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「地域の力を学校へ」推進事業 平成22年度 学校支援の実践例

掲載日:2010年12月1日
連携授業のようす

テーマ

「せせらぎ わくわくワーク
  働くということについて考える」

学校・園名

甲良町立甲良東小学校6年生

講師

滋賀県立陶芸の森/
世界にひとつの宝物づくり実行委員会

日付

平成22年11月18日

教科等

総合的な学習の時間

授業

連携授業のようす

 授業は、「働くってどういうことだろう?」というお話から始まりました。「働くとは、人に喜んでもらうこと。」という児童の答えもありました。講師の方は、「他にも、働くとは『お金を得る』『自分がそれをやっていて楽しい』などもありますね。そして、働いてからも人間関係や社会の関わりなど勉強することがたくさんあります。大変なこともありますが、それは自分を成長させてくれることですし、何かにチャレンジをして乗りこえると、人に喜んでもらうこともあり、やりがいも生まれます。」とお話をされました。

 講師の方は、小さい頃から絵を書くなどの美術が好きで、中学、高校と進むにつれてその思いが強くなり、大学で焼き物(陶芸)を学ばれました。その中で、自分が人見知りだということもあり、コミュニケーションは会話だけでなく、音楽や身ぶり手ぶりなどもその一つで、「作品を作ることは自分を表現することが出来て、他人と会話が出来る」と感じたそうです。
 そして、日本だけではなく他の国も見てみたいと思い、青年海外協力隊に参加され、陶磁器隊員として2年間海外で活動されました。その後、県立陶芸の森で、陶芸の指導員、また、国内外の陶芸家との交流や海外での土器収集、調査などを経験されました。「仕事は、自分の勉強になることばかりで、いろんな人と出会ったりできて良い経験になりました。」とおっしゃっていました。
 しかし、忙しくなってきたこと、また、長く勤めると責任も重くなるポジションになることから、陶芸家としての作品作りが出来なくなり、「このままでいいのかな?」と思うようになったそうです。そして、「作品を作りたい!」という思いが強くなり、退職されました。今は陶芸のコーディネータとして、子どもたちに焼き物を教えたりしておられ、海外での経験も生きているとのことでした。

 ところで、講師の方は「日本の文化に根ざした何かを作りたい。」ということが心にあり、作品にも表しておられます。
 例えば、全体は日本の国旗、真ん中の丸は日本独特の文化である回転寿司に見立て、上には様々な欲望を乗せて回転させた作品の説明をしてくださいました。他の作品も、強い思いを込めて作っておられます。

 講師の方は、「美術作品は、自分で良い物だと思わないと、価値がないものにもなってしまうので、自分の作品に自信を持つことは大切です。そして、人に見てもらうことで人と関わることになることも作品を作り続けていく秘訣です。いろいろな作品を作る中で、大変なことがありますが、出来ることをコツコツやれば道は開けていきます。人は人とのつながりがないと生きていけません。嫌なことがあってもそればかりとらわれないで、いいことに目を向けてください。」とおっしゃっていました。

感想

生徒の感想 【甲良町立甲良東小学校の児童より 】

  • 焼き物(陶芸)は、世界各国にあることにびっくりしました。信楽焼は世界でも有名なことを知りました。
  • 講師の方は、あちこちと飛び回っておられること、また、いろいろな作品を見せてもらって、「すごい!」と思いました。
  • 陶芸は一度やったことがあって楽しかったけど、結構大変そうだと思いました。講師の方の作品は、一部一部がとても丁寧に作られているので、大変だったんだなあと思いました。
  • いろいろな話をパソコンで説明してくださり、細かいところまで、いろいろと教えてもらったので、とてもよく分かりました。
  • 陶芸はすごく芸術があふれていて、「すごいな」と思っています。楽しかったです。
  • 仕事熱心で、アドバイスがよく分かりました。少し内容は難しかったけど、僕らのために話に来てくれてうれしかったです。いろいろな経験を語ってくださって、何が必要かが分かりました。
  • 絵が好きということで、陶芸家になれるんだなあと思いました。表現の仕方が少し変わっているなあと思いました。
  • 自分が好きなことを大人になっても続けていらっしゃったので、すごいと思いました。コツコツすることも大切だなあと思いました。メッセージも伝えてくださり、大人になってから、とてもためになるなあと参考になりました。
  • たくさんの人とつながりを持ったり、いろいろな国へ行き、そこで何かを教えたりすることは、とても大切だと思いました。作品を見せて「すごいね。」と言ってもらったら、嬉しいです。

学校・園の感想 【甲良町立甲良東小学校の先生より】

  話の中に、実物があったり、少し体験もできるように事前に打ち合わせを十分した方が良かったなあと思いますが、写真をたくさん見せていただき、子どもの関心も高まっていました。青年海外協力隊での話もたくさん聞かせていただいても良かったなあと思います。子どもたちも大事な事はしっかりメモをしていました。

講師の感想 【 滋賀県立陶芸の森/世界にひとつの宝物づくり実行委員会の方より】

 実際の作陶体験に多く関わってきましたが、今回のような講話もとても良い交流の機会だと思いました。児童の思いを知り、また、自分の思いを伝えることができました。貴重な時間となりました。

児童たちへのメッセージ

 皆さんと交流の時間が持てて嬉しく思いました。自分の将来に夢を抱き、前向きな目標を持っている方々が多いことにも、たのもしさを感じました。希望を持って、心を開いてすこしずつで良いので、自分のできることに誠実に向き合い、やっていくことで道は開けていくと思います。

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