平成8年3月 滋賀県社会教育委員会議報告書

『学校、地域社会がともに取り組む生涯学習のあり方』

子どもの体験をどう育てていくか

はじめに
 国の臨時教育審議会が生涯学習体系の移行を打ち出してから10年余りが経過し、今や人々の学習に対する関心や意欲は年々高まり、県や市町村、民間等あらゆる関係機関が、学習者のニーズに応えるべく各種施策や学習機会の提供を行っている。

 そうしたなかで、今後一層豊かな生涯学習社会を築いていくためには、家庭、学校、地域社会は、これまで以上に、手を携えていく必要がある。

 これまでは、家庭教育、学校教育、あるいは社会教育が、それぞれの独自の特色と機能を発揮しつつ、相互に協力しながら教育機能を高める、いわゆる「学社連携」を進めてきたが、今日においては、お互いの知恵と機能を持ち寄り、一体となって取り組みを進めていくという、連携から一歩踏み込んだ「学社融合」が求められている。

 社会教育委員の会議では、平成6年度・7年度と2ヶ年間にわたり、今日の教育の課題を幅広い立場から受け止め、新しい発想のもとに、学校も、地域社会もそして家庭も一緒になって考えて、 「ともに創る 」という教育のあり方を求めて、「学校、地域社会がともに取り組む生涯学習のあり方」という研究テーマを設定し、課題や具体的方策について論議を進めてきた。

 特に、平成7年度からは、テーマからの焦点化を図り、「子どもの体験をどう育てていくか」というサブテーマのもとに、学校と地域社会がともに創り出していく体験のあり方を考え、それを核として両者がともに取り組む生涯学習のあり方を追求してきた。

 2カ年の審議について、各分野、方面からの意見を整理し、この度、ここに一応の審議のまとめを見た。この報告書が、滋賀の生涯学習・社会教育の振興に多少なりとも寄与することができれば幸いである。

| 戻る | 次へ |