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平成26年度 淡海生涯カレッジ 長浜校

更新日:2015年2月13日
平成26年度「淡海生涯カレッジ長浜校」の講座実施レポートをお届けします。

テーマ:身近な問題から見つめ直そう 〜バイオテクノロジーから自然環境まで〜

期間:平成26年6月14日(土)〜12月13日(土) 土曜コース

(1)問題発見講座

講座 日時 テーマ 講師
第1講 6月14日(土)
13:00〜17:00
・開講式
・講演「バイオテクノロジーと我々の生活」
長浜バイオ大学
教授 蔡 晃植
第2講 6月21日(土)
7:20〜15:30
【フィールドワーク】
日本でただ一つ、世界でも数少ない、人の住む湖沼の島『沖島」散策
近江八幡市人生伝承塾
講師 西居 正吉
第3講 6月28日(土)
13:30〜15:30
【現地研修】
黒田官兵衛ゆかりの地・木之本再発見
黒田官兵衛ボランティアガイド
第4講 7月12日(土)
13:30〜15:30
【企業見学】
琵琶湖の水質と水道水の安全性
長浜水道企業団
第5講 7月19日(土)
13:30〜15:30
長浜の四季〜ながはま気象学〜 気象予報士
石居 大

開講式

オリエンテーションのようす開講式のようす

 今年で18年目になる長浜校の開講式を長浜バイオ大学で行いました。
 今年度も定員を大きく上回る44名の方々にお申し込みをいただき、新規申込の方を優先したうえで、断腸の思いでリピーターの方から抽選をさせていただき、35名を受入れさせていただきました。
 開講式当日は、滋賀県教育委員会高砂利夫教育次長と長浜市企画部生涯学習・文化スポーツ課岩坪健一課長にご挨拶をいた
だきました。
 また、長浜校の実行委員で講師でもある長浜バイオ大学蔡晃植教授にもご臨席いただき開講式に花を添えていただきました。
 開講式の後のオリエンテーションでは、じゃんけんゲームやパズル等のアイスブレイクを行い、楽しい雰囲気でスタートを切る事が出来ました。(『講義の振り返り』より。担当:事務局)

第1講  テーマ:バイオテクノロジーと我々の生活 (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 人類の生活とバイオテクノロジーとの関係について、古くは紀元前8000年にまで遡り、我々の生活の中にいかに深い関わりがあったか、身近な事象や身の回りにあるものから講義をいただきました。
 人類の科学史におけるバイオテクノロジーのひもときは、人類の生活史、医学史等あらゆる分野に足跡を残すと同時にバイオテクノロジー抜きには人類史は語ることができないことを今更ながら感じました。
 一例を挙げれば、発酵により製造されるビールやワインをはじめとする食品の歴史、ペニシリンの発見による飛躍的な医学の進歩等、枚挙にいとまがありません。講義時間の制約のためバイオテクノロジーの歴史の後半部を拝聴することができませんでしたが、続編を是非聴きたいと願います。(『講義の振り返り』より。担当:事務局)

第2講  テーマ:日本でただ一つ、世界でも数少ない、人の住む湖沼の島『沖島散策』 (会場:沖島)

講義のようす

 滋賀に住んでいて、一度は訪れたいと思っていた「沖島」。
とても楽しみにしていました。淡水湖の中に人が住んでいる島で国内唯一、世界でも珍しいとされています。昔より湖上を行き交う船人達から、神の住む島と崇拝されています。
 沖島の歴史や暮らしのお話を聞き、島内を散策しました。
 狭いホンミチ、家々の表札や祖先の姓を確認しながら歩き、電力、電話、光通信の水底ケーブル、上下水道設備などのインフラ、琵琶湖を汚さない為のゴミ船、火災・急病人搬送用の消防艇、医者の来島等充実していました。
 いけちょう貝、石材、古銭など島内に潤いを与えた興味深い話でした。港で琵琶湖を眺め、のんびりと心安らかな一日でした。(『講義の振り返り』より。担当:A班)

第3講  テーマ:黒田官兵衛ゆかりの地・木之本再発見 (会場:黒田官兵衛博覧会会場 他)

講義のようす

 とても熱く、話題豊富で歴史の秘話等をお聞きし、もっと詳しく知りたいと思いました。
 例えば、松寿丸の身代わりがいたという事実等、ボランティアガイドさんの普段聴けない、質の高いご説明を大変ありがたく勉強させていただきました。
 また機会がありましたら、お話を聴きたいと思います(実は、田川は千田で地元になるのですが・・・)。
 次回はボランティアガイドさんに石田三成のお話も聴かせて頂きたく思います。(『講義の振り返り』より。担当:B班)

