講座 | 日時 | テーマ | 講師 |
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第1講 | 6月13日(土) 9:30〜11:30 |
・開講式 ・ワークショップ〜仲間づくりのために〜 |
滋賀県教育委員会生涯学習課 主任 主事 (荒神山自然の家) 岡本賢治、関本匡利 |
第2講 | 6月20日(土) 9:30〜11:30 |
・伝統の織りに触れる(苧引き・手績み体験) 〜高宮布から近江上へ〜 |
近江上布伝統産業会館 田中由美子 |
第3講 | 6月27日(土) 9:30〜11:30 |
・「石田三成」をもっと知る | 佐和山城研究会代表 田附清子 |
第4講 | 7月4日(土) 9:30〜12:15 |
・健康と食でつながる地域づくり 〜子どもたちに伝えたい地域の味〜 (調理実習) |
彦根市健康推進課 関谷幸子 管理栄養士 山方真弓 |
第5講 | 7月11日(土) 9:30〜11:30 |
・とことん「彦根城」 | 彦根市教育委員会文化財課 学芸員 三尾次郎 |
開講式、オリエンテーションの後、滋賀県教育委員会生涯学習課主任理事で荒神山自然の家に駐在の岡本賢治さん、関本匡利さんに、仲間づくりのためのワークショップをしていただきました。まず、アイスブレイクとして、いくつかのゲームをしました。体を動かすことで気持ちもほぐれ、自然と笑顔が広がります。続いて、名前順に1つの輪になり、皆で協力するゲームをしました。少しの工夫で上手くいくようになること、「できない」と思わず挑戦してみることなどを体感することができました。
その後、グループに分かれ、<1>名前、<2>好きなこと・もの、<3>カレッジで頑張りたいことを順番に発表し、交流しました。「仲間づくり」の大切さと、共に学ぶ「仲間」のことを知ることができた良い機会となりました。
30人の受講生が新たな出会いと仲間づくりを目指し、集団ゲームや自己紹介を通じて、ちょっぴり緊張しながらも和やかにスタートを切ることができました。
開講初日から、グループ内外の多くのみなさんと話ができて感激しました。
第2講は愛荘町愛知川にある近江上布伝統産業会館を訪れ、伝統の織りに触れる〜高宮布から近江上布へ〜のテーマのもと、話を聞き体験をしました。
原料となる麻は、葛・藤・
その後、苧麻から繊維を取り出す「苧引き」と、その繊維を糸にする「手績み」の体験をしました。1本の糸、1枚の生地、1つの製品には多くの手間がいることを肌で感じることができました。
日頃より近くに居ながら知らなかった世界に触れることができました。伝統を守り継承する人たちが頑張っている姿に感激しました。私も雅楽や能で使われる日本古来の笛を制作しており、後世に伝えることが大事だと共鳴した次第です。
苧引き・手績みの体験をし、布になるまでの気の遠くなるような作業に、今まで何気なく見過ごしていた布地、衣類に感謝です。
関ヶ原の戦いで徳川家康と戦った西軍の将「石田三成」について、佐和山城研究会代表 田附清子さんを講師に迎え、佐和山麗にある佐和山会館にて学習をしました。
近江国坂田郡石田村(現・長浜市石田町)に生まれた三成は、羽柴秀吉に見出され家臣となり、豊臣政権の五奉行として、秀吉の側近として政務全般を任され、1590年(大正18年)に佐和山城付、1595年(文禄4年)に正式に佐和山城主となり(諸説あり)、城の惣構(そうがまえ)や掟書(おきてがき)の発布など、領民のために内政に力を注いだことを学びました。
その後、佐和山麗のフィールドワークでは、清涼寺・龍潭寺・仙琳寺・もちのき谷・内堀跡など緑の地を訪れました。また、希望者のみ午後から佐和山登山をしました。
地元に居りながら、通り一遍のことしか知りませんでしたが、今回の話は市民目線で開設されており、解かりやすく勉強になりました。
今回多くのことを知り、佐和山城跡を見学し、石田三成の人生観を知ることで、郷土の誇りの一人として一層尊敬できました。
「健康と食でつながる健康づくり」と題し、彦根市健康推進課課 関谷幸子さんから、料理集の「子どもたちに伝えたい滋賀の味」(滋賀県栄養士会編集)について説明をいただきました。
