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「地域の力を学校へ」推進事業 平成22年度 学校支援の実践例

掲載日:2010年12月9日
連携授業のようす

テーマ

「琵琶湖の環境を知ろう」

学校・園名

大津市立下阪本小学校4年生

講師

滋賀県琵琶湖環境部琵琶湖再生課

日付

平成22年11月25日

教科等

国語・総合的な学習の時間

授業

連携授業のようす

 「ウミガメのはまを守る」を学習された下阪本小学校では、身近にある琵琶湖での生き物の環境の変化や問題点などにも目をむけたいという事で、講師の依頼をいただき、滋賀県琵琶湖環境部琵琶湖再生課との連携が実現しました。

 滋賀県のあらまし、琵琶湖の大きさや深さなどのデータ、歴史についてお話いただいた後、「琵琶湖の特産品を食べた事はありますか?」と講師の方が尋ねられました。児童から、「エビ豆を食べた事がある。」「僕はふなずしを食べた事があるよ。」という声があがりました。
  「みんな、食べた事があるのですね。でも、こういった特産品は、だんだん食べられなくなってきているのですよ。なぜなら、琵琶湖の貝や魚が減ってきているからです。」「みんなはウミガメの事を勉強したと思うけれど、琵琶湖も魚が住みにくくなってきているのです。」と講師の方がおっしゃいました。

 ここで、琵琶湖に住む外来魚のお話です。「こういった魚は、誰かが琵琶湖に放したのです。外来魚が増えた事は、琵琶湖にすむ魚が減った原因のひとつです。外来魚が琵琶湖にすむ魚を食べたりするからです。」と講師の方がおっしゃいました。

 では、滋賀県では、何か努力をしているのでしょうか?「外来魚をつかまえたりします。それから、琵琶湖ルールと言って、釣った魚を琵琶湖に戻さないようにしています。回収ボックスや回収いけすを用意したり、びわこルールキッズという釣り大会をしたりしています。是非、釣りが好きな人は参加してください。」とおっしゃいました。

 次に、琵琶湖の水位操作のお話でした。「瀬田川洗堰(あらいぜき)は知っていますか?ここで、琵琶湖の水を出したり、ためたりして水の高さを調整しています。これで、災害などは防げるのですが、逆に岸辺の水が乾いて、鯉やフナの卵が乾いて死んでしまいます。また、洪水を防ぐために作った湖岸堤(堤防)も、田んぼに入って卵を産む鯉やなまずが入れなくなりました。これも、琵琶湖の魚が減った原因のひとつです。」

 また、「昔、食料が少ない時に、米の生産を増やす為に内湖を干拓して田んぼにして、自然の湖岸が減った事や、田んぼを四角く整備して、魚が入ってこられなくなった事も問題です。」と、講師の方がおっしゃいました。そこで、滋賀県では「魚のゆりかご水田プロジェクト」という、田んぼの排水路を階段のようにして、上がってくる仕組みをつくる取り組みをしているそうです。

 最後に講師の方は、「このように、ウミガメや、魚が暮らしにくい環境になったという事は、自然や産業や、いろいろな事が関係しています。みなさんも、いろんな面から勉強してみてください。そうして、どうしたら暮らしやすい環境が作れるか考えてみてください。」とおっしゃいました。

感想

生徒の感想 【大津市立下阪本小学校の児童より 】

  • 琵琶湖のことがよくわかりました。
  • 琵琶湖の面積や、外来魚がふえていることがわかりました。
  • いろんな琵琶湖のかんきょうや滋賀県のかんきょうのことがよくわかりました。
  • 今まで知らなかった琵琶湖のことをよく教えてもらいました。
  • 魚のゆりかご水田プロジェクトで、魚がジャンプするところがよかったです。
  • 琵琶湖の魚がへって、外来魚が多くなって、水草が増えてきていることがわかりました。
  • 自分が住んでいる場所の近くに日本一大きい湖「琵琶湖」があるなんて、すごいと思いました。
  • 外来魚を回収ボックスに入れるなんて、はじめて知りました。 
  • 琵琶湖は大切だなと思いました。 
  • 琵琶湖のことがよくