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「地域の力を学校へ」推進事業の実践例 瀬田北中学校1年生 × 8企業・団体 「生き方講話」

掲載日:2010年3月16日

教科等 : 総合的な学習の時間

「 生き方講話 」 ( 大津市立瀬田北中学校1年生 )

講師 : <1>大阪ガス株式会社、<2>オーパルオプテックス株式会社、<3>関西電力株式会社、
<4>財務省近畿財務局大津財務事務所、<5>滋賀県立陶芸の森、
<6>(大津市立やまびこ総合支援センター内)知的障害児者地域生活支援センター、
<7>独立行政法人国際協力機構(JICA)大阪国際センター、
<8>雪印乳業株式会社関西販売本部
(平成22年2月3日)

 「学校支援メニュー」では、さまざまな学校支援のプログラムをご紹介しています。今回、いろいろな職業で活躍されている方を招いて、生き方講話の授業を実施したいとのご依頼があり、企業・団体より8名の方を紹介したところ、「是非お願いします」ということで、連携授業が実現しました!

授業 :

 次のねらいで、授業が進められました。

  • 働くことの大切さ、厳しさや楽しさ、生きがい、他者と協力して働くこと等を学び、正しい職業観を育て、職業選択の力をつける。
  • 一般社会における心構えを理解し、実行できる力をつける。
  • 社会にはいろいろな職業があり、人々がどのように働いているのかを知り、自分の生き方について、深く考える。

 

<1>大阪ガス株式会社の方の講話

テーマ:「サラリーマンに夢を託して」 

授業:

 講師の方の現在の仕事に就くきっかけ、入社当時の会社の仕事、営業活動での出来事などから、話し始められました。
 次に、現在のサービス業という仕事に関わって、「お客様からの信頼を勝ちとるため」の日々の仕事の積み重ねがとても大切であることを説明されました。
 「サラリーマンと聞くと、『夢』とか『希望』というイメージがあまり湧かないかもしれませんが、決して単調な毎日ではなく、いろいろな喜びや人生の転機があって、『夢』を追い求めていくことができます。
 『夢』は、世界を少しでもよくするなど、他人にも貢献することを指します。『夢』の実現のためには、周りの多くの人が力を貸してくれるはずです。」という言葉をいただきました。

大阪ガス株式会社の授業

講師の方より

 事前にアンケートも採っていただき、生徒の皆さんの知りたいことがよく分かり、大変参考になりました。
 生徒さんの授業を聞く態度が、すごく良く感じました。

―生徒たちへのメッセージ―

 働くとは、つらいときもありますが、楽しくできるように自分で工夫することも大切です。意欲を持って勉強にもクラブ活動にも取り組んでください。

 

<2>オーパルオプテックス株式会社の方の講話

テーマ:「琵琶湖の自然体験を仕事に!」

授業:

 講師の方の自己紹介、今の仕事に就いたきっかけから話が始まりました。
 オーパルでの仕事は、目に見えるものはパンフレットしかないけれど、パンフレットを見た人が、来て、楽しんでいただき、また次に来たくなるように、いかに満足していただくかが大切だと話してくださいました。
 講師の方は、「生きていくための必要なものを手に入れるためには、働かないといけません。しかし、必要なものがあれば働かなくていいのでしょうか。働くことで、自分の持っている可能性を広げ、人と人とのつながりを大切にして、信頼される人になってください。」と話してくださいました。

大阪ガス株式会社の授業

講師の方より

 子どもたちがもっと集中できるよう、体験で使う現物を見せたり、映像を用意したり、工夫していきたいと思いました。

―生徒たちへのメッセージ―

 皆さんは、誰もがいろいろな可能性を持っています。
 しっかり前を向いて、いろいろなことに挑戦してください。働く(はたらく)とは、「はた」(まわりの人)を「楽にする」とも言います。まわりの人を楽にしようとしていれば、いい結果につながると思います。


<3>関西電力株式会社の方の講話

テーマ:「ライフラインの電気を送り届ける仕事とは」

授業:

 進路学習に役立つよう「電力会社の設備を知る」 「電力会社の仕事を知る」「関電マンの使命と働く喜びを知る」の3点について、お話していただきました。
  最初に、電力設備について、電線や計量装置の実物を、見て触れて感じてもらう内容の体験授業をしていただきました。
 次に、「電気の伝わる速度は?」 「滋賀県内の電線の長さはどれくらいか?」というクイズ形式で授業を進めてくださいました。
 最後に阪神淡路大震災の復旧の際に、講師の方が経験したお話とライフラインに携わる者としての責任感の重さ、働くことの喜びについてお話くださいました。