この料理集は、豊かな知識や経験を有する高齢者から、「食の知恵」として県内各地の郷土に伝わる料理を募集し、「健康への配慮」を加え、子どもたちに伝えたい滋賀の味としてまとめられました。琵琶湖の恵みや周辺の近江盆地で採れる季節の農産物などを組み合わせた滋賀県ならではの食文化があり、次世代に伝承する取組をされていることを学びました。
その後、山方管理栄養士の指導で、料理集の中から、「しょうがとじゃこの混ぜご飯」「赤こんにゃくとグリンピース・コーンの卵とじ」「だんご汁」を作りました。グループごとに和気あいあいと楽しみながら調理し、美味しくいただきました。食文化とともに笑顔の輪が広がる講座となりました。
退職後、日々の食事作りにトライしています。料理集は、充実していて、今後活用できそうです。早速、じゃこと生姜のご飯は、家でも作ってみました。このような伝統の食を後世に伝えていくことは、まさに急務と感じました。
問題発見講座の最終講は、テーマ「とことん彦根城」のもと、現地研修を行いました。市文化財課の三尾さんから、防御や治山の視点も交え、彦根城の特徴について詳しく説明いただきました。
現在の彦根城博物館の場所には、表御殿がありました。表御殿は、大坂冬の陣、夏の陣後の元和期の普請によって新たに建造されたもので、それまで天守前の御広間が居城となっていましたが、表御殿が完成した後、ここが彦根藩の政庁であり、藩主の居館となったことを学びました。
その後、御舟入跡・塵取り遺構・米蔵跡などの史跡を巡り、また、防御の視点から、刀や槍・弓矢で戦をした中世の城としての特徴と、鉄砲での戦に備えた近世の城としての特徴を備えている彦根城について詳しく解説いただきました。最後に玄宮園を訪れ、庭園の美しさと、そこから見える天守の雄大さに、皆見入っていました。
彦根に70年近く住み、幾度か郷土の歴史を勉強しておりました。今回改めて学習し、新たな発見ができました。彦根山が、古生代のチャートによりできていること、何億年を経て、石垣の間に見られる岩盤を見て、以前地質をかじったものとして感銘を受けました。また、石垣の採掘地は荒神山と話され、莫大な量の石を採掘した場所や選んだルート等を調べてみようと思いました。
講座 | 日時 | テーマ | 講師 |
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第1講 | 7月25日(土) 9:30〜11:30 |
・「英語」を楽しもう | 滋賀県立彦根東高等学校 教諭 辰己ゆかり ALT エアハート・サミュエル |
第2講 | 8月8日(土) 9:30〜12:00 |
・夏野菜をおいしくムダなく 一味違うレシピで(調理実習) |
滋賀県立彦根東高等学校 教諭 高砂奈緒美 野菜ソムリエ 土井詩子 |
第3講 | 8月22日(土) 9:30〜11:30 |
・「彦根の歴史」を探る | 滋賀県立彦根東高等学校 教諭 山本茂雄 |
第4講 | 8月29日(土) 9:30〜11:30 |
・「地球と太陽のふしぎ・ふしぎ」 | 滋賀県立彦根東高等学校 教諭 北川明照 |
今年の実験・実習講座は、来年創立140周年を迎える彦根東高等学校で行います。第1講は、「英語を楽しもう」をテーマとして、県立学校では約50年ぶりの木造校舎として、平成25年3月に竣工された特別教室棟で学びました。
サム先生の英語での説明を聞き、まず6つのグループごとに自己紹介をします。My name is ・・・、My hobby is ・・・と、英語で名前や趣味を互いに紹介し、その後相手のことを紹介しました。英語部の4人の高校生もグループに入り、わからない単語や表現を教えていただくなど、交流することができました。
次に、ショッピングでよく使う表現をゲーム形式で学びました。日本語と英語を結びつけたり、英単語を使ってビンゴをしたりしました。ゲームの結果によりポイントが入り、班ごとに競い合い、楽しく学習は進みました。外国に滞在した経験のある方、学生時代以来久しぶりに英語を話す方など様々でしたが、学生のみなさんとともに楽しく英語に触れることができました。
私は仕事でアメリカに出向していたことがあります。久しぶりにアメリカ人のネイティブの英語を生で聞きました。歴史ボランティアガイドを目指していますが、将来的には英語でも案内ができるように高めていきたいという思いを持ちました。
