掲載日:2007年9月18日
取組名称: 高島市立本庄小学校 みんなで学び育てよう「たくましい子 本庄の心」
-早寝・早起き・朝ごはんの推進-
実施団体: 高島市立本庄小学校PTA
PTA実践発表より:
1 校訓「たくましい子 本庄の心」(活動方針メインテーマ)
本校の校門脇の石碑と体育館の大きな額に、校訓が示されている。
『広い琵琶湖上で四季の風雨(雪)にさらされ、日夜波に洗われ続けても、その姿を変えることのない※注沖の白石のように、たくましい心と体を
もつ児童に育ってほしいとの願いが込められている』
学校教育目標もこの校訓のもとに立てられている。本年度はPTAの活動方針のメインテーマにもこれをとり入れて、PとTが共通の意識で連携を図って子育てを進めている。
※注 沖の白石…安曇川河口にある舟木崎の西方沖合い約6.5km、水深80m付近の琵琶湖上にポッカリと浮かぶ4つの岩。最も大きい岩の高さは14m。本庄小学校区に属する。
そこで、心身ともに「たくましい子」に育てるために、「早寝・早起き・朝ごはんの推進」をサブテーマとして、食育にかかわる取組みを進めてきた。
2 食生活についてのアンケートから(昨年7月実施「平成18年度児童の食生活等実態調査」)
本庄小学校区は3世代家族の多い地域である。しかし、最近は両親とも勤めに出ている家庭が多く、下校後夕食まで、祖父母や兄弟姉妹だけが家
にいるという子どもも増えつつある。
学校で昨年度に実施された食生活アンケートの結果からは、おおむね健全な食生活の子どもが多いが、中にはあまり健全ではない食生活の子どもも少数ながらいることがうかがえる。
特に気にかかる項目としては、次のようなものがあった。朝食を毎日食べている子が全校の81%。食事の時テレビがついている家庭が77%。夕食を一人で食べる日が週に1日でもある子が
17%。おやつはスナック菓子が26%、アイスクリームや清涼飲料水が26%。
ほかにも数値としては低い率だが、ほとんど朝食を食べていない子、夕食を外食で済ませることが週に3回以上ある子、弁当やサンドイッチ等買ったものが夕食の子、毎日夕食後に夜食を食べる子もいる。
これらの状況の改善には、子どもも家庭(親)も食生活に対する意識を変える必要があると考えられた。そこで、食についての学習に家庭と学校が連携して取り組み始めた。
3 親の役割の自覚と食育の推進
まず、総会で次のことを確認し、親の役割をよく自覚して取組みを進めてきた。
「子ども達が歩いて学校に通い集団生活を行うためには、大変なエネルギーを使います。そのためには、食事をしっかりとることと十分な睡眠が必要です。子ども達を明るく元気に学校に送り出すことは、親としての大切な役割です。教育の原点は家庭にあることを認識し、基本的な生活習慣・豊かな情操・他人を思いやる心・善悪の判断など、しつけの最高責任者は親であることを自覚してその責任を発揮するように努めなければなりません。」
(平成19年度「本庄小学校PTA総会要項」より抜粋)
4 食についての学習の取組み事例
【1】親子ひびきあい活動
(1)子どもが作った野菜で「親子カレー」(平成18年10月・3年)
3年生は、「ふるさと」(総合的な学習)の時間に、自分の住む地域をよく知りそのよさを学ぼうとする学習を進めている。主として、地域で栽培されている野菜について農家の畑を見学
して調べたり、農家の方に教えてもらいながら学校園でそれら(ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、黒大豆等11種類)を栽培したりした。
10月のひびきあい活動の前日には、子どもたちが収穫したジャガイモやニンジン、タマネギを使ったカレーづくりをし、当日は軽スポーツを親子で楽しんだ後、試食した。
子どもたちが作ったカレーライスは、親にたいへん好評だった。3年生でもこのように調理できることを感心する声もあった。
<実施後の親の感想>
- 軽スポーツの後、食育活動として3年生が授業で育てたジャガイモ、ニンジン、タマネギなどの野菜を使って調理したカレーを親子で おいしくいただいた。
- 子どもたちの作ったカレーはとてもおいしく「おいしい」というとみんな満足そうだった。
(2)「アドベリーを使ってフルーツポンチ」(平成18年11月・5年)
活発で男子の多い5年生。最近は、おやつとして、ジュースを飲んだりスナック菓子を食べたりすることが多い子どもたち。そこで、「おやつやジュース」と題して、栄養士さんに講話をしていただき、親子で学習した。その後、子どもたちが「ふるさと」の時間に調べ学習をした地場産フルーツ「アドベリー」を使ったおやつを作った。
<実施後の親の感想>
- おやつの袋に記載してある“栄養成分表示”を分かりやすく説明していただき、子どもたちや保護者の方も驚きの話だった。
- アドベリーは子どもたちが勉強していた食材なので味わっていただくことができた。
- 男の子が多いクラスなので、調理に対する進行が心配されたが、どの子も積極的に活動に参加することができ、親子で楽しいひととき を過ごすことができた。
(3)親子給食(平成19年5月・1年)
入学して1ヶ月余りがすぎた5月21日、1年生が給食センターの栄養士さんに給食や栄養についてのお話を聞いている様子を授業参観。その後、親には懐かしい給食を、中庭で一緒にい
ただいた。家での普段の食事より量が多いと感じられる親。いつもと違う雰囲気で喜んで食べている顔の子どもたちがほほえましく感じられた。
5 まとめ
- 食生活等のアンケートでは、就寝時刻、起床時刻等の質問項目もあり、それらが遅い子どもについては、学校での指導や教師と親との懇談等 により、生活習慣が改善されてきた。
- 食についての学習は始めたばかりなのでその効果が顕著ではないが、今後も継続した取組みを続ける中で、地域の農産物や人々とのかかわり を大切にしながら食生活の改善に結びつけていきたいと考えている。