本文へジャンプ

「地域の力を学校へ」推進事業の実践例 富士見小学校 × 滋賀県健康福祉政策課 「ユニバーサルデザインについて」

掲載日:2010年2月3日

教科等 : 総合的な学習の時間 ‥

「 ユニバーサルデザインについて 」  ( 大津市立富士見小学校4年生 )

講師 : 滋賀県健康福祉政策課  ( 平成22年1月14日 )

 12月に「学校支援メニュー」をご覧になった大津市立富士見小学校の先生から、「1月に福祉教育を予定しています。ユニバーサルデザインの学習で、滋賀県健康福祉政策課に来ていただきたいです。」とご相談がありました。
 滋賀県健康福祉政策課に日程等を含めご相談したところ、「昨年度も行かせていただいていますし、今年も是非。」と言ってくださり、連携が実現しました!


授業 :

 講師の先生が滋賀県庁で、福祉関係の仕事をしているとの自己紹介のあと、みんながくらしやすい町にするためには、どうすればよいのか?みんなで考えましょうというテーマを大変分かりやすく説明していただきました。

 まず、たくさんの人が集まる所として、駅、電車、交差点、バスなどいろいろありますが、まず駅で目の見えない人や耳の聞こえない人、車いすの人、お年寄り、外国人がこまらないような工夫がされていることを説明していただきました。例えば、目の見えない人が、点字ブロックにより白杖(はくじょう)でプラットホームの位置が分かったり、耳の聞こえない人には電光掲示板(でんこうけいじばん)で、分かるような工夫がされています。駅でよく見かけるマークにも、トイレやエレベータ、エスカレータ、車いす用、非常口などの場所がどこにあるか?すぐ分かるような工夫がされています。

 オリンピックなどがあると、たくさんの国から外国人が来日されますが、競技場の案内もマークですぐ分かる工夫がされています。これもユニバーサルデザインで作られたものです。
 最近のバスは、お年寄りが乗り降りしやすいようにドアの出入口が地面との段差を少なくする工夫がされています。
 次に、交差点の横断歩道をわたる時、目の見えない人へ音声による案内の工夫として、青信号の時に音楽を流しますが、東西方向と南北方向が耳で分かるように 《ピオ、ピオ》と、《カッコー、カッコー》で音楽を変えていることを学習しました。
 さて、ユニバーサルデザインとは、どんなことでしょうか?
  ユニバーサルは ⇒ 「みんなのために」、
  デザインは ⇒ 「考える、計画する」ことですが、

  • みんなが簡単に、みんなが安全に、みんなが快適にくらせるような「まち」や「たてもの」を作る考え方のことです

 休憩のあと、ユニバーサルデザインで製作された実物見本を見せていただきました。各グループに分かれて、それぞれの班が選んだ見本を手にして、「どこにユニバーサルデザインの工夫がされているのか?」をみんなで考え、話し合いました。そして、話し合ったことを紙に書いてもらう、クイズ学習の時間を取りました。

 また、ユニバーサルデザインで、作られた見本について、「どんなところが工夫がされているのか?」など、いろいろなことを教えていただきました。ご紹介します。

Q:シャンプーとリンスの容器 には、どんな工夫がされているか分かりますか?
A:シャンプーの容器は、ギザギザな部分を追加する工夫がされていますが、リンスの容器はツルツルです。これならさわったときに、どの容器かすぐ分かります。

Q:牛乳パックとジュースパック には、さわったときに、すぐ分かる紙パックの工夫がされています。どこの部分でしょうか?     
A:紙パックの開封口でへコミ(凹)のあるのが牛乳パックで、へコミ(凹)部分がないのがジュースのパックです。

Q:ペットボトル には、いろいろ形のボトルがありますが、その理由は何でしょうか?
A:にぎりやすくした工夫や落としにくい工夫がされています。フタも開けやすい工夫がされています。

Q:ユニバーサルデザインのまないた は、なぜ表面と裏面が、なぜ白色と黒色で製作してあるのでしょうか?
A:大根のような白い野菜を切る場合に、黒色面を使用すると色がはっきりと分かりやすいからです。

Q:ユニバーサルデザインのはさみ は、どうしておかしい形をしているのでしょうか?
A:軽い力でも切れる工夫やだれにでも、使いやすくしてあります。

Q:エアコンのリモコン は、なぜボタンの形(○、□、△)が違ったり、押しボタンキー部分が出っぱっているのでしょうか?
A:みんなにわかりやすく、使いやすい工夫がされています。 △キーで温度上昇、 ▽キーで温度下降がすぐ分かります。

Q:ユニバーサルデザインのものさし には、どんな工夫がされているでしょうか?
A:1mmの目盛りが斜めに10等分されており、目盛りを読みやすくしています。

Q:ユニバーサルデザインのおしピン には、どんな工夫がされているのでしょうか?
A:おしピンをやわらかいゴムでおおっているので、針が指にささらないような子どもにも安全な工夫がされています。ピンはつまみやすく、抜きやすい工夫もされています。

 最後に、「『まち』や『たてもの』には、ユニバーサルデザインで作られた製品や道具がたくさんあります。今日の授業では、障害のある方やお年寄りの方に、使いやすさと安全性を考えた、いろいろな工夫がされていることを学びました。いちばん大切なことは、みんながそのことを知っていることです。」という講師の方から、まとめのお話がありました。

△ ページのトップへ