最初は緊張しました。彦根東高等学校の生徒さんに教わったり、質問したりと楽しむことができました。だんだん緊張もほぐれ、ビンゴゲームも真剣にやりました。久しぶりに真剣に取り組みました。
実験・実習講座第2講は、グリーーンピアひこねの調理室にて「夏野菜をおいしくムダなく一味違うレシピで」のテーマで行いました。
彦根東高等学校の高砂先生から、淡色野菜と緑黄色野菜について、一日に必要な摂取量などを学び、その後夏野菜を使ったメニューの調理実習を行いました。
夏の時期はたくさんの野菜が作られます。太陽をいっぱい浴びた新鮮な野菜をおいしく食べるために、野菜ソムリエの土井先生の指導で、普段とはちょっと違う食べ方にチャレンジしました。「トマトご飯」では、トマトをそのまま炊き込み、オリーブ油を入れました。きゅうりをスープに入れる「きゅうりとわかめの冷やしスープ」では、赤唐辛子や胡麻油を使った韓国風の味になりました。じゃがいもを使ったデザートとして「ジャガみたらし団子」を作りました。家庭それぞれ定番の野菜の食べ方に加え、今回のように一味違う工夫をすることで、どの年代でもおいしく野菜をいただけることを実感しました。
私たちの戦後の時代に食したものは、大家族で祖母より引き継いだ食材、食味で料理をするのが母の務めでした。しかし今日では、子どもの味覚と孫たちの味覚の違いにより食事の偏食が多くなっていると思われます。
旬の野菜のレシピの意外さに気付き、家でもレパートリーの1つに加えることができました。私たちの衣食住の生活の中で、健康により深く関わる調理を、男性もぜひ一緒に楽しく参加できたらと思います。女性も一緒に協力して助け合うことの大切さも理解しました。
第3講は、「彦根の歴史」を探るというテーマで、彦根東高等学校の山本先生から、藩校時代からの彦根東高等学校の歴史について、時代背景とともに学びました。
18世紀初頭には人材育成の必要性から全国的に藩校設立の気運が高まり、彦根藩にも1799年に13代藩主井伊直中が「稽古館」を創立し、その後滋賀県で最も古い旧制第一中学校を経て、現在の彦根東高校になったこと、また、「文武両道」の精神について、藩校の教育方針から受け継がれていることなどを学びました。
後半は、校内にある「史料館」と「御座所」を見学しました。「史料館」には、彦根藩校・彦根学校彦根伝習学校・彦根初等師範学校・彦根公立中学校・滋賀県尋常中学校・彦根中学校時代の蔵書があり、「御座所」では1917年の秋季陸軍特別大演習にて大正天皇が滞在した場所を見学しました。貴重な書物や施設を拝見し、来年創立140周年を迎える彦根東高等学校の歴史を通して、違った視点で「彦根の歴史」を知ることができました。
藩校の教育方針や藩校の教育内容と学風の講座を聞き、その時代時代に沿った教育の流れが明確に現在へと受け継がれている。井伊大老迄の歴史の書物を読んでもっと深く知識を求めたく感じました。
彦根の歴史として東高の歴史を詳しく学び、古書を手にとって実際に読めたのは貴重な体験でした。日本の教育の現状と、純粋に学びたい意欲ある当時の人たちとのギャップを思いながら、学ぶことの大切さを改めて感じ、今後も何かを学び続けたいと思いました。
実験・実習講座の最終講として、「地球と太陽のふしぎ・ふしぎ」のテーマで、彦根東高等学校の北川先生のご指導で、実験や観察をしました。
「地球のふしぎ」では、岩石の組織をルーペや偏光顕微鏡で観察しました。また、いろいろな性質をもつ鉱物として、磁石にくっつくもの、文字が拡大されるもの、文字が2重に見えるもの、やわらかい鉱物、硬い鉱物、光る鉱物などを観察しました。「太陽のふしぎ」では、黒点観察望遠鏡を使った太陽の黒点の観察や校舎屋上にある15cm屈折望遠鏡や双眼鏡での観察をしました。残念ながら雲の多い天気で、太陽の黒点をの観察はできませんでしたが、大変貴重な体験をすることができました。
その後、太陽の7色の光を分ける分光器を制作し、太陽光や蛍光灯の光を観察しました。「地学」という視点から、自然のふしぎを感じることができる時間となりました。
おもしろかったのは、岩石の組織が、マグマが急冷したのと、ゆっくり固まったものと違ってくるところです。岩石ではないですが、家で梅干をつけた汁を乾燥させていると塩が四角い結晶になっています。それと似ているような気がしました。火打石で火花が出たり、滑石で絵を描いたり、楽しかったです。
