平成25年度「淡海生涯カレッジ草津校」の講座実施レポートをお届けします。
期間:平成25年6月15日(土)〜平成26年2月1日(土)土曜コース
講座 | 日時 | テーマ | 講師 |
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第1講 | 6月15日(土) 13:30〜16:00 |
安心・安全な大気環境を支えるために | 琵琶湖環境科学研究センター 環境監視部門専門員 服部達明 |
第2講 | 6月29日(土) 10:00〜13:00 |
とれたて野菜でからだに優しいクッキング 〜地元野菜を使った地産地消講座〜 |
JA草津市女性部 部長 中村浩子 クッキンググループリーダー 中西真由巳 |
第3講 | 7月6日(土) 10:00〜13:00 |
ローカルフード 〜農ある暮らし〜 |
有限会社 ブルーベリーフィールズ紀伊國屋 代表取締役 岩田康子 |
滋賀県の大気環境の現状や微小粒子状物質PM2.5についての監視体制や環境基準等について、調査資料を基にお話いただきました。PM2.5の注意喚起については「しらしがメール」などによる連絡体制がとられており、測定器も整備されてはきています。しかしながら、大気汚染による健康への影響については、今後もデータの蓄積が不可欠であり、監視を継続し見守っていく必要があるということなどを教わりました。
〔感想より〕
私たち住民が健康的に生活するためにいろんな研究調査がなされ、私たちに影響する場合は注意喚起が報道されていることがわかり、今話題の「PM2.5」についても理解できました。
環境問題を考える良い機会になりました。特に大気汚染については、高度成長期後の公害被害が大きく取り上げられたが、今日の人為的な自動車排気ガスをはじめ光化学、酸性雨、PM2.5等に対策・対処することを学習する必要性を痛感しました。次世代のためにもしっかりと。
草津市の特産野菜、わさび菜の一種「愛彩菜」を使って調理実習を行い、試食しました。JA草津市女性部の方々との交流も深められ、栄養豊富な愛彩菜の鮮やかな緑や、味わいを活かした多くのレシピもご紹介いただきました。食の安心・安全の確保には地産地消を推進していくことが大切で、また地域の活性化にもつながるということが分かりました。
〔感想より〕
農薬を使用せず、安心安全な地元野菜を使った料理、親切に教えていただきよかったです。生産者がわかる地元野菜は安心して食べられます。
「地産地消」は「フードマイレッジが少なく、おいしく、体に良い」のに進まない。日本の農業を守ることが「環境改善」につながり、日本経済の発展に繋がると思います。
有機無農薬のブルーベリーを栽培し、農園や地域の食材を使った自然派レストランを経営されている中で、農業や食に対する思いを語っていただきました。自然との共生、自然への感謝の気持ち、自然農法の大切さ、お話を通じ学ばせていただきました。農業経営者として、次世代に命を繋いでいくための食や環境へのこだわり・配慮には深く感銘を受けました。講演の後は、棚田ランチを美味しくいただきました。
〔感想より〕
岩田先生のお話は、同年代を生きてきた者として共感するものがありました。若い世代に、生きていくことの大切なことをつなげて行きたいと思います。
何も知らない人が、農業を始められる中で、自然農法をされ、環境や生き方について深く考えさせられた事が、とてもすばらしいです。
講座 | 日時 | テーマ | 講師 |
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第1講 | 8月10日(土) 13:30〜16:30 |
近江の季節を感じよう | 草津高等学校教員 中島明己、三上園 |
第2講 | 8月24日(土) 13:30〜16:30 |
環境こだわり米を使った米粉パスタ作り | 湖南農業高等学校教員 浅井隆博、岡田充弘、中村三蔵 |