第4講  テーマ:琵琶湖の水質と水道水の安全性 (会場:長浜水道企業団)

講義のようす

 空気と水はタダで、あって当たり前のように思っていますが、特に上水道は、日夜管理され、安全で安心な水を配給されているということを勉強できました。また、最近は琵琶湖の汚れも進み、浄化へのご苦労には感謝したいです。(『講義の振り返り』より。担当:C班)

第5講  テーマ:長浜の四季〜ながはま気象学〜 (会場:長浜城歴史博物館研修室)

講義のようす

 普段の天気予報等に用いられている用語の説明や、降水確率の数字の示す意味等を分かりやすく解説していただきました。
 特に滋賀県に雪をもたらす要因が、上空の寒気と雪雲を流す風の方向であることは興味深かったです。
 話題が日常的なこと、また分かりやすい内容であったことから、非常に多くの質問がありました。受講生の興味関心の高さが感じられる講座でした。(『講義の振り返り』より。担当:D班)


(2)実験・実習講座

講座 日時 テーマ 講師
第1講 8月9日(土)
13:30〜15:30
宇宙と星座の話 伊香高等学校
教諭 平塚隆三
第2講 8月23日(土)
13:30〜15:30
化学入門 長浜北高等学校
教諭 田辺勇造  実習助手 藤井央子
第3講 8月30日(土)
13:30〜15:30
顕微鏡の世界 虎姫高等学校
教諭 浅井浩
第4講 9月6日(土)
13:30〜15:30
身近な溶液のPHを調べる 長浜高等学校
教諭 梅本美保 土田久弥  実習助手 筧政昭
第5講 9月20日(土)
13:30〜15:30
食品添加物の検出 長浜農業高等学校
教諭 大橋拓朗  実習教諭 森沢進
第6講 9月27日(土)
13:30〜15:30
くだもの電池を作ろう 長浜北星高等学校
教諭 加納正俊 竹末成志

第1講 テーマ:宇宙と星座の話 (会場:六荘公民館)

講義のようす

 この講座を受けて、改めて宇宙のスケールの大きさや星座にもそれぞれの意味がある事などを学び、知識が深まったお陰で、夜空を見上げる楽しさが増えました。
 星座早見盤をいただき、星座がどの位置にあるのか?一目で分かるようになっていて、これから夜空の星の観察にとても役立つアイテムとなりました。
 そして、身近な紙コップやレインボーシートを使って簡単に作れる「光の万華鏡」は童心に帰ったように受講生みんなが真剣に工作されていて、それぞれ素敵なデザインに仕上げられていました。
 何よりこの広い宇宙に私たち人間が存在していることの素晴らしさを改めて知ることのできた講座でした。
(『講義の振り返り』より。担当:A班)

第2講 テーマ:化学入門 (会場:長浜北高等学校)

講義のようす

 花火の光を再現する実験では、アルコールランプを使用しました。物質を燃やすと何色の光が出るか、それを物質には何が含まれているかを導き出すタイムリーな実験でした。
 発熱反応を確認する実験では、子どもの頃、雪に塩を混ぜて温度を下げ、手が痛いほど冷たくなったことを思い出しました。今では飲料を素早く冷やすことに応用されています。
 また、物質を活用した火を起こす実験では、化学反応を利用することで火を起こせる事を知りました。
 学生時代に戻ったようなわくわくする講義となりました。
(『講義の振り返り』より。担当:B班)

第3講 テーマ:顕微鏡の世界 (会場:虎姫等学校)

講義のようす

 受講生が「顕微鏡を見たのは、もう何十年前かな」と話していました。顕微鏡の種類(実態顕微鏡と生物顕微鏡)を丁寧に教えていただきました。
 コケとシダの胞子のうを顕微鏡で観察し、全員が不思議なミクロの世界に入ることができました。
 淡海生涯カレッジ長浜校での事業があっての体験であり、また本日の出席者全員の記憶に末永く残る講座であったと思います。
(『講義の振り返り』より。担当:C班)

第4講 テーマ:身近な溶液のPHを調べる (会場:長浜高等学校)