地学、特に天体が苦手だった思い出がありますが、今回、地球や惑星に新たに興味が持てました。組み立てた分光器で家の照明器具の昼光色と電球色を見比べてみて、青系の色が電球色では著しく暗くなり、その違いが全体の色の印象を変える原因と納得しました。
講座 | 日時 | テーマ | 講師 |
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第1講 | 9月5日(土) 9:30〜11:30 |
・直弼の「茶と心」 | 石州流茶道 彦根一会流 川嶌順次郎 |
第2講 | 9月12日(土) 9:30〜11:30 |
・食べて健康!〜あなたにあった食事とは?〜 | 滋賀県立大学人間文化学部 准教授 廣瀬潤子 |
第3講 | 9月26日(土) 9:30〜11:30 |
・絵巻の中の女性像 | 滋賀県立大学人間文化学部 准教授 亀井若菜 |
第4講 | 10月3日(土) 9:30〜11:30 |
・滋賀県と「湖魚」 〜 地域産業の姿から健康・歴史・文化を考える〜 |
滋賀県立大学人間文化学部 准教授 塚本礼仁 |
第5講 | 10月10日(土) 9:30〜11:30 |
・食の安全 〜「危険をなくす」から「効能を求める」への変化の中で〜 |
滋賀県立大学環境科学部 助教 肥田嘉文 |
第6講 | 10月31日(土) 9:30〜11:30 |
・学習発表会・まとめ(講評) ・閉講式 |
滋賀県立大学 理事・副学長 濱ア一志 |
前半は、石洲流茶道彦根一会流のお手前を拝見し、一人ひとり点てていただいたお茶とお菓子をいただきました。彦根城博物館木造棟の和室でいただくお茶は、 日常とはまた違った趣のある風情豊かな一時となりました。
後半は、 石洲流茶道彦根一会流の川嶌先生から、直弼の「茶と心」をテーマに、直弼の生涯を直弼の心情にふれながらお話いただきました。19歳の時、養子の話で江戸に向かったものの、落胆し彦根に帰った直弼が、埋木舎で武術・芸術・政治を徹底的に学んだこと、また、その中でも茶の湯にもっとも力を注ぎ、茶の道を極めようと思い立ち、完成を追い求めた茶の湯の心について学びました。
永年の茶の湯修行を経てたどりついた茶の湯の心である「一期一会」と「独座観念」の原文を読み、人を敬い思いやりの心を持つこと、己と向き合い自分を突きつめることなど、直弼が求めた茶の湯の心の一端に触れ、私たちが人としてのよりよい生き方を考える機会ともなりました。
普段は入れない博物館の一室で、井伊直弼について深く学べたことは、彦根市民として大切なことだと思う。
「彦根一会流」のお話を聞き、お茶をいただいて、少しでも直弼の茶の湯の心に触れることができました。
直弼の茶の湯の心が印象に残っています。「一期一会」と「独座観念」を日常生活にも取り入れていけるように心がけたいです。
理論学習講座の第2講からは、滋賀県立大学を学習場所として、大学の先生による専門的な講義となります。
今回は、『食べて健康!〜あなたにあった食事とは?〜』をテーマに、滋賀県立大学人間文化学部の廣瀬先生よりお話をしていただきました。まず「健康」の損失を数値で表した『DALYs』という指標から、健康の損失の要因として食事に起因することが多いことを学びました。つまり『健康』を考えるとき、日々の食事やその習慣がいかに重要かということです。また、近年の健康志向ブームで、ある食材や商品が健康に良いと注目を集め、売り切れになってしまうことがよく聞かれますが、どの栄養素についても、不足のリスクと過剰摂取のリスクがあり、食事を見直すには不健康な食事を減らすことが大切であると学びました。
後半は、体組成計で健康管理の関係因子となる内臓脂肪や基礎代謝を計測しました。また、実物大のフードモデルを用いて、それぞれの普段の食事の栄養価について計算し、先生から改善すべき点についてアドバイスをいただきました。自分にあった量や食べ方が身近にわかりやすく、直感的に理解することができました。
久方ぶりに体組成チェックを受け、改めて考えさせられました。同じ運動をしていても年齢とともに筋肉が落ちたり、気をつけているようでバランスの良い食事が出来ていなかったり、毎日のことを振り返るきっかけになりました。
