本文へジャンプ

「地域の力を学校へ」推進事業 平成22年度 学校支援の実践例

掲載日:2011年2月23日
連携授業のようす

テーマ

「生き方講話(キャリア学習)」

学校・園名

大津市立瀬田北中学校1年生

講師

おうみ未来塾「仕事人と語ろう!」グループ、
株式会社村田製作所、
パナソニック株式会社ホームアプライアンス社

日付

平成23年2月3日

教科等

総合的な学習の時間

授業と講師の感想

 「専門家の話を聞いて職業の実際を感じ取ろう」という趣旨のもと、多人数の講師による『生き方講話』が行われました。しが学校支援センターは、そのうち4名の講師(おうみ未来塾2講師・パナソニック・村田製作所)をご紹介しました。

連携授業のようす<1> 美容師の講話

 一人前の美容師になるには、専門の学校を出た後もお店での長い下積み期間が必要です。たいていの人は4、5ヶ月でやめたいと思うようになるそうです。
 「技術は諦めずに努力を続ければ絶対習得できるものです。しっかりと取り組めば後で幸せになれるはずです。」と、目標を決めて努力することの大切さを教えてくださいました。

 講師の方は、最初ひとりでパーマを任された時うまくできなかったことが悔しくて、その悔しさをバネに、情熱を持って訓練を重ねてきたという話をされました。ご自身が失敗を乗り越えた話もされ、生徒達も熱心に耳を傾けていました。

 ほか、美容院でのお客さんとの話のポイントや接客時の姿勢、経営者としての心構えなど、実話をもとに話してくださいました。「今まで習得した自分の技術をスタッフに伝えていきたい。そしてそのスタッフがまた後輩に伝えていき、美容界全体に広がっていくと良いと思います。」とおっしゃいました。

講師の感想

  全員が素晴らしい瞳で見つめてくださいました。良い子達ばかりでした。ありがとうございました。

生徒たちへのメッセージ

 大切なのは、目標を決めそれに向かってとことん嫌になるまでやってみること。その時に本当に嫌いなのか好きなのかがわかると思います。中途半端なところで終わらず努力する時間は、長い人生の中でそんなに長い期間ではないと思います。人生において皆、平等に幸せは来ると思います。努力する時間を若い時にするか、年老いてするかを自分で決めながら、フットワークの軽い若いときに目標を決め、努力してほしいと思います。常にどうなりたいかを心に決めておくことが大切です。

授業と講師の感想

連携授業のようす<2> 弁護士の講話

 3部構成でお話をしてくださいました。
  <1>弁護士になるまでのいきさつ
  <2>弁護士・裁判官・検察官になる為の勉強(六法+行政)
  <3>弁護士の仕事と立場

 <2>のお話では、司法試験が何回かに分けて行われることを教えてくださいました。

 <3>のお話では、「給料ではなく、やりがいで仕事をえらんでほしいです。」と要望されました。
 また、実際にあった4つの事件の記事を見せ、「なんて悪いことをする人だ」等の感想と反応があった後、全てが無罪判決になったことを伝えられました。生徒達は非常に驚いていました。

 講師の方は、いかに事件が人の一生に影響するかということと、弁護士の責任の重さを話されました。

講師の感想

 刑事事件における弁護士の役割について時間を割きました。逮捕時の報道を見ると、いかにも本当に犯罪をおかしたかのように思えてしまいます。教室での反応もそうでしたし、世間の反応もそうです。その中にあって、被疑者の言い分をとことん信じた弁護士がいたからこそ、その後の無罪判決があるのだと説明し、弁護士の最大の存在意義はここにあると伝えました。

授業と講師の感想

連携授業のようす<3> 技術者(村田製作所)の講話

 まず最初に、スライドを使って、自転車型ロボットの開発と、技術者の仕事内容について紹介されました。また、開発途中の仕事風景のビデオ映像を流され、物を作る苦労と喜びについても話してくださいました。

 後半は実際にムラタセイサク君を走らせ、「難しそうに見えてもパズルと一緒です。」と言いながら、カバーを開けて中の基盤を見せて説明してくださいました。

 最後に、講師から生徒達へのメッセージとして「大人になるまで時間はたっぷりあります。興味と探求心を持って色々調べてください。」「物をつくる喜びを味わってほしいと思います。」などとおっしゃいました。

講師の感想 

 当日は控室にて色々な専門家の方々とお会いする機会があったので直接お話しする機会が持て、今までとは少し違った新鮮な感じがいたしました。

生徒たちへのメッセージ

 ロボットの開発途中は、大人が何人も集まっても失敗の連続でした。でも諦めずに作ったセイサク君が、みんなに興味を持ってもらって、開発して本当に良かったと思います。失敗は恥ずかしくありません。生徒の皆さんも、部活や勉強などで失敗することもあるでしょう。でも諦めないで、色んなことにチャレンジしてほしいと思います。そして、皆さんの中から、一人でもエンジニアが誕生してくれたらうれしいです。

