員さんの案内では、あらゆる分野に博識であり、講師の話術にも長けておられ、まだまだお聞きしたかったですが、またの機会に期待したいと思います。
 観光ボランタリーガイドをされている受講生の方もおられましたが、話し方や案内の仕方までも非常に参考になり、良い勉強になったと感想を述べておられました。

第5講 湖北の魅力再発見!!琵琶湖に浮かぶ神秘の島“竹生島”散策 (会場:竹生島)

講義のようす

 菅浦漁港から船に約10分間乗り、竹生島に到着しました。2名のガイドさんが待機しておられ、2班に分かれて説明を受けながら、164の石段を登り宝厳寺の本堂をお参りしました。本堂においては、管主の峰様より竹生島・宝厳寺の開基のいわれや、三度の大火より免れた仏像など盛りだくさんの経緯等を楽しくお話していただきました。
 宝物殿も案内していただき、平成30年完成予定の国宝唐門をくぐり、重要文化財の船廊下を渡り、千手観世音菩薩様を収めた観音堂をお参りすれば、明治元年に発布された「神仏分離令」により本堂の建物のみが引き渡された竹生島神社です。帰りは、舞台作りを見て県内一短い319号県道を歩きながら、「人間は自分の罪を洗い清める事が出来る動物である」という言葉を噛み締めながら下山しました。

(2)実験・実習講座

講座 日時 テーマ 講師
第1講 10月3日(土)
13:30〜15:30
レンズの実験と眼の錯覚の話 伊香高等学校
教諭 平塚 隆三
第2講 8月22日(土)
9:30〜11:30
身の周りの物理現象 長浜北高等学校
教諭 福田 康二
第3講 8月29日(土)
8:30〜16:30
夜空への想い(プラネタリウム) 長浜北星高等学校
教諭 西川 聡
第4講 9月5日(土)
13:30〜15:30
観察・仮説・実験〜ワークショップで体験する科学的探究〜 虎姫高等学校
教諭 松宮 敬広
第5講 9月12日(土)
12:30〜17:00
DNA鑑定でお酒に強いか調べよう! 長浜バイオ大学
准教授 佐々木 真一
第6講 9月26日(土)
13:30〜15:30
豆腐の製造 長浜農業高等学校
教諭 大橋 拓朗

第1講  レンズの実験と眼の錯覚の話 (会場:長浜市役所) 

講義のようす

 平塚先生の卓越した話術と行き届いた資料により、大変面白く受講できました。先ずレンズの実験ではそれぞれ作成した箱カメラを覗きながら、真剣に考えている受講生の姿は貴重なものだと思いました。
 また、目の錯覚については日頃何気なく考えていたことや昔習ったことなどが思い出されて記憶力の大切さも痛感しました。もっと小さいときに、平塚先生のような方に習っていれば理科の授業が面白かったと思ったのは私だけではないと思います。

第2講 身の周りの物理現象 (会場:長浜北高等学校)

講義のようす

 話を聞くだけではなく、実際に実験を自らの手で行うことにより、知らなかったことを体験することは、平凡な日常生活の中において、非常に強い刺激を受けることができました。
 また、グループで実験に取組むことにより、作業を通してのコミュニケーションも弾み、あっという間に時間が過ぎていきました。参加者の方々は皆、学生時代に戻ったようなイキイキとした表情で実験に取組んでおられ、気圧の変化を実感するなどしながら、自然の不思議、奥深さを改めて実感することができました。

第3講 夜空への想い(プラネタリウム) (会場:長浜北星高等学校)

講義のようす

 西川先生より星空入門の講義の後、和室へ移動し、布団に寝転んでプラネタリウムで星座の解説を聞きました。その後、受講生に事前に与えられていた星座についての課題を一人ひとり発表しました。
 教室へ戻ったあとには、天文ソフトで実演もしていただき、帰宅後、見てみようと思いました。今回は星空を眺める機会を得ることができ、これを機会に他の星座も調べて、秋の夜空を眺め、夜空への思いを深めてみたいと思いました。楽しい時間をありがとうございました。

第4講 観察・仮説・実験〜ワークショップで体験する科学的探究 (会場:虎姫高等学校)

講義のようす

 観察・仮説・実験を実際に体験し、科学する意味を考えるという授業を受けさせていただきました。お盆と風船を材料にしてのワークショップでは、自分の考えの浅さを知り、他の方々の意見を聞き、「そうか!」と思うことが多々ありました。先生のエネルギッシュな質問への解答も、実際に観察させ、納得するといった方法で教えてくださり、本当に老化した脳に深い刺激をいただきました。
 日頃は何一つ疑問に思わない物体への空気の流れや引力等を久しぶりに目で観察し、仮説を立て、実証するための実験をするといった行動が「学問」なんだと感動しました。

第5講 DNA鑑定でお酒に強いか調べよう! (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 DNA鑑定には膨大な器具や薬品、試料が必要だということ、またその手間に大変驚かされました。
 このような非日常的な実験は経験したことがなく、脳の活性化に役立ったと思います。先生方には、素人で不器用な我々に、手取り足取り根気よく丁寧に指導いただき、本当にありがとうございました。

第6講 豆腐の製造 (会場:長浜農業高等学校)