講義のようす

 19種類の身近な水溶液のPH(強酸性〜強アルカリ性の5段階)を調べました。指示薬に紫キャベツをすり潰したしぼり汁を使い、判定基準の5段階の試験管を用意したので、各溶液のPHの色変化を視覚的に観察し班別することができてとても楽しく実験ができました。
(『講義の振り返り』より。担当:D班)

第5講 テーマ:食品添加物の検出 (会場:長浜農業高等学校)

講義のようす

 私たちの身の回りのものは、ほとんど食品添加物なしでは存在しないといっても過言ではないように思いました。食品に関する安全安心が脅かされ情報過多のなか、風評に惑わされることなく、正しい情報を引き出すのは一般の消費者には難しい事かも知れないと感じました。
 危険食材を心配するよりも、大丈夫、大丈夫と脳天気な考え方こそが最高の健康食品かもしれません。そんなことを考えさせられる実験でした。100回の講義よりも1回の実験に勝ものはなし。
(『講義の振り返り』より。担当:A班)

第6講 テーマ:くだもの電池を作ろう (会場:長浜北星高等学校)

講義のようす

 最後の実験・実習講座になりましたが、非常に関心の高い内容であり、とても楽しく実験を行うことが出来ました。
 バナナやオレンジ、レモンについては一定に音楽に近い音が鳴りました。また、レモンジュースやお酢、水道水については良く鳴るものやリズムがあるもの、一定に鳴る物があり、果物とジュース等の音の違いを感じることが出来ました。
 こうした身近な材料で実験ができることも非常に良い経験になりました。
(『講義の振り返り』より。担当:B班)


(3)理論学習講座

講座 日時 テーマ 講師
第1講 10月11日(土)
13:30〜15:30
植物の種子〜何故食糧に使われるのか〜 長浜バイオ大学
教授 林誠
第2講 10月18日(土)
13:30〜15:30
健康を脅かすウイルスや病原菌、アレルギー物質を検出する 長浜バイオ大学
准教授 長谷川慎
第3講 11月1日(土)
13:30〜15:30
腸内細菌と健康 長浜バイオ大学
教授 新蔵礼子
第4講 11月15日(土)
13:30〜15:30
自分のゲノムを調べると何がわかるか? 長浜バイオ大学
准教授 小倉淳
第5講 11月29日(土)
13:30〜15:30
ウイルスの話 長浜バイオ大学
教授 伊藤正恵
第6講 12月6日(土)
13:30〜15:30
環境と色素細胞〜陽の当たらない細胞に光をあてて〜 長浜バイオ大学
教授 山本博章
第7講 12月13日(土)
13:30〜17:00
・植物を用いた環境問題解決への挑戦
・閉講式
長浜バイオ大学
教授 蔡晃植

第1講 テーマ:植物の種子〜何故食糧に使われるのか〜 (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 植物に含まれる脂肪酸は、その含有量が食物によって違い、人が流用しているうえにおいては、様々な植物をまんべんなく採る必要があると思われます。脂質だけでなく、他の栄養素のことを考えても好き嫌いなく食べることが重要ではないかと思いました。また、植物の遺伝子組換えについては、日本では認められていない現状でありますが、外国からの輸入圧力が懸念されているところであり、食糧不足対応の面からも今後どのように対応していくのか求められてくるように思いました。
(『講義の振り返り』より。担当:C班)

第2講 テーマ:健康を脅かすウイルスや病原菌、アレルギー物質を検出する (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

<1>ウイルス・細菌を検出する。
 インフルエンザウイルスの検出機器について
 蛍光一粒子検出法(抗体を蛍光でウイルスにつけて検出する方法の開発)
<2>フィールドワークのためにアフリカに行く
 博士論文の大腸菌毒素の研究の関係でケニアの熱帯医学研究所へ。空中の微粒子をメッシュデバイスで収集。サバンナの乾燥した土壌から舞い上がったものが多い。
<3>抗ガン剤を開発する
 抗ガン剤が細胞内のどのようなタンパク質に結合するのか。
以上の話を分かりやすく、丁寧に講演いただきました。
(『講義の振り返り』より。担当:D班)

第3講 テーマ:腸内細菌と健康 (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 腸内の壁には細菌がビッシリと生息していて、その活動が人間の栄養吸収に関わっているとは驚きでした。腸内環境を整えることが健康維持に大切であると感じました。無菌は良くない!新蔵先生の研究が成功して腸内細菌を手なずけることができればノーベル賞ものだと感じました。
(『講義の振り返り』より。担当:A班)

