平成17年度実施企業・団体 講演開催報告:
実施企業・団体名 |
講演 |
開催日時 |
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草津電機株式会社 | 思春期の子どもたち | 平成17年7月27日(水) |
株式会社たねや本社 | みんなで子育て 心育て | 平成17年8月5日(金) |
共同で 大人も育つ子育てを | 平成17年9月12日(月) | |
三洋電機株式会社 | 子どもの育ちと子育て | 平成17年9月12日(月) |
東陶機器株式会社 | みんなで子育て 心育て | 平成17年11月8日(火) |
株式会社平和堂本部 | みんなで子育て 心育て | 平成18年2月10日(金) |
株式会社寺嶋製作所 | みんなで子育てリフレッシュ | 平成18年3月15日(水) |
廣瀬バルブ工業株式会社 | みんなで子育てリフレッシュ | 平成18年3月21日(火) |
草津電機株式会社
- 演題:「思春期の子どもたち」
- 講師:立命館大学教授 野田正人 氏
- 開催日時:平成17年7月27日(水) 17時15分 ~18時30分
- 参加者: 男性 38人, 女性 3人, 計 41人
- 講演内容:
○児童虐待や非行問題は子育ての中での大問題である。子どもが悪い事をした時、親が怒っていることを伝えるのではなく、子ども自身が自分の間違いに気づけることが大切である。子育ては怒ったり、たたいたりすれば良くなるというような単純なものではない。大事件の容疑者も虐待を受けて育っている例が多い。間違った子育てを繰り返さないことが大切だ。
○チョウは成長に伴い姿が大きく変わるが、人間は外見上はあまり劇的には変わらない。しかし心の面では3才から5才にかけて、また思春期に急激な変化を迎える。この見えない心の発達をふまえて子どもに接したり、子どもの気持ちを聞きながら「対話」したりする構えが必要である。
○子どもがどんな事をしても、親としての抱きとめができることが大切であり、それは親にしかできないことである。
株式会社たねや本社
- 演題:「みんなで子育て 心育て」
- 講師:児童文学作家 今関信子 氏
- 開催日時:平成17年8月5日(金)15時45分 ~17時00分
- 参加者: 男性 28人, 女性 11人, 計 39人
- 講演内容:
○ナホトカ号重油流出事故で移送を余儀なくされた親子のイルカの姿から、親が子どもの成長に応じた関わり方をすることの大切さを感じた。
・幼い命は親が体を張って守らねばならない。
・子どもが育つには安全地帯(親のふところ)が必要だ。
・子どもが安全地帯を離れていこうとする時は、親がいつまでもついていってはいけない。子どもを信じ、時には自分以外の人にゆだねる事も必要である。○幼い頃母親が友達の親に“人間もちつもたれつだから頭を下げたりしないでほしい”と言いながらニコニコしてるのを見た。二人のまわりにはいい空気が流れているのを感じた。子どもは大人を「見習い」「手習い」「耳習い」している。私たちは子どもにその空気ごと習われている。大人の間にいい空気をつくることが大切である。
○子どもの発見や感動に親が心を重ねたりほめたりすることで、子どもと心を通わせることができる。
○人は人間的に関わってこそ、相手の生きる力を引き出すことができる。
株式会社たねや愛知川工場
- 演題:「共同で 大人も育つ子育てを」
- 講師:和歌山大学教授 山本健慈 氏
- 開催日時:平成17年9月12日(月) 16時45分 ~18時00分
- 参加者:男性 7人, 女性 26人, 計 33人
- 講演内容:
○「ヒト」が「人間」となるためには出会いや交わりの経験が必要であり、そのためには「群れのある風景」が必要である。しかし今の家族・地域には「群れ」がないため保育所・幼稚園・学校という「群れ」が重要である。またそこでは、子どものトラブルに同伴できる「大人」がいることが大切である。そういった「大人」である親を育てるためには次のようなことを大切にし、子どもを理解したり、親としての力を高めたりできるプログラムが必要である。