第3講 | 9月14日(土) 13:30〜16:30 |
琵琶湖の生物 〜顕微鏡で琵琶湖を覗いてみよう〜 |
光泉高等学校教員 池尻周二、三木学、村上洋之 石橋伸公、福嶋真一 |
第4講 | 9月21日(土) 13:30〜16:30 |
手ぬぐいから日本人の知恵を学ぶ | 玉川高等学校教員 森紗和子 |
第5講 | 9月28日(土) 13:30〜16:30 |
自然観察シリーズ第2弾 「おる」 | 草津東高等学校教員 今安和彦、林和子、坂本佳子 |
お茶の歴史や作法・茶道具について学び、自服や茶菓(干菓子・葛餅)の製作の実習体験をしました。「わび・さび」の美意識・「和敬清寂」・「利休の七則」を教わる中で、人に気遣い、自然を敬い、物を大事に扱う心の大切さを知りました。季節感も味わい、手製の和菓子は美味でした。
〔感想より〕
日本のお茶の文化を改めて素晴らしいと思いました。「わび・さび」を感じる文化、そしておもてなしの心、今後も大切にしたいと思いました。
いい加減な知識しかなかった「茶」の歴史、考え方、道具、所作などの知識を詳しく教えてもらい、誠に有意義でした。部屋に飾る花、道具、菓子などの選定で、季節感の重要性がよく理解できました。
穀類(米や小麦)の粉の加工食品の種類や特徴に関する講義のあと、パスタマシンを使って米粉パスタ作りに挑戦しました。粉をこねるのが大変で、短く切れたりもしましたが、講師の手助けにより完成し美味しく食しました。湖南農業高校の様子もあり方も理解でき、お土産の米粉パンも好評でした。
〔感想より〕
米粉でパスタが作れる事が興味深く思いました。パン作りもできて楽しかった。農薬についてのいろんな問題にも気づきました。
米粉、小麦粉はじめパスタ、麺の話は良くわかりやすく参考になりました。実習の米粉でのパスタ作りも仲間の協力があり、大変美味しく食しました。
琵琶湖に生息する微生物を、顕微鏡を使って観察しました。肉眼では見えないたくさんのプランクトンを見つけ、名前や特徴など図解で調べました。ツクシの胞子の観察では、生物の繁殖力の神秘さに触れることができました。後半は水質浄化に役立つ「ヨシ」を使って、パンフルートとペンを作りました。
〔感想より〕
本当に久方振りの顕微鏡をのぞいて楽しかった。今後も微生物や植物系について学習を深めたいと関心を持ちました。
学生時代よりなつかしく顕微鏡を使って楽しく勉強させて頂きました。アシを使ってペン、パンフルートの制作いろいろ工夫すれば楽しく、今の子どもさん達にも教えてあげたいですね。(工夫すること)
古くから伝わる日本手ぬぐいの歴史と現在まで使われる理由について学び、手縫いのあずま袋(エコバッグ)を作製しました。活用・再利用・廃棄までを考えての江戸時代の循環型衣生活の話は、現代の物の“使い捨て”について再考させられました。
〔感想より〕
種から育て、順に紡ぐ、織る、仕立て、最後は燃やし灰は肥料にと、究極のリサイクルです。現代もそのうちのできる所を取り入れていくようにしたいものです。
使い捨ての今日、生活上も見直したいし、針縫いの気持ち(愛情)があふれる作業体験も非常に面白かったです。
「おる」というテーマで、3つの実験実習をしました。<1>エアーカプセルで生きたイカが運ばれ解剖し、美味しくいただきました。(青い血のいきものがおる)<2>液体窒素を使って、超低温の世界を体験しました。(こおる)<3>カブト虫の翅の形状や折り畳みを学び、地図のミウラ折をやってみました。(折る)
自然科学への興味を引く講座内容でした。
〔感想より〕
「必要は発明の母」・・・生活の知恵を産むきっかけ作りにしていきたいです。
新鮮で生きたイカの味は最高でした。青い血の解剖は勉強になりました。液体窒素”のすごさを実感させられ、科学実験、実習は面白く学べた。パッと開く“三浦おり”の実習やカブト虫の羽根の不思議と機能に感心しました。科学部の生徒の熱心な指導に感謝!
