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「地域の力を学校へ」推進事業の実践例 甲賀市立甲南第一小学校 5、6年生 × 株式会社 村田製作所「自転車ロボット『ムラタセイサク君』の実演」

掲載日:2010年3月8日

教科等 : 理科

「 自転車ロボット『ムラタセイサク君』の実演 」  ( 甲賀市立甲南第一小学校 5、6年生 )

講師 : 株式会社 村田製作所  ( 平成22年1月15日 )

 「学校支援メニュー」では、さまざまな学校支援のプログラムをご紹介しています。
  その中で、株式会社村田製作所をご紹介しました。学校からも「ぜひ5、6年生の授業で来ていただきたいです。」と言っていただき、連携授業が実現しました!


授業 :

 村田製作所では、シャーペンの芯の先(0.5mm)より、小さい電子部品などを作られておられます。
 作っておられる セラミックコンデンサという電子部品は、携帯電話の中に200個以上、薄型テレビには1000個も使われているとのお話を聞き、みんなビックリしていました。

 この電子部品は、製品の中に入ってしまう小さな部品のため、直接見ることができませんし、セラミックコンデンサがどんな役目をしているのか? など私達によくわかりません。
 そこで、「それらを皆さんにわかりやすく紹介したい、でも考えているだけでは始まらないので、よし開発、実験してみよう!」 そんな思いで、自転車ロボットを開発することになったそうです。
 2005年4月に、開発メンバー9名(技術者6名+スタッフ3名)で、開発プロジェクトチームがスタートし、2006年9月に、世界のどこにもいない 自転車ロボット『ムラタセイサク君』が誕生しました。

 今回の出前授業は、ロボット開発を手がけてこられた方より、完成するまでに、大変苦労された点について、動画をまじえ、分かりやすく説明していただきました。
 特に自転車ロボットの開発で、難しい技術はどこだったのか? 3つのポイントがありました。

  1. 自転車が止まっても倒れないこと
    ⇒ 傾きを測るジャイロセンサーにより不倒停止
  2. ゆっくりした低速でも上手(じょうず)に走れること
    ⇒ 障害物(しょうがいぶつ)検知、リモコン操作など
  3. いろいろな情報を扱えるようにする
    ⇒ カメラ、スピーカ、無線化など

 自転車ロボットの開発には多くの失敗や大変なご苦労があったそうですが、失敗を繰り返す中で、その原因を探り、対策を練って、改良と改善を行って、すばらしい産業用ロボットが完成しました。
 高度なロボット技術は、世界各国に認知され、ムラタセイサク君(出身地は京都府で、小学校3年生の男の子ロボット)とセイコちゃん(出身地は滋賀県で、幼稚園年長組の女の子ロボット)は、海外出張による出前授業でも活躍しています。

 昨年末には首相官邸において、鳩山首相に今回の出前授業に登場したムラタセイサク君とセイコちゃんロボットを紹介されたとのお話も伺いました。

 後半の授業は、待ちに待ったロボットの実演をしていただきました。
 最初は、新しく仲間入りしたムラタセイコちゃんが登場し、一輪車に乗って、パソコンからのリモコン操作で、床の上を走行する様子を講師の方から実演してもらいました。 とっても愛らしいセイコちゃんに、児童も先生も「すごーい」や「可愛い!」などの大歓声があがりました。
 次に、お兄ちゃんロボットのムラタセイサク君の登場です。
 ところで、ムラタセイサク君とセイコちゃんは、従兄妹(いとこ)という設定でロボットを開発したとの補足説明がありました。

 自転車に乗ったムラタセイサク君をマジックスティックというロボットを操るセンサー棒を使って、床のシートの上を走行したり、バックしたり、不倒停止する様子を実演しました。ムラタセイサク君が低速走行したり、不倒停止することに見事に成功すると、児童や先生から大きな拍手と歓声があがりました。
 最後は、一番むずかしい技に挑戦しました。幅が2cmしかない長い平均台の上をムラタセイサク君が自転車に乗ってタイヤの幅も2cmしかありませんが、みごと低速走行を成功させました。児童から、さらに大きな拍手と歓声があがりました。

 ムラタセイサク君について、講師の方から「テレビ・雑誌の報道やみんなに興味を持ってもらって、開発して本当に良かったと思います。みんなが大人になって、またいろいろと開発してくれたらうれしいです。」という言葉が頭に残っています。  

 今回の授業では、最後まで成功を信じて、決してあきらめない勇気と、チームワークの大切について学びました。

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