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「地域の力を学校へ」推進事業の実践例 びわ南小学校5年生 × 彦根地方気象台「わたしたちの気象台」

掲載日:2009年10月27日

教科等 : 理科 ‥

「 わたしたちの気象台 」 ( 長浜市立びわ南小学校5年生 )

講師 : 彦根地方気象台  ( 平成21年10月14日 )

 生涯学習課主催の学校と地域を結ぶコーディネート担当新任研修において、「しが学校支援センター」で行っている様々な学校支援をご紹介しています。
 その中の「学校支援メニュー」をご覧になったびわ南小学校の5年の先生から、「理科の気象の分野で、彦根地方気象台の方に来ていただきたいです。」とご依頼がありました。
 彦根地方気象台も快く受けてくださり、連携が実現しました。


授業 :

 天気の移り変わりや、雷、竜巻(たつまき)、雪の結晶、台風などについて動画を使って、詳しくお話していただきました。出前授業で学習した内容についてご紹介します。

■低気圧と高気圧について
 低気圧によって、空気の固まりが上昇するとき、上空で水蒸気を含んだ空気が冷やされ、水蒸気が膨張して雲ができる様子を図で説明していただきました。
 低気圧によって、雲のつぶがたくさんできると、天気が悪くなり、雨が降ります。低気圧の風は、地上から上空へ移動しますが、これを上昇気流といいます。
 逆に、高気圧は、上空の風を地上へと移動させますが、これを下降気流といいます。高気圧により、周りの空気が乾燥して雲がなくなると、晴天になります。
※低気圧は反時計回り、高気圧は時計回りに回転します。

■雷の発生と竜巻について
 真夏に積乱雲(入道雲)ができますが、雲の中を空気が激しく移動して、大きな電気が流れ、強い光を発生します。
雷の音(ゴロゴロ)は、空気に電気が通ると、空気が熱くなり、膨張して激しくふるえるときに起こる衝撃音です。
 竜巻は、積乱雲からたれ下がってできる、強い風をともなった「うず巻」のことで、直径約10kmの範囲にできます。
 先日発生した台風18号による竜巻の被害で、茨城県土浦市の民家の3階壁一面が吹き飛ばされた現場写真を見て、竜巻のすごさと怖さを知りました。
 滋賀県内の被害としては、琵琶湖・竹生島の国宝・神社本殿の屋根が破損した様子や彦根城の石垣が崩落したことも知りました。

■雲の種類(俗称)について
  雲の種類は、10種類ありますが、地上から高さ2Kmに発生する下層雲 (あま雲、 きり雲、 くもり雲)と、上空2Km〜7Kmの範囲の中層雲 (おぼろ雲、 ひつじ雲)、5Km〜13 Kmの上層雲 (うす雲、 うろこ雲、 すじ雲)の3層に分類、その他に対流雲 (入道雲 、わた雲)があることを学びました。
 上層雲(薄いヴェールのような雲)が太陽にかかると、太陽の周りに「かさ」が現れます。これは、天気が崩れるまえぶれです。
 中層雲(一面に墨を流したような雲)が厚くなると降水が始まります。

■台風についてのお話
  熱帯地方(日本の南方、赤道に近い南の海上付近)の海水温度が高くなると上昇気流ができて、低気圧になります。これを熱帯低気圧と呼びますが、この低気圧の中心に向かって、うずを巻ながら強い風が吹きこみます。これが台風になります。北半球では反時計回り(左巻き)、南半球では、時計回り(右巻き)になるそうです。
 台風の呼び名は、日本では「台風(タイフーン)」、アメリカでは「ハリケーン」といい、インドやオーストラリア周辺では「サイクロン」と呼んでいます。
 ところで、「台風の目」のうず巻は、いったいどんな物でしょうか?実際に衛星から観測した「台風の目」の動画を見 せてくださいましたが、本当にうずを巻いて「目」が動いていました。子どもたちから、「うわあ!すごい!」と歓声があがりました。

■雪の結晶について
 雪の結晶は、温度と湿度の状態により変化します。美しい六角形になるのは、温度がマイナス15℃〜マイナス10℃で、湿度が20〜30%のときにできることや気温の違いにより、結晶の形状が変わることも学びました。

■最後は質問タイム!で、おもしろい質問もありましたので、ご紹介します!

Q.台風が上陸する前は、なぜ静かなのですか?
A.台風が来る前は、大きな風が吹かないので、周りの音が少なく、静かなように感じるのだと思います。

Q.台風の上の所は、晴れていますか?
A.だいたい晴れています。

Q.「台風の目」の所は、風が強いですか?
A.目の所は、風が弱く、すぐそばは強いです。

Q.台風は上陸すると勢力は弱くなりますか?
A.上陸すると摩擦の影響で、台風のエネルギーが弱くなります。

Q.強風警報などの通報時刻は決まっていますか?
A.通常は朝6時に通報しますが、強い台風が接近した場合には、前日に通報することもあります。

Q.台風の来ない国はありますか?
A.北極、南極には台風は来ません。アフリカやカナダなども台風が少ない国です。台風が多いのは、太平洋や南シナ海などに面した国々です。

Q.人工的に雪の結晶を作ることは出来ますか?
A.実験的に作ることは可能です。

など。 たくさんの質問に、わかりやすく丁寧に答えてくださいました。

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