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「地域の力を学校へ」推進事業の実践例 野洲養護学校高等部1〜3年生 × 積水樹脂株式会社 「働く現場を知る。先輩の仕事ぶりから学ぶ。働くことについて考える。」

掲載日:2009年6月10日

教科等 : 総合的な学習の時間 ‥

「働く現場を知る。先輩の仕事ぶりから学ぶ。働くことについて考える。」
 ( 滋賀県立野洲養護学校高等部1〜3年 )

講師 : 積水樹脂株式会社  ( 平成21年6月3日 )

 昨年度ご依頼をいただいた野洲養護学校から、今年度も「働く」ことを知るという授業で工場見学を考えておられました。
 学校の先生からのご要望があった積水樹脂株式会社は、職場体験や実習の受け入れをしてくださっており、大型バスの駐車や車椅子の生徒への対応も含めご相談したところ、快くお返事をくださり、連携が実現しました!

打ち合わせ :

 積水樹脂株式会社にて、当日の動き等の確認を行いました。
 学校の先生からは見学の目的や生徒の実態について、積水樹脂さんからは作っておられる製品の説明や、実際に見学をする施設と工場の下見をさせていただきました。


授業 :

 次の2つの目的で工場見学の授業は進められました。

  • 見学をとおして、働く現場について知る。
  • 養護学校の卒業生の働く姿から、自らの進路や将来について考えることができる。

 まず、積水樹脂の社員の方からのお話を聞きました。
 「積水樹脂では、約200人が働いており、みんなの先輩も元気に働いていますよ。」
 また、作っている製品については「町で皆さんが目にするモノは、ほとんど作っていますよ」ということでした。

 道路に設置されているポールコーン(よく車線分離に設置してある赤と白のポール)や、“速度注意“などの電子掲示板、標識や看板、ガードレール、照明灯、ベンチや柵、防音壁…など、普段目にするモノばかり。「ここで作られているんだ…」という驚きがありました。

 また、製品を安全にしっかり作られているのはもちろんですが、次に“一番大切にしていること”を話されました。
 それは「あいさつ」です。
 朝は「おはようございます!」、帰りは「お先に失礼します!」と、大きな声であいさつすることを大切にしておられ、週に一度、朝に正門に立ってあいさつをする“あいさつ運動”もされているということです。

 「あいさつ」は、人と人とのつながり、またコミュニケーションをとる第一歩になります。これが、あとの話でも出てくる「チームワーク」にもつながっていくのでしょう!

 さて、次はいよいよ、工場見学。
 先輩である同じ養護学校の卒業生からも、自分がいつもどのような仕事をしているのか説明しながら、働いている姿を見せてくださいました。

 梱包作業では、チェックをし、発泡スチロールを入れ、ピンをさす。その後、袋に入れ、取扱説明書を忘れずつけ、テープでまとめ、ラベルを同じ方向に貼っていく。
 防音壁を作る作業では、パネルを枠にはめ込み、ドリルでネジをしめ、梱包してバンドでとめる。

 いずれもペアでされていましたが、気をつける点はまず、作業は製品にキズがつかないように丁寧に早く、またドリルなどの道具を使う時は自分自身もケガをしないようにすることです。そして、2人で作業するため「チームワーク」はとても大切だということでした。
 作業や話される姿は、皆さんとてもてきぱきとして、丁寧でした。

 その後は、先輩方に生徒全員が考えてきた質問に答えていただく質問タイム。
 一番多かった、「お給料はいくらですか…?」など、なかなか答えにくい質問もありましたが、とても丁寧にお話をしてくださいました。

 最後は、積水樹脂の会社内にある「道夢道」という、作っておられる製品を実際に試したり、実験できる研究施設も見学させていただきました。
 作っておられるポールコーンや案内板、防音壁などを触ったり、ベンチに座ったりもでき、いろいろな体験が出来ました。(すべて実物大)

 最初はうまくいかないこともあります。ですが経験を積むにつれ、作業も早くなり、自信をもって働いておられる姿は、生徒達も自分と重ね合わせること(イメージ)が出来たのではないでしょうか?
 ベテランの社員の方々も、本当にとてもあたたかく見守ってくださっている雰囲気が伝わってきました。

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