講座 | 日時 | テーマ | 講師 |
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第1講 | 10月 5日(土) 13:30〜15:00 |
環境保全的な農業と農村の資源管理 (グループ学習の説明) |
滋賀大学 准教授 藤栄剛 |
第2講 | 10月12日(土) 13:30〜15:00 |
琵琶湖のほとりから見た農業と環境 | 滋賀大学 名誉教授 木島温夫 |
第3講 | 10月19日(土) 13:30〜15:00 |
大震災を考える | 滋賀大学 准教授 田中宏子 |
第4講 | 10月26日(土) 13:30〜15:00 |
琵琶湖淀川川くだり | 滋賀大学 特任教授 三田村緒佐武 |
第5講 | 11月 2日(土) 13:30〜15:00 |
学ぶこと、生かすこと | 滋賀大学 教授 神部純一 |
第6講 | 11月16日(土) 13:30〜15:00 |
滋賀の食とその伝承に向けた取り組み | 滋賀大学 教授 久保加織 |
第7講 | 11月30日(土) 13:30〜15:00 |
びわ湖に生息する生物のつながり ―湖沼生態系とは― |
滋賀大学 准教授 石川俊之 |
第8講 | 12月 7日(土) 13:30〜15:00 |
里川づくりと水辺環境再生 | 滋賀大学 客員教授 柏尾珠紀 |
第9講 | 12月15日(日) 13:30〜15:00 |
環境教育・環境学習って何だろう | 滋賀大学 教授 市川智史 |
第10講 | 2月 1日(土) 13:30〜16:00 |
グループ学習発表会 | 滋賀大学 講師全員 |
改正教育基本法において、「生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと」が新たに規定されたことを教わりました。そして、「ゴミって何だろう?」というテーマで、意見を述べ合い、持続可能な社会を実現する手法や視点、また環境教育についての視点も学習しました。
毎回、講義の終了後は、各々選択したテーマで「グループ学習発表会」に向けての研究を続けてきました。現地視察や資料作りなど、大津校の受講生と一緒に進めることで、いろいろな視点から環境問題を考えることができました。情報交換も活発に行われ「環境人」としての意識が高まりました。
それぞれのテーマで学習してきたことを、20分という短い時間で、3つのグループからの発表がありました。発表の後に設けられた質疑応答の時間では、白熱した議論となり、今年度のカレッジを締めくくるにふさわしい素晴らしいグループ発表会となりました。
●テーマ:ゴミの減量・リサイクルをどう進めるか
受講生の方を対象に、「ゴミ問題に関するアンケート」を実施し、その意見内容を基に学習し、集計結果をまとめ発表されました。ゴミ軽減策の「3R」や大量の食品廃棄問題につながる食品流通業界の「3分の1ルール」等、現状や疑問点を詳しく調査し、考察も述べられました。また、ゴミの分別(区分)について、海外での活動体験により、話をされました。
●テーマ 滋賀の風土と伝統を守るためには
<1>草津市追分町の野神神社の祭禮について、歴史や古代から受け継がれてきた運営に関して、実際グループのメンバーでお祭りを見学し、話を聞きながら研究を進められました。時勢の変遷により運営が見直されているようですが・・・
<2>木地師の里 東近江市君ヶ里・蛭谷の地域の様子や碗や盆を制作する木挽きの伝統文化について、資料館を訪れ話を伺い、守り継いでいく厳しい現状の課題等を報告されました。
●テーマ 食育から環境を考える
農林水産省・厚生労働省のアンケート調査資料に基づいて“理想的な食育と滋賀県”というテーマで、データ分析内容を発表されました。食の現状では、「食事バランスガイド」から日本でのPFCバランスの変化やその背景について、また、滋賀県の野菜消費量、食糧自給率、食料生産についてもお話いただきました。「魅力ある商い方法を確立して地場産で生活できる滋賀県に・・・」と。