講義のようす

 最後の実験実習講座になりましたが、非常に関心の高い内容であり、とても楽しく実験を行うことが出来ました。いつも食べているお豆腐がミキサーでこんなに手軽に作れるとは思ってもみなくて、本当に大発見でした。それに自分で作るので、安心で安全なのが一番です。
 受講生同士が仲良く、和気あいあいと作業することができ、また、中高年の私たちの辛気臭いような質問にも、懇切丁寧に1つずつ答えてくださった大橋先生にも感謝の気持ちでいっぱいです。忘れないうちにもう一度チャレンジしようと思っています。楽しく学べる実習をありがとうございました。

(3)理論学習講座

講座 日時 テーマ 講師
第1講 10月10日(土)
13:30〜15:30
骨は環境に応じる 長浜バイオ大学
教授 野村 慎太郎
第2講 10月17日(土)
13:30〜15:30
魚類を用いた環境問題解決への挑戦 長浜バイオ大学
准教授 池内 俊貴
第3講 11月7日(土)
13:30〜15:30
脳梗塞と実験動物 長浜バイオ大学
教授 永井 信夫
第4講 11月14日(土)
13:30〜15:30
バイオが生み出す魔法の弾丸:抗体医薬 長浜バイオ大学
教授 西 義介
第5講 11月21日(土)
13:30〜15:30
植物の進化の陰に細菌あり 長浜バイオ大学
講師 今村 綾
第6講 11月28日(土)
13:30〜15:30
酵素について考える―その歴史から産業利用まで― 長浜バイオ大学
講師 中村 卓
第7講 12月12日(土)
13:30〜17:00
・植物の営みを知ろう
・閉講式
長浜バイオ大学
教授 蔡 晃植

第1講 骨は環境に応じる (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 とても興味深いテーマでしたが、少し自分が考えていたものと違って残念でした。骨は環境に応じるというテーマだったので、どうしたら骨に良い環境を作ることができるのかをもう少し具体的に知りたかったです。途中から難しくなり、さすが大学の講義だと感じ、学生時代や資格試験を受けるときに勉強したことを思い出しました。
 死ぬまでにどのように日々の生活を過ごすか。色んな人と接することにより、刺激が入りよくなると最後に言われたことが印象的でした。歳を重ねても、学びを忘れずに、色々な考えや趣味を持った人と接する事は刺激にもなり、はつらつと過ごすことに繋がると思いました。だんだんと頭の回転も体の動きも鈍くなっていく中で、淡海生涯カレッジのような生涯学習は本当に良い刺激になっていると思いました。

第2講 魚類を用いた環境問題解決への挑戦 (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 環境ホルモン(生物のホルモン調節に悪影響を及ぼす化学物質)が人間にはさほど影響はないが、野生生物にはかなり悪いものであること。人間が日常使用している化学物質が水に溶けて流水により琵琶湖に流入することで、例え微量のものであっても魚類等の野生生物には悪影響を与えることを学びました。特にストレスホルモン(コルチゾン)に関するお話や、性ホルモンに与える化学物質のお話は興味深いものでした。
 講義の後半に入ると徐々に難しい内容になりましたが、先生が県や日赤と協力して水中に含まれる物質をより簡単に検出し、環境に与える課題に取組んでおられることやそのシステムが画期的なものであることは理解できました。

第3講 脳梗塞と実験動物 (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 初めて習う学習分野であり、予備知識は全くありませんでしたが、改めて脳の病気の恐さを実感することが出来る非常に有意義な講義でした。

第4講 バイオが生み出す魔法の弾丸:抗体医薬  (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 難しく感じたところもありましたが、抗体医薬としては身近な事柄にも触れられていたので、よく理解できました。遺伝子工学において、特に製薬に関しては、世界の製薬企業がしのぎを削っていることがよく分かりました。

第5講 植物の進化の陰に細菌あり (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 絶滅危惧種や果実の成長に実際に使われているように、もっともっと身近なところで色んな形で活用されているのは良いことだが、環境に与える影響はどうなのか?環境や人体に与える影響を考える必要があるがさらに活用できるところがあればよいと思いました

第6講 酵素について考える〜その歴史から産業利用まで〜 (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 今回の講義では、先生から問題を出されたり、また質問をされたりして、受講生の私たちはいつもと違う雰囲気のなかで、その緊張した授業を楽しく学ぶことができました。
 酵素とはどういうものであるかを学んで、専門的な事は正直言って、いま1つ頭に入りにくいところもありましたが、新たな発見と知識を得ることが出来ました。酵素の働きは身近でよく知っている食品以外でも薬品やその他産業にも利用されていることに驚きました。
 今後、酵素の無限に近い働きとその利用の研究が進んでいくことに期待し、注目していきたいと思いました。

第7講 植物の営みを知ろう(会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 私たちの住んでいる地球は、異常気象によって気象災害は年300件を超えるまでになっている。このまま温暖化が進めば、野菜や果実などの生育にも大きな影響を及ぼすようになり、地球規模で対策を練っていく必要性を強く感じました。
 多くの植物の茎や葉を地面にさしておくと、根が生えて新しい個体へと分化する。動物ではこれまでできなかったが、iPS細胞の発見により動物でも可能になる世の中がやってくるのではという期待がもてました。

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