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「地域の力を学校へ」推進事業の実践例 吉身小学校6年生 × 国立大学法人 滋賀医科大学 「 夢プロジェクト〜お医者様に学ぼう〜」

掲載日:2010年3月15日

教科等 : 総合的な学習の時間 ‥

「 夢プロジェクト〜お医者様に学ぼう〜 」  ( 守山市立吉身小学校6年生 )

講師 : 国立大学法人 滋賀医科大学  ( 平成22年2月18日 )

 当課のホームページに掲載している「学校支援メニュー」一覧をご覧になった守山市立吉身小学校の6年生の先生から「『夢プロジェクト』と題して、いろいろな職業の方から話を聞くという授業に取り組んでいます。『学校支援メニュー』の団体の方に是非来ていただきたいです。」とご依頼をいただきました。
 先生から依頼があった10企業・団体の中で、日程等が合う企業・団体と、連携が実現しました!


授業 :

 次のねらいで、授業は計画されました。

  • 6年生児童が卒業を前に、自分の進路について考える機会をつくる。
  • 自分の個性や適性に目を向け、前向きに将来の展望が描けるようにする。

 学校では、「ゲストティーチャーを迎え、その方の仕事をはじめ、生き方や人生観について話を聞く」という学習内容で、計画を立てられました。
 1月から週に1回の予定で、何人かのゲストティーチャーから話を聞く授業です。今回は滋賀医科大学から「お医者さん」に来ていただきました。

 「お医者さん」と聞いて、どんなことを思い浮かべるでしょうか?
 子どもたちからのイメージは、手術する、注射がこわい、入院、薬…でしたが、他にも診察する、治療する、麻酔(ますい)をかける、ガンかどうかを診断する、なぜ亡くなったのかを調べる、研究する、いろいろな人たちに教える、広報などで正しい知識を広める、みなさんの健康を守る…など様々な業務があります。

 講師の方は、普段は衛生学の予防医学という学問を、大学の学生に教えておられます。他にも研究をされたり、診療所で診察をしたり、働く人たちの健康相談にのったり、今日のようにいろんな人にお話をしたり…という仕事をされています。
 講師のお父さんは診療所のお医者さん、お母さんは看護師さんだそうです。しかし、子どもの頃は医者は良い仕事だと思う反面、「自分には出来ない、医者になりたくない」と思っておられたそうです。
 子どもの頃は、体力をつけること、しっかり睡眠をとることに気をつけるくらいで、勉強がすごく出来たわけでもなく、スポーツは好きだったが体育は出来なかったし、音楽や絵や習字などでほめられたこともなかったとのことですが、「みんなと同じではつまらない」という思いをもっておられました。
 そんな中、高校時代に「福祉の仕事がしたい」と思うようになりました。「手話で診察できるお医者さんになれたらいいな」と思うきっかけになったのは、お姉さんの「福祉系の大学に行くのもいいけど、医学部に行くと医学・医療の立場から福祉が勉強できるのよ」という一言でした。
 そして、大学時代は、手話サークルで手話の楽しさにはまったそうですが、医者をあきらめかけたことがあった時に、手話を教えてもらっていた耳の聞こえない人から「何のためにあなたに手話を教えていると思っているの。医者になるというから教えているのよ」と言われて考えなおしたり…と、いろいろな方からの言葉や出会いがあって、今の先生があるそうです。

 今、取り組まれている研究は「聞こえない人たちが医療を受けるときに困っていることは何か、どうしたら安心して医療を受けることができるか」「手話通訳者がいきいきと仕事するために」「介護する人もされる人も安心で安全であるために」です。

 聞こえない・聞こえにくい人たちが、日常生活で一番困るのは、病院に行ったときです。受付で名前を呼ばれてもわからない、医師や看護師に自分の症状を伝えにくいし、説明がわからない…などで、検診も受けるのがおっくうになるそうです。そこで、例えば聞こえない人たちを対象にした乳がん検診では、カルテに「聞こえない」ことを知らせるシール(耳マーク)をはったり、手話通訳をしてもらったり、手話・字幕つきの検査説明用ビデオを見てもらったり、はり紙(文章・イラスト)で指示をわかりやすくする工夫がされています。

 手話通訳という仕事は、聞こえない人たちのくらしを支える大切な仕事です。しかし、手話をよく使う約15万人に対して、全国でプロの手話通訳者は約1,200人しかおられないという現状があるそうです。
 皆さんに知っていただくためにも、医療現場で使う手話をアニメーションで教えてくださいました。(うれしい、大丈夫ですか、痛かったら手をあげてください など)

 最後は「ちょっとだけ、お医者さん(になろう)」ということで、自分の脈をとったり、代表のお友達に白衣を着て聴診器を持ってもらって、実際に血圧を測ったり、心臓や呼吸の音を聞いたりしました。(血圧…血液が血管のカベを押す力のこと)
 お医者さんの気分になれたでしょうか?

 講師の方は「やりがいとしては、好きなことをやって生活できるよろこびもありますし、病気を治すことだけが仕事ではなく、『おかげでよくなりました』の一言はやっぱりうれしいです。たくさんの人との出会いはいろんな考え方を知ることができますし、卒業生が『教えてください』と訪ねてきたときや、活躍を知ったときもうれしいです。」とおっしゃっていました。

 最後に…

  • いろんな仕事があって、いろんな人がいますので、人との出会いを大切に!
  • 体力をつけて睡眠をとろう、たばこと薬物(大麻や覚せい剤)には絶対手を出さないで(たばこを吸っている人の真っ黒の肺の写真を見て、みんな「うわーこわい」と言っていましたね)、いのち・健康を大切に!

とメッセージをくださいました。

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