本文へジャンプ

「地域の力を学校へ」推進事業の実践例 富士見小学校4年生 × 滋賀県土木交通部 砂防課 「地域のはってんにつくした人」

掲載日:2010年3月26日

教科等 :社会 ‥

「 地域のはってんにつくした人 」  ( 大津市立富士見小学校4年生 )

講師 : 滋賀県土木交通部 砂防課 (平成22年2月18日)

 当課のホームページに掲載している「学校支援メニュー」をご覧になった大津市立富士見小学校の先生から、「『砂防について』の学習に、滋賀県砂防課に来ていただきたいです。」とのご依頼がありました。
滋賀県砂防課に日程を含め相談し、連携授業が実現しました!(富士見小学校4年生の連携授業は、1月に続き、2回目の実施です。


授業 :

 最初に、土砂災害が実際に発生した現場映像を見ました。長野県信濃川水系で発生した「土石流」と、岐阜県揖斐川(いびがわ)水系で発生した「地すべり」、奈良県で発生した「がけ崩れ」の生々しい様子です。
 この映像で、大きく土砂が動いていく様子や山がだんだん崩れていく様子を見た児童たちから、「うわあーすごい!」「こわい!」など、おどろきの声があがりました。
 日本はどうして土砂災害が多いのでしょうか?次の4つの理由をあげて、説明がありました。

  • 日本は平地が少なく、国土の7割が山地です。しかも、もろくて崩れやすい土や岩からできている山が多い地形になっています。
  • 日本は世界の中で4番目に雨の降る量が多く、梅雨や台風の時期には、雨が集中して強く降ります。(世界で一番雨の多い国はインドネシアです。)
  • 日本は他の国に比べて、山から海までの距離が短く、川の流れが急のため、たくさんの土砂を押し流してしまう地形です。
  • 日本には108箇所の活火山があり、世界の1割を占めています。地震が多く、火山の噴火もよく起きます。

 さて、土砂災害にはどんな種類があるのでしょうか?
 3つご紹介します。

土石流
 土石流とは、山や谷の土、砂、石などが長雨や台風の大雨によって、水と一緒になってすごい勢いで流れるものです。そのスピードは時速40〜50Kmもあり、象の何倍もある大きな岩も押し流す、ものすごい力があるそうです。
 その土石流を防ぐよい方法は、対策として砂防ダムを作って土砂をくいとめ、下流にある町や村を守る方法を映像で説明していただきました。
 三重県いなべ市で土石流対策として、砂防えん堤防工事を行った結果、集中豪雨が降っても下流の人家では全く被害が無かった効果事例があるそうです。

地すべり
 地すべりは、どうして起こるのでしょうか?
 地面は硬さや種類のちがう土や石がいくつもの層になって積み重なってできています。大雨が降り続くと地下にたくさんの水がしみこみ、水を通しにくい土層の上に水がたまります。その水の力にもち上げられて粘土層をさかいに上の地面がゆっくり動きだします。これが地すべりです。

 地すべりは、普通はゆっくり動きますが、突然いっきに数メートルも大きく動くこともあります。地すべりによって、せき止められた川の水が下流に流れると、たくさんの家や田畑、道路などをこわして大被害になります。
 平成18年3月に、滋賀県の国道367号の安曇川で発生した斜面が崩壊(ほうかい)した現場映像と、その後に施工した復旧工事の映像を見せてくださいました。
 地すべりを防ぐ対策は、その原因となる地下水を取り除く、水路工(地面の表面の水が地下にしみこまないよう排水トンネルを作る⇒ストローで水を吸い取るようなイメージ)と、地面が動かないように杭(くい)をすべり面から下まで打ち込む2つの工事を行います。

がけ崩れ
 雨や雪どけ水などががけの中にしみこんで、突然がけが崩れ落ちるのが、がけ崩れです。地震により、起こる場合もあります。
 平成18年7月に、滋賀県湖南市菩提寺で発生した災害事例の現場映像を見せてくださいました。
 がけ崩れを防ぐ対策は、落ちてきた土砂を受け止める強い壁を作り、家や道路を守ります。また、がけの表面に植物を植えて、雨が直接がけにあたらないような対策を行って、ひびわれが起きないようにしています。
 日本に発生した人命を奪う土砂災害の統計によると、自然災害による死者・行方不明の割合は、土砂災害が42%で、その他の災害が58%(昭和42年〜平成20年の集計)となっています。
 平成21年の各都道府県における土砂災害の発生件数は、1,058件も発生しています。(12月31日現在、土石流:149件、地すべり:803件、がけ崩れ:803件)
 発生件数の多いのは、山口県、島根県、神奈川県の順になっています。
 富士見小学校付近にも土砂災害の危険箇所があることを教えていただきました。(大津市内の危険箇所数は、砂防課の調査で1,069箇所もあった)

次に、土砂災害の前ぶれについて説明がありました。
土石流の前ぶれは、
<1>山鳴りがする <2>地鳴りがする <3>川や沢の中でゴロゴロと音がしたり火花が見えたりする <4>川や沢の水が急ににごる <5>川や沢の流れに土砂や木が流されてくる

地すべりの前ぶれは、
<1>山の樹木がザワザワとさわぐ <2>わき水が増える <3>池の水がにごったり、減ったりする <4>地面にひびわれや段差ができる

がけ崩れの前ぶれは、
<1>樹木が揺れたり傾いたりする <2>小石がバラバラ落ちてくる <3>斜面にひびわれができる <4>斜面から水がわき出る

 最後に、災害などについて、しらせる滋賀情報サービスの「しらしがメール」の活用について紹介がありました。

△ ページのトップへ