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佐和山小学校3年生 × 彦根手話サークル「指音」 「 心を伝え合おう−聞こえないってどんなこと− 」

掲載日:2010年3月23日

教科等 : 総合的な学習の時間 ‥

「 心を伝え合おう−聞こえないってどんなこと− 」  ( 彦根市立佐和山小学校3年生 )

講師 : 彦根手話サークル「指音(しおん)」  ( 平成22年2月24日 )

 「しが学校支援センター」では、さまざまな学校支援について、授業のプログラムなどをご紹介しています。「しが学校支援センター」のことをご存じだった彦根市立佐和山小学校の先生から「福祉教育をする中で、手話でお話をしてくださる方を探しています。おられたら教えてほしいです。」とご相談がありました。
 彦根市社会福祉協議会にご相談をしたところ、「そのようなご相談がたくさんあり、すでに彦根市内の多くの学校に彦根の手話サークルの方に行っていただいています。人数の調整などして伺います。」と言ってくださり、連携が実現しました!

授業 :

 彦根手話サークル「指音」は、聴覚障害のある方も、健聴者も、共に学び、一緒に活動するサークルです。
 前半は学年合同の授業で、まず来ていただいた聴覚障害の方(3人)と、手話と言葉で伝えてくださる通訳の方(3人)の自己紹介から始まりました。
 事前に学校では、聴覚障害の方の暮らしの様子などが映ったビデオを見ているということで、気づいたことを発表してもらいました。
 「玄関のチャイムの代わりにランプが光っていた」、「車が後ろからプップーと鳴らしても気づいていなかった」、「お店の人に紙に書いて伝えていた」…などの発表の後、聴覚障害の方に、実際のお家での様子などをお話していただきました。

  1. お客さんが来た時…お客さんが玄関のチャイムを鳴らすと、ランプが光ります。
  2. 目覚まし時計…タイマーを合わせると、その時間に振動がおこります。その振動で目覚めます。
  3. 電話…連絡は、FAXやメールでやりとりします。
  4. テレビを見る時…字幕放送で見ます。

など。
 困ることは、話していることがわからないのが一番で、そんな時は筆談(書いて伝え合う)をしたりするそうです。
 そこで、聞こえない人が話をする方法を教えてくださいました。

聞こえない人が話をする方法

  • 口話(口の形で読みとる)…口を大きく開けて、ゆっくり話をしてもらいます。しかし、例えば「うどん・ふとん」や「くし・うし・すし」のように口の形が似ている言葉は、とても難しいそうです。
  • 身ぶり(ジェスチャーで伝え合う)…口話で難しいときなどは、身ぶりをつけるとよくわかります。例えば「うどん」はフーフーと冷ましながら食べる様子、「ふとん」なら目を閉じて寝る時の身ぶりを入れるとよくわかります。
  • 筆談…メモ帳に書いたり、指で手のひらや空中に書いたり、携帯メールでやりとりします。
  • 手話…手の動きや形などで伝え合います。

 ここで、「簡単な手話を覚えよう!」と、挨拶の手話を教えてくださいました。(おはよう、こんにちは、こんばんは、すみません、ありがとう、など。)

 後半は、各クラスに分かれての授業です。通訳の方から出されたお題を、身ぶりで聴覚障害の方に伝えます。
 お題を見て「どうやって伝えよう…」と考えこんでいるお友だちもいましたが、楽しみながら、とてもわかりやすい身ぶりで伝えてくれました。(例:ボーリング、カニ、バナナ、目薬、ゴリラ、など。)

 その後は、「質問タイム」です。いくつかご紹介します。

Q: 手話を覚えるのに、大変だったことは何ですか?

A: 私は、小さい頃に聞こえなくなりました。そのため、皆さんが言葉を覚えるのと同じように手話を覚えました。また、聾話学校で、先輩の手話を見ながら覚えました。


Q: 音楽や歌を聞く時は、どうしていますか?

A:音の高い・低い、きれいな声…などはわかりません。音楽や歌は聞かないですが、手話劇などを楽しんだりします。


Q: 地震の時とかは、どうしますか?

A:地震や火事の時、私たちには全然わからず、アナウンスなども聞こえないので、とても不安です。だから、サークルでは、聞こえる人も聞こえない人も一緒に、防災訓練などを行っています。皆さんのご協力が必要ですので、どうぞよろしくお願いします。

など。

 「私たちは、見ただけでは聞こえないかどうかがわかりません。例えば皆さんが、何か知らせようと思って後ろから話しかけても反応がない場合などは、肩などをトントンと軽く叩いて顔を見合わせて知らせてもらうとありがたいです。また、車や自転車などで危ない場合は、体ごと引っ張ってもらう方がいいこともあります。皆さんのご協力を、どうぞよろしくお願いします。
 手話は知らないと伝えられないと思われるかもしれませんが、手話がわからなくても『伝えたい!』という気持ちがあれば、伝わります。その気持ちがとても大事ですので、メモに書いたり、身ぶりでお話したりしたいです。
 今日は、皆さんと一緒にすごく楽しくふれ合いができました。これから、耳の聞こえない人と会うかもしれません。伝えたいという気持ちが一番大切で、できれば顔の表情をつけてお話してくださいね。」
とメッセージがありました。

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