<1>わが子の個性、特質を日々のその子どもの様々な出来ごと、エピソードから理解する。
<2>子育て仲間や保育士など専門職の援助を得ながら、わが子の扱い方、付き合い方を習得する。
<3>自己および家族の弱点と利点を認識し、弱点を支えてくれる人間関係を築く。また、他の家族に貢献できる自分の利点も見出す。
<4>わが子の小さなエピソード、トラブルに付き合いながら、青年期までの、子どもの成長に伴って生ずるトラブルに同伴する決意と覚悟を形成する。○事例
・「裸で育て君らしく…大阪・アトム共同保育所」(VTR:NHKスペシャルより)
・「語り合いを通した親育ち」のプログラム
○後半はグループで親同士の語り合いを実施。
三洋電機株式会社
- 演題:「子どもの育ちと子育て」
- 講師: 立命館大学教授 野田正人 氏
- 開催日時:平成17年9月12日(月)17時00分 ~18時30分
- 参加者:男性 36人, 女性 20人, 計 56人
- 講演内容:
○日本の子どもの非行は世界の中では比較的少ない。殺人事件を起こす数なども減っているが非行の質が変化しており、昔はしつけができてないことから非行が起こっていたが、今はむしろ一生懸命よい親であろうとするような親に非常に厳しくしつけられて育った子が事件を起こすケースが目立つ。そのような子は自分なんか生きていなくてもいいと思っていたり、親を極端に嫌っていたりすることが多い。また成績と非行も無関係になってきた。
○子育てが放任と、過保護・過干渉に2極分化しており、多くの家で過保護過干渉が進んでいる。自分の子育てを第三者の目で見てもらうようにし、バランスを保つとよい。
○子どもの特性には元々違いがある。怒らない方が良くなる子であるのに、子どもの特性を理解しないで厳しくしたらよりひどくなる。個に応じた方法を考えるべきである。
○子どもの心の発達をふまえて接したり、子どもの気持ちを聞きながら対話したりする構えが必要である
○大人でも失敗を怒鳴られたら敵意が生まれるだけである。子どもに対して怒る必要はない。子どもに愛情をかけることが大切。また子育てを歪める2大原因は、身体的暴力と声を荒げることである。きちんとした言葉による質の良いコミュニケーションで教えてあげてほしい。
○子育ては親だけではできない。子どもの全てを親がコントロールする必要も、責任だと思う必要もない。そのように思えてきたら他の人に積極的に助けてもらうことだ。
東陶機器株式会社滋賀工場
- 演題:「みんなで子育て 心育て」
- 講師:児童文学作家 今関信子 氏
- 開催日時:平成17年11月8日(火)17時25分 ~18時30分
- 参加者: 男性 10人, 女性 6人, 計 16人
- 講演内容:
○重油流出事故で移送を余儀なくされたイルカの親子の姿に子育ての原型を見た。
・生まれた直後は、幼い命は親が体を張って命がけで守らねばならない。
・子どもが幼いときは、怖いとき、つらいときにかけこめる安全地帯(親のふところ)が必要。
・親から離れるときは、子どもは安全地帯から徐々に離れていく。その時、安全地帯(親)がついていってはいけない。親以外の人に委ねることも必要な時が来る。○友達の母親が私の母親に深々と頭を下げ礼を言うと母は「やめてほしい。どの子にとっても親は一番大切なもの。親に上下を付けてはいけない。お互いを大切にしましょう。“人間もちつもたれつ”」と言いながらニコニコしていた。二人のまわりにはいい空気が流れていた。子どもは大人を「見習い」「手習い」「耳習い」している。私たちは子どもにその空気ごと習われている。大人の間にいい空気をつくることが大切である。
○子どもの発見や感動に親が心を重ねたりほめたりすることで、子どもと心を通わせることができる。
