本文へジャンプ

「地域の力を学校へ」推進事業 平成22年度 学校支援の実践例

掲載日:2010年7月20日
連携授業のようす

テーマ

「ひびきあい活動」

学校・園名

大津市立和邇小学校4年生PTA

講師

株式会社 村田製作所

日付

平成22年6月30日

教科等

特別活動(学校行事)

授業

連携授業のようす

 4月に大津市立和邇小学校4年生のPTAの方から、「親子で楽しめる企画を考えています。『学校支援メニュー』の中の村田製作所さんに来ていただきたい。」とのご相談があり、連携が実現しました。
 今回は、自転車型ロボット(ムラタセイサク君)と一輪車型ロボット(セイコちゃん)の開発のお仕事(技術者、エンジニアといいます)をされている方に来ていただきました。

 村田製作所では、あらゆる電子部品を作っていますが、それらは製品の中に入っているため、私たちは直接見ることができません。開発している電子部品の役割や仕組みをわかりやすく紹介するために、今まで見たことのない自転車型ロボットを開発されたそうです。
1.止まっても倒れない、2.低速で上手に走れる、3.いろんな情報をあつかえる  というロボットが完成するまでにはたくさんのご苦労もありました。それらを、動画や実験などをまじえ、わかりやすくお話してくださいました。

 さて、まず問題です。手のひらの上で、“ほうき“や”傘“を倒れないように立てるには…?
 勿論、じっとしていては倒れます。それらが倒れないようにするには、(実際にやってみるとわかりますが)倒れそうになるときに、その方向に手を動かしてバランスをとる必要があります。
 セイサク君の得意技の止まっても倒れないという「不倒停止」は、これと同じ仕組みです。セイサク君にはジャイロセンサーという傾きや曲がりを感知する部品が使われていて、例えばセイサク君が左に倒れそうになった時は、胸の円盤のセンサーが左に回転することで倒れない仕組みになっています。
 他にも、通常・バック・平均台の走行など披露してくれたセイサク君ですが、平均台は(顔の部分に)ついているカメラで通るところを確かめながら走行します。他にも、マジックスティックというセンサー棒でセイサク君を操ってうなずかせたりする様子は、児童、保護者、先生たちからも歓声があがりました。

 今や、海外でも活躍のセイサク君ですが、開発中には多くの失敗があったそうです。しかし、原因を探り、次はこうしたら良いのでは?と繰り返し対策が練られました。たくさん失敗はされていますが、スタッフの皆さんは落胆することなく、「次は絶対成功する!」という強い思いで、失敗も楽しみに変えながら取り組まれたそうです。

 最後に、「何をするにも失敗はつきものですが、あきらめないことが大切です。あきらめず作ったセイサク君が人気者になってとてもうれしいです。そして、皆さんから1人でもエンジニアが誕生してくれたら、もっとうれしいです。」というメッセージがありました。

【授業最後の児童からの質問(一部抜粋)】

連携授業のようす

Q.セイサク君とセイコちゃんの関係は…?

A.いとこです。ちなみに、セイサク君は13人兄弟でセイコちゃんは6人姉妹です。

Q.セイサク君はどれくらいの期間で作ったのですか?

A.6ヶ月で作りました。

Q.セイサク君は売っていますか?

A.売り物ではありません。実は前に、アラブのお金持ちの人が「買うから、売ってほしい」と言われましたが、売りませんでした。 なぜなら、セイサク君は村田製作所の宝物だからです。

Q.お金はどれくらいかかりましたか?

A.セイサク君を作るのに、家1軒分くらいはかかっています。

Q.セイコちゃんは、なぜ一輪車にしたのですか?

A.今日のように小学校などに行ったときに、「一輪車のロボットを作ってほしい!」というリクエストが多かったからです。

など。

感想

生徒の感想 【大津市立和邇小学校の児童より 】

  • 「セイサク君」の背中の部品の数にびっくりしました。ロボットには、たくさん見たこともないような電池やセンサーがいっぱい使われている事を知りました。
  • どうやってロボットを作ったかをとてもわかりやすく教えてくれました。聞きやすく、楽しい授業でした。
  • 理科は楽しいなと改めて思いました。「セイサク君」の新しいわざを楽しみにしています。ありがとうございました。
  • 「セイコちゃん」のほっぺが赤くなったのがとてもかわいかったです。一緒に写真が撮れてよかったです。
  • 「セイサク君」と「セイコちゃん」がどうやって作られたのかわかってうれしかったです。自転車や一輪車に乗ったり、バランスがとれる事にびっくりしました。すごいなと思いました。
  • 今日の学習で、ロボットでも練習しないと自転車に乗る事ができないと言っていたので、ロボットも人間と同じところがあるんだなあと思いました。とても勉強になりました。話を聞いていたら、自分でロボットが作りたくなりました。
  • 普段は見ることができない物が見られて、とても貴重な体験でした。「セイサク君」と「セイコちゃん」の値段が高いことにびっくりしました。

学校・園の感想 【大津市立和邇小学校の先生より】

 第一線で開発に携わっておられる技術者のお話を聞けた事が大変よかったです。
 ロボットを作る能力のある人たちも何回も失敗をくり返したのちに成功したという話は、子どもたちにとって意義深い内容でした。ロボットを間近に見られたことも大変面白かったです。
 「滋賀県の企業もすごい」と誇りに思う気持ちを抱きました。

PTAの感想 【大津市立和邇小学校PTAの方より】

 子どもたちは、わかりやすく話してくださったので、集中して話を聞いていました。また、実演になると、子どもたちが目を輝かしてロボットを見つめている姿に、今回、こういう機会がもてて良かったと思いました。あきらめないでチャレンジする良さを実感する内容で、大変良かったです。
 滋賀県教育委員会には、いろいろな企画を提案していただいて、本当に助かりました。ありがとうございました。

講師の感想 【株式会社 村田製作所の方より】

 天気が良くて蒸し暑い中でしたが、全員しっかりと静かに話を聞いてくれて、楽しく授業を進めることができました。
PTAの方々にも多数参観していただき、興味を持っていただけた事も良かったと思います。また、会場設営・片付けにもお気遣いいただき 大変スムーズに運営が出来ました。
 ご協力いただいた先生方・PTAの皆様に感謝いたします。

−児童たちへメッセージ−

 普段の生活の中でも「あれっ?」「なんでだろ?」と感じることはありませんか?
もしあったら、是非、両親や先生に質問したり、自分で調べたり、試してみてください。「わからない」とか「失敗する」ことは決して恥ずかしいことではありませんよ。

平成22年度実践例の一覧ページへ
△ ページのトップへ