身近な問題を科学的に説明していただき、大変参考になりました。
理論学習講座第3講「絵巻の中の女性像」では、和歌山県粉河寺蔵の絵巻「粉河寺縁起絵巻」に描かれている2点の女性像について、滋賀県立大学人間文化学部の亀井先生の指導のもと、考えていきました。
「粉河寺縁起絵巻」は、ある長者(金持ち)の娘の病が、粉河観音によって治る話で、長者の家で病に伏せる娘が、他の絵巻に出てくる病気の女性と比べて特異に描かれていることや、粉河観音の前で出家する娘が剃髪する場面で絵巻が終わることなどは、粉河寺と高野山の領域争いの際に、粉河寺が作った絵巻であると考えるならば、これらの表現が意味を持つものとなり、他者と自己を表す際に「女性像」が大きな役割を担うことを学びました。
巻物といえば、掛け軸の美しさが心豊かにしてくれていましたが、亀井先生の巻物は驚きでした。これから何を学んで行こうかなあと思い悩んでいましたが、これに決めました。
全く知らなかった絵巻の話から、現代の女性像に重なる流れが分かりやすく、興味深い内容でした。
鮒ずしの話から始まった滋賀県立大学人間文化学部塚本先生の講話では、湖魚の漁獲高の変化や湖魚の流通等、地域産業としての基礎の部分を学びました。各地域にある「湖魚業者(湖魚の加工業者)」が漁獲と消費をつなぐ、とても大事な存在であることを知りました。
また、県のアンケートでは、「湖魚料理は日常食」という回答が多いのに、地産地消キャンペーンを積極的にしていかなければならない不思議な現実があることも知りました。
湖魚の「フードシステム」の現状を学び、琵琶湖という閉ざされた水域の漁業資源をもとに、地域を限定した需要との微妙なバランスと、それをつなぐ地場産業によってこれらが成り立っていることが分かり、「湖魚食文化」を考える機会となりました。
琵琶湖の魚について、我々の身近な魚について減少してきたことを理解できた。もろこやはすを最近食べる機会がなくなったと思います。
地道な調査に基づいた説明がなされたことに好感がもてました。
滋賀県に永年住んでいながら湖魚のことについて知らないことばかりでした。
第5講「食の安全〜「危険をなくす」から「効能を求める」への変化の中で〜」では、健康に関する食の問題について、滋賀県立大学環境科学部の肥田先生にお話をしていただきました。
これまで、食の安全とは、有害なものを排除していかに安全を確保するかという視点だったものが、科学の進歩や健康志向にともない、特定保健用食品(トクホ)のように特定の商品や食材・成分を摂取するようになり、特定の食品を積極的に摂ることにより、健康機能が期待できる成分を摂取することはできるが、過剰摂取の影響やその他の成分の影響などを考慮する必要があり、効能とともにリスクがあることなど、消費者の能動的な危険が問題になっていることを学びました。食品の作用には良いこととリスクがあり、多様な食品からバランスのとれた食生活をすることが大切であると再認識することができました。
常識として良いと思っていたことも悪い面もあり、上手に使い分ける必要を感じました。
「特定保健用食品」や「機能性表示食品」のように、食品を健康効果によって選ぶことが増えました。消費者自身が知識をつけないと、摂り過ぎてかえって健康被害が出るようなリスクがあるかもしれないので、健康食品だけに頼らず、多様な食品からバランスの取れた食生活を心がけたい。
約5カ月間、合計15回にわたり熱心に学ばれた受講生一人ひとりから、カレッジでの学習について学びやその成果の活用、感想を発表していただきました。
その後、実行委員長の滋賀県立大学濱ア理事・副学長より講評をいただきました。濱ア先生が学内で取り組まれている、学生が主体となって地域貢献をする地域活動プログラムや公開講義について、<1>ゆるやかな集団、<2>世代間文化の差、自然な形で継承する場、<3>地域を歩くことをキーワードにお話いただきました。
修了証書授与式では、彦根校校長の彦根市教育委員会善住教育長より、受講生を代表して皆出席の9名に修了証書が渡されました。また、その後の茶話会では、和やかな雰囲気の中、講座の感想やそれぞれがされている地域活動について交流しました。