○人は人間的に関わったとき、その人の生きる力を引き出し頑張るものだ。
株式会社平和堂本部
- 演題:「みんなで子育て 心育て」
- 講師:児童文学作家 今関信子 氏
- 開催日時:平成18年2月10日(月)14時00分 ~15時30分
- 参加者: 男性 32人, 女性 12人, 計 44人
- 講演内容:
○重油流出事故で移送を余儀なくされたイルカの親子の姿に子育ての原型を見た。
・幼い命をもらったとき親は体を張って命を守る。
・子どもが幼いときは、親のふところが必要である。
・子どもは家庭の中だけでなく、たくさんの人に囲まれその空気によって育つ。○生け花、書など日本の文化は隙間の文化であり空間も重要である。また人間の育ちはトータルなものであり良いところもそうでないところも全部自分の人生だ。その中で人は大きくゆったり育っていく。
○ある教育大学教授の子が大学に入学したのに行かなくなった。その子を立ち直らせたのはアルバムの中にあった多くの人に囲まれて成長してきた自分の姿だった。しかし、事情から親と一緒に暮らせない子を育てるある学園の子たちは、自分の育ちをふりかえる手がかり少なく、自分の根っこがあやふやである。ある中2の女の子も、心の不安定さから素行が悪くなり、学園を飛び出した。動く事に興味があるその子は、指導者と一緒に人生を考えるきっかけとして石川県小松から滋賀まで300Kmのウォークラリーをする。ゴールが近づいたある日、ずっとその子の荷物を背負って歩いた指導者は「人は生きていく中でいろんな荷物を背負うことになるが持てる荷物ぐらいは俺が持ってやる。」と語りかける。それをきっかけにその子は立ち直っていく。人は一人でも自分を信じてくれる人がいれば、くじけてもまた、立ち上がれる。
株式会社寺嶋製作所
- 演題:「みんなで子育てリフレッシュ」
- 講師:滋賀県教育委員会事務局生涯学習課 社会教育主事 山本広孝
- 開催日時:平成18年3月15日(水)17時10分 ~18時10分
- 参加者: 男性 18人, 女性 3人, 計 21人
- 講演内容:
○「親同士の語り合いを通した親育ち」の活動
4グループに分かれ、滋賀県教育委員会発行「家庭教育学習資料」小学校用を活用し、「子どもに自信をつけさせるほめ方」について各自がどのように考え家庭で実践しているのかを交流しあった。○よりよい子育てのためのヒント
・日本の子どもの自己肯定心情の低さを示すデータがいくつもある。1日に3回抱きしめる、あるいはきちんとした叱りかたを身に付けたりして「親は、自分を愛してくれている」と子どもが感じられるような接し方が必要である。
・子どもは親の普段の言葉や態度を常に吸収し文化を受け取っている。親が作る空気が子どもを育てるともいえる。家庭でも、地域でも大人がいい空気づくりを進める必要がある。
廣瀬バルブ工業株式会社
- 演題:「みんなで子育てリフレッシュ」
- 講師:滋賀県教育委員会事務局生涯学習課 社会教育主事 山本広孝
- 開催日時:平成18年3月21日(火・祝)10時30分 ~12時00分
- 参加者: 男性 16人, 女性 4人, 計 20人
- 講演内容:
○「親同士の語り合いを通した親育ち」の活動
4グループに分かれ、滋賀県教育委員会発行「家庭教育学習資料」小学校用を活用し、「子どもに自信をつけさせるほめ方」について各自がどのように考え家庭で実践しているのかを交流しあった。
○よりよい子育てのためのヒント
・日本の子どもの自己肯定心情の低さを示すデータがいくつもある。1日に3回抱きしめる、あるいはきちんとした叱りかたを身に付けたりして「親は、自分を愛してくれている」と子どもが感じられるような接し方が必要である。
・子どもは親の普段の言葉や態度を常に吸収し文化を受け取っている。親が作る空気が子どもを育てるともいえる。家庭でも、地域でも大人がいい空気づくりを進める必要がある。