大阪ガス株式会社の授業

講師の方より

 中学校の授業で話すことが初めてであり、緊張しましたが、質問やクイズへの反応があったときはうれしく、楽しい授業ができました。

―生徒たちへのメッセージ―

 ぜひ、ライフラインの電気の仕事も進路選択で考えてみてください。

 

<4>近畿財務局大津財務事務所の方の講話

テーマ:「公務員の仕事って? 財務局の仕事って?」

授業:

 まず、公務員という職種についてのイメージをつかむために、財務省のホームページ内のアニメを使い、説明されました。
 次に、講師の方が勤めておられる財務局・財務事務所の仕事の概要について、パンフレットを使って説明されました。
 また、仕事に対する思い、苦労話や喜びを感じるとき、大切にすべきことを体験談を交えながら説明されました。
 授業の最後には、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転および職業選択の自由を有する」という日本国憲法の話をされ、職業選択の前段階での生徒の皆さんには、無限の可能性があることを伝えていただきました。

大阪ガス株式会社の授業

講師の方より

 「少しでも良い授業を」という気持ちで取り組みました。それに応えてくれる真剣な眼差しで話を聞いてもらえていたのでとても良かったと思います。

―生徒たちへのメッセージ―

 これからも何事にも前向きにチャレンジし、来る職業選択の際には、公務員の仕事、財務局の仕事を思い出し、検討材料の一つとしてもらえればありがたいです。頑張ってください!!


<5>滋賀県立陶芸の森(陶芸家)の方の講話

テーマ:「現代陶芸作家としての社会とのかかわり」

授業:

 まず初めに、講師の方は、小さな頃から中学生時代に漠然と願っていた職業が、あまり大きく変わることなく実現していった経緯を話してくださいました。
 次に、現代陶芸作家や芸術家の仕事について説明され、青年海外協力隊での活動や滋賀県立陶芸の森での指導員としての仕事、焼き物の教育普及活動に関わっていることについても話してくださいました。
 芸術活動や芸術作品は、私たちの身近な生活と離れがたく存在し、活動そのものが社会を動かすこともあるという例についても説明してくださいました。
 仕事として考えると、芸術家の生計は難しい部分も
あるけれど、自分の気持ちや仕事に対して誠実な思いを持って一歩一歩進めば、道は開けていくということを伝えていただきました。

大阪ガス株式会社の授業

講師の方より

 生き方の姿勢が学べる貴重な体験で、今の子どもたちには必要な活動だと思います。生徒の皆さんには、これからも、様々な職種の人たちから話を聞かせてもらうと良いのではないかと感じました。

―生徒たちへのメッセージ―

 仕事に対する姿勢は、どんな仕事でも変わらないと思います。心の声に耳をすまし、誠実な態度で一歩一歩進んでいけば道は必ず開けます。

 

<6>知的障害児者地域総合支援センターの方の講話

テーマ:「障害のある人を支援する仕事とは?
       〜誰もが地域で暮らせるように〜」

授業:

 まず、講師の方が関わっておられる「福祉」「障害」について話されました。
 障害は、障害のある本人だけの問題ではなくて、社会で生活する誰もが障害者になる可能性がある問題であり、障害のある人への支援の必要性についても話されました。
 次に、生徒たちに具体的な仕事を知ってもらうために、障害のある人の生活と、本人に実施している支援について実例を挙げながら、本当に本人が望んでいる支援はどのようなものなのかを、考える場面も設定されました。
 最後には、現在の仕事に就いた経緯とやりがいについて語っていただきました。
 「障害のある人にとって住みやすいまちは、誰にとっても住みやすい」
 「福祉の仕事とは、人の幸せを実感しやすい仕事」
という言葉に、思いを込めておられました。

大阪ガス株式会社の授業

講師の方より

 イメージすることが難しい話だったと思いますが、しっかりと話を聞いてくれ、質問してくれていた生徒もいてありがたく思いました。

―生徒たちへのメッセージ―

 私の話で、障害のある人への支援という仕事について、全て理解してもらえる訳ではないと思いますが、何か一つでも心に残り、将来、「中学の時に聞いたことのある話だなあ、もっと知りたいなあ」と、一人でも思ってくれれば幸いです。


