県立水口東中学校より、職場体験に先駆けたキャリア教育として、職人さんの講座依頼がありました。おうみ未来塾さんにお問い合わせしたところ、謙徳産業株式会社の社長さんに講師として、仕事についてお話いただく事となりました。 講師の方は、戦争時代に青年期を送られ、会社にお勤めされましたが、一生勤めるつもりでいた会社が倒産、失業されました。その時、胸に響いた言葉が、「失業した事に落ち込むのではなく、現況をありのまま受け入れ、失業したものにしかできない事をやれ!」というものでした。 その後、販売の会社を自分で始められましたが、最初の数年は商品知識が乏しく営業が難しいなど、いろんな困難があったそうです。そんな講師の方がロボットを作り始めたのは、今から約30年前でした。 講師の方の会社のロボットは、お客様から依頼があってから、はじめて設計から始めるので、世界に1台しかありません。しかも、お客様に100%満足していただくまで、コストロスも気にせず作り直します。お客様に満足していただいく事が一番なのだそうです。 また、講師の方は、自社の社員に自己管理で仕事をまかせておられ、できるまで社員が自分で工夫するそうです。でも、ロボットがうまくできあがった時の社員の満足感、充実感は、社長のほめ言葉よりも何倍も大きいそうです。「ロボットを作るという事は、夢を作る事と同じ」と講師の方は考えておられます。 講師の方は、知識もあまりない状況から、新しい分野に参入する時、以下のように発想されております。それは、物事を簡単なものからはじめ、そこから展開するというやりかたです。また、基本を大切にするという事です。基本がしっかりしていないと、スポーツでも仕事でも、ある水準より伸びる事はないと思っておられます。講師の方は、今でも仕事で困難にぶつかると、原点に立ち戻って考えるそうです。 講師の方が一番大切にされている事は、あいさつだそうです。そして、いろんな困難をものともせず、ロボット(あるいは夢)を作る会社に作り上げた経験より、今の中学2年生に伝えたい事は、「志を持って、それに向けて努力し続ける」 という事です。「努力を怠るという事は、自分で自分をあきらめる事になる」とお話されました。 |
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【水口東中学校の生徒より 】
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【滋賀県立水口東中学校の先生より】 モーターの話は少し難しかったようですが、ビデオや実際のロボットには大いに関心があったようです。講師の方のお話には私たち教師も考えさせられることがたくさんありました。 |
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【謙徳産業株式会社の方より】 大半の生徒が目を輝かせて聞いていて、中にはメモを取っている生徒もおり、話し甲斐がありました。 |