授業と講師の感想

連携授業のようす<4>技術者(パナソニック)の講話

 スライドを使ってエアコンの構造や商品開発の説明をしながら、商品開発にかける思いや働く苦労・楽しさについて、講師自身の経験をもとに伝えてくださいました。設計図を生徒に回覧してくださり、生徒達は最後まで真剣に聞き入っていました。

 講師の方が特に強調されたのは、チームワークの大切さと周囲の人達への感謝の気持ちです。1つのものを作るにもたくさんの工程があり、多くの専門家の協力が必要です。

 また講師の方は、「街を歩いている時、よそのお宅のベランダに自分たちが開発したエアコンの室外機を発見すると、とてもうれしいです。」とおっしゃっていました。

講師の感想

 中学一年生の三学期(中学校生活にもしっかり慣れた頃)に色んな社会人の話を聞く機会が設けられるのは大変良いことだと思います。2年生になれば進路についても意識しなければならず、その際の一助にもなるような気がします。できれば、多種多様な職業の皆さんの話を聞く機会を、年間を通してもっと増やせばなお良いと思います。

生徒たちへのメッセージ

 皆さんは、人生の中で一番多感な時間を過ごしています。多くの人と出会うことで、きっと人生の幅が拡がると思います。

感想

生徒の感想 【大津市立瀬田北中学校の生徒より】

 美容師の講話

  • 「夢を叶えるための努力は何よりも武器になる」と思いました。
  • 自分が今まで知らなかったような経験談が聞けて良かったです。
  • とても将来の為になり、いい勉強になりました。仕事に就いた時に役立てるようにしたいと思います。
  • 美容師のことや、何の職業であっても使えることを教えて頂いたので良かったです。

 弁護士の講話

  • 今までに弁護士という仕事に対して興味を持ってはいましたが、今日話を聞いて、もっと興味を持ちました。この仕事のことをもっと知りたいと思いました。
  • 事件を受け持つ弁護士の心境や、仕事の幅広い内容なども知って、とても中身の深い仕事なんだと思いました。
  • えん罪になることがあると聞いて、弁護士の大切さがよくわかりました。
  • ドラマの弁護士さんはすぐに証拠が見つかるけれど、現実の弁護士さんは1つの証拠を見つけるのに長い時間をかけるんだとわかり、大変だなと思いました。

 技術者(村田製作所)の講話

  • 色々な話を聞かせてもらい、どんなことをしているのかがわかりました。今日の話でこういう仕事を目指そうかなと思いました。
  • 技術職はもっと堅苦しい仕事だと思っていました。でも、楽しそうにロボットを作っている映像を見て、僕もムラタセイサク君のようなロボットを作ってみたいと思いました。
  • どんなことでも諦めず、どうしたらうまくいくか、できるかなどを考えれば、いつか必ずできるようになるということがわかりました。

 技術者(パナソニック)の講話

  • いま将来について悩んでいる時に、こんな貴重な体験ができて良かったです。今日学んだことを今後の将来に活かしていきたいと思います。
  • 生活のほんの一部のエアコンというものでも、たくさんの人の力があり、やっとできるということを実感しました。どんな仕事でも、たくさんの人と協力してできるものなんだと思いました。
  • エアコンのひとつの部品だけで、大きな紙4枚分の設計図になることに驚きました。エアコンひとつにお客様の言葉がたくさん入っているんだなあと思いました。

学校・園の感想 【大津市立瀬田北中学校の先生より】

  • 生徒が希望した職業の話を聞くことができ、興味・関心を持って、授業に取り組むことができました。生徒達の質問にも答えて頂き、とても良かったと思います。
  • 講師の先生のお話もわかりやすく、色々な職業の方に来て頂くことができ、生徒は良い体験をすることができました。引き続き、この連携を大切にしていきたいと思います。
  • 講師の方は、スライドで生徒の興味を惹き付けながら、大変詳しくわかりやすく話をしてくださいました。実物のロボットを目の当たりにした生徒の目は輝いていて、技術者になりたいという子がほとんどでした。生徒から矢継ぎ早に質問が出ていたのは、いかに内容が充実していたかが伺えます。
  • 生徒にとって、親や教師以外の働く大人に出会って話を聞けたことは、とてもプラスになっていると思います。仕事の名前を知っていても、実際の内容までは知らないのがほとんどです。その中で仕事に対するイメージが少しでも持てたら良いなと感じました。失敗しながらも何度でもチャレンジするという内容に、生徒達も興味を持ったようでした。
平成22年度実践例の一覧ページへ
△ ページのトップへ