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「地域の力を学校へ」推進事業 平成22年度 学校支援の実践例

掲載日:2010年8月6日
連携授業のようす

テーマ

「親子川の生物観察会」

学校・園名

長浜市立びわ南小学校4年生

講師

滋賀の理科教材研究委員会

日付

平成22年7月10日

教科等

親子活動(総合)

授業

連携授業のようす

 長浜市立びわ南小学校から「親子活動として近くの川で水環境の学習をするので、『学校支援メニュー』の中の講師の方に来ていただきたいです。」とご相談がありました。そこで、水環境を考える学習の支援等を行っておられる講師の方をご紹介しました。

 今回の活動は次のような目的で計画されました。

  • 豊かな自然に恵まれている地域の河川にすむ生物観察を行いながら、自然の尊さを学び、環境保全への意識を高めるとともに親子のふれあいを図る。

 講師の方は、自然環境においてさまざまな活動を行っておられます。今回は地域の河川にすむ生物の観察会を行うことの目的や内容、水生生物を捕る際のポイントなどを教えてくださいました。

水生生物を捕る際のポイント
 魚たちは、橋の影や、石や水草の下、川の隅に隠れているので、それらの下をねらってすくったり、川の隅に網を置いて上流から足で追い立てると捕れる確率が高くなる。

環境が違う4地点で、水生生物を捕って調査
 子どもたちは、保護者と一緒に網を持って川に入り、学校の近くの河川で、4グループに分かれて水生生物を捕る。水環境を知るには、魚だけでなく、貝や水草なども一緒に捕り、水の温度や水の流れ方なども調査する。4地点は、上流・下流、橋の下など、水温や流れなどの水環境が違う地点。

学校に戻って、捕った水生生物の観察会

  • 捕れた水生生物
    アユ、ヨシノボリ、モロコ、ブルーギル(子)、ドンコ、ギンブナ、メダカ、ドジョウ、アメリカザリガニ、ヌマエビ、スジエビ、トノサマガエル、トビケラ、ヤゴ(トンボの子)
    【貝】カワニナ、シジミ、イシガイの仲間、【水草】オオカナダモ、ヤナギモ、セキショウモ  など。

 まず、アユとアメリカザリガニが大量に捕れたことにびっくりしました。ただ、アメリカザリガニやブルーギル、オオカナダモなどは、外来種といって外国から人の手によって持ち込まれた生物です。外来種は、元々日本にいた生物や生態系に悪影響を及ぼしていますので、特に外来魚はリリース(再放流)禁止がルールです。
 他にも、琵琶湖のエビは3種類、ドジョウは2種類しかいないことや、ゲンジボタルの幼虫はカワニナをえさとしていることなど、さまざまなことを講師の方が詳しくわかりやすく教えてくださいました。また、それぞれの班で捕れる水生生物の種類や数などに差があるのは、水温などその場所の環境が違うことを知りました。

 今回、調査した川は姉川の近くで、特に上流はきれいな水が流れているそうです。あまり魚捕りはしないという子も多かったのですが、子どもたちは身近にこんなに色々な生物がいることに、とてもびっくりしていました。
 親子で、水環境をしっかり学ぶよい機会でした。

感想

生徒の感想 【長浜市立びわ南小学校の児童より 】

連携授業のようす
  • 講師の方に、いろいろなことを教えてもらえて良かったです。
  • タナゴが二枚貝に卵を産む事や、ゲンジボタルはカワニナを食べていると初めて知りました。
  • タナゴだと思った魚がブルーギルだったのでびっくりしました。
  • 初めて鮎を網で捕れてよかったです。またやりたいです。
  • ドジョウやヨシノボリがたくさんとれて楽しかったです。こんなにたくさん生き物がいるとわかりました。また川に行きたいです。
  • 初めてアメリカザリガニや魚をいっぱい捕りました。こんなにいっぱい捕れるとは思いませんでした。とても楽しかったです。
  • アメリカザリガニが外来種と初めて知りました。外来種はリリース禁止です。
  • ヌマエビが捕れてよかったです。

学校・園の感想 【長浜市立びわ南小学校の先生より】

 担当が子どもたちと一緒に河川へ行っている間、講師の方が学校で水槽などの観察会の準備をしてくださいました。
 県の湖北農業農村振興事業所の方が来てお手伝いしてくださって、大変助かりました。サポーターとしての人数が必要だと感じました。

講師の感想 【滋賀の理科教材研究委員会の方より】

  • 今回の学習は、親子フォーラムの一環として、水の中の生き物を調べる学習でした。このような学習でいつも課題だと思う点は、事前調査です。長年、生き物調査を実施してきたので魚の捕獲できる場所は推定できましたが、今回、現地自然調査も車でまわって場所の決定を行いました。それぞれの学校でこのような学習をされていますが、記録として残っていないことが多いので、学校周辺の生き物調査一覧表の作成をされるとよいと思います。
  • 県の湖北農業農村振興事業所の方が調査道具一式を持参し、調査に全面協力いただいたので、能率良く学習が展開できました。感謝します。
  • 親子で100名を越える集団の指導は一人では限界があります。保護者及び子どもたちを班に分けて調査をしたのは成功でした。子どもたちも熱心で、保護者も協力的でよい取り組みが行えたと思っています。

児童たちへのメッセージ

 今回の学習に参加されたみなさん、身近な川にいろいろな水生生物がいることがわかったと思います。そして場所によって、生き物の種類も、数も違ってくるのです。
 今度は、自分たちだけで、生き物調査を場所をかえて行ってみてください。そして「びわ南小学校のまわりのいきもの地図」を作ってみてください。

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