第4講 テーマ:自分のゲノムを調べると何がわかるか? (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 最近のゲノム解析の進捗状況に驚きました。同時に今後のゲノム診断と創薬の可能性に大いなる希望を感じました。ますますの科学の発展を期待しています。また、世間で取り沙汰されている個人情報管理の問題も同時に進めて行かなくてはならないと感じました。
(『講義の振り返り』より。担当:B班)

第5講 テーマ:ウイルスの話 (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 微生物は肉眼では見えない小さな生物のことで、原虫、真菌、細菌、ウイルス、プリオン等があります。驚いたのは、ウイルスのサイズは小さいと思っていたが、インフルエンザウイルスが1cmとすると人の細胞は100cm、1,7mの人にすると170kmにもなるとのこと。ウイルスの感染経路には、接触による生殖器や眼を通したもの、胎内あるいは産道を介するもの、呼吸器や消化器を通してのもの、輸血によるもの等があり、その進入経路の多さを感じました。(『講義の振り返り』より。担当:C班)

第6講 テーマ:環境と色素細胞〜陽の当たらない細胞に光をあてて〜 (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 色素細胞といえば、私たちは目と皮膚しか思いつきませんが、ハツカネズミの研究によると、眼は脳からでき、胎児の背中側から分散して、他の臓器ができるということに驚きました。色素細胞が色々な臓器に関与しているということは、私たちの知識では理解するのは難しいことですが、生命体の不思議を十分に感じることができました。
(『講義の振り返り』より。担当:D班)

第7講 テーマ:植物を用いた環境問題解決への挑戦 (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 「植物を用いた環境問題解決への挑戦」と題しての理論学習の中で、このまま地球温暖化が続けば、日本人の主食であり、農業の根幹をなす水稲栽培が壊滅的な打撃を被り、生産量が大幅に減少するという危機が目前に迫っているという内容が講義の中にありました。コメのみならず、ハクサイ、レタス、ミカン、リンゴ栽培等にも同様の影響を及ぼすということです。
 「植物工場」、いよいよこんな時代が到来したのか。完全閉鎖型の工場で天候に左右されず、無農薬、人工灯による生育期間の短縮、多段式栽培で単位面積収量の増加、個体間差の少ない等の野菜栽培が可能とのことでありました。「農作物の根幹は土作り」といわれる言葉が死語となる日が足音を立てて急ぎ足で近づいて来ているように思えてなりません。
 幼き頃、土のにおいと草いきれを五感で感じながら、鍬を使っての耕作、草引き、潅水などに汗を流して手伝ったことが鮮明によみがえってくる我々世代にとって、このことを昔話として語らなければならない時代が来ることは寂しい限りです。
 バイオテクノロジーの素晴らしさに感じ入ると共に「太古の昔から人類は土と共に生きてきた」というこの言葉だけは未来永劫受け継ぎたいと願いました。
(『講義の振り返り』より。担当:事務局)

閉校式・交流会 (会場:長浜バイオ大学)

講義のようす

 第7回理論学習講座終了後、涙の閉校式を開催しました。
 35名のうち27名が修了され、77.1%と非常に高い修了率となりました。なんと全18回皆出席者は7名もおられました。
 どなたも自信あふれる表情で長浜市教育委員会北川教育長から修了証を受け取られていました。最後に集合写真を撮り、閉校式を閉じました。
 その後、会場を移動し長浜バイオ大学の食堂で、班ごとに「カレッジの半年を振り返る内容」について意見を出し合い、発表していただきました。沢山のご意見ありがとうございました。皆様にいただいたご意見は来年の企画に活かしたいと思います。最後に「来年もまた会いましょう」と言葉を交わし、全プログラムが終了しました。
 受講者の皆さま、本当にお疲れさまでした。また、ご協力いただきました関係機関の皆様、大変お世話になりました。
 ありがとうございました。来年度の淡海生涯カレッジ長浜校、楽しみにしていてください。

〜長浜校の魅力「意見交流会より」〜
・最先端の講義が聞けて良かったです!
・沖島は滋賀県民として一度は行ってみたいとこだったので、大変有意義でした。
・高校での実験実習講座は独特なものが多く、実験ができて楽しかったです。
・日ごろ感じている疑問が少し解決できました。
・バイオ大学での講座は、環境に密着したサイエンスを勉強できてよかったです。


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