<7>JICA国際協力推進員の方の講話

テーマ:「なぜ私たちは働くのか?
       〜NPOで働くということについて〜」

授業:

 初めに、講師の方が、青年海外協力隊の一員として、ケニアに行き、初めてのボランティア活動を体験されたことから話をされました。
 講師の方は、「仕事というのは学ばせてもらったお礼であるから、人の役に立っているという気持ちがなければならない。半分は自分のため、半分は他人のために!」と、ある小説に書かれていて、協力隊の仕事はまさに、これだと実感したそうです。
 「将来、皆さんがどんな仕事に就くか分からないけれど、学校での勉強はもちろんですが、いろいろな職業の方が体験されてきた知識、技能、経験をたくさん学んで欲しい」とお話くださいました。

大阪ガス株式会社の授業

講師の方より

 生徒さんが最後まで真剣に授業を聞いてくれて、先生方がしっかりサポートしてくださって、安心して授業を進めることができました。
 またこのような機会があれば、ぜひ協力させていただきたいと思います。

―生徒たちへのメッセージ―

 高校受験のため、大学受験のため、就職のためなど、その準備だけに終わるのでなく、自分の進むべき道を、しっかりと見定めて生きていってほしいです。

 

<8>雪印乳業株式会社の方の講話

テーマ:「お客様に『安心』、『健康』、『おいしさ』と
      『笑顔』をお届けする食品企業を目指して」

授業:

 講師の方の自己紹介の後、会社での仕事の内容、厳しさや楽しさ、やりがいや充実感などについて、お話してくださいました。
 また、食育学習の中で、中学生の皆さんにぜひ知っておいてほしいこととして、骨の役目とカルシウムの働きについて、パワーポイントを使って、分かりやすく教えてくださいました。
  「飽食の時代」といわれる今の時代だからこそ、正しい食習慣を身につけることの大切さ、それを伝えていく仕事への思いをお話くださいました。

大阪ガス株式会社の授業

講師の方より

 電子黒板に説明画面を写したので、席によっては光ってしまい、見にくかったようでしたが、みなさん話をよく聞いてくださっていました。

―生徒たちへのメッセージ―

 将来どのような仕事についても“真の健康”が求められます。自分の健康は、自分で守り抜くことができる人になってください。  


生徒の感想より

  • 大阪ガスの講師の方の話を聞いて、「サラリーマン」に対するイメージが少し変わりました。働くために大切なことを教えていただいて、自分の夢に向かって前向きに頑張っていきたいと思いました。
  • カヌーを教えたりする自然に関係する仕事は、大変だなあと思いました。大人になったら、しっかり働きたいと思いました。これからは自分の生き方について真剣に考えていきたいです。
  • 電力会社についてのクイズや実物を見せてもらったり、すごくわかりやすかったです。自分の進路希望にもすごくプラスになりました。
  • 公務員の仕事は、人々の生活を大きく左右する大切な仕事だということが、よくわかりました。普段から感謝して生活し、みんなの役に立てるような仕事に就きたいと思います。
  • 陶芸家の方がどんなことをしておられるのか、よくわかりました。すごく自信を持って仕事をしておられるなあと思いました。仕事はいろいろあるけれど、自分のやりたいことをするというのは大切だと思いました。
  • 福祉という言葉の意味がわかったし、「そーなんだ!」と思うことがいっぱいありました。話を聞く前と後で、福祉に対する気持ちが変わりました。
  • 国際協力推進員さんのお話を聞いて、「何のために働いていくのか」ということを、よく考えることができました。「幸せ」について真剣に考える授業になりました。
  • わたしは、あまり牛乳は好きではないけれど、今日の話を聞いて、毎日頑張って飲んでみようかな、と思いました。今日の話は、すごくためになりました。
 

大津市立瀬田北中学校の先生方より

  • 「働くこと」を意識化させることにポイントを置き、学習目標に合致した講話内容でした。また、生徒の興味・関心を喚起するように、わかりやすい言葉遣いや資料の提示などの工夫をしていただき、とてもよかったです。
  • 電子黒板を使い、丁寧にわかりやすく話をしていただきました。生徒たちも講演を聴き、「働く」ということに興味・関心が湧いたようです。
  • 外部の方に来ていただいて、話を聞くということは、子どもたちにとって新鮮でよかったと思います。
  • 企業や団体の方から、生の声で仕事内容や苦労話、仕事に対してのやりがいなどを聞かせていただけて、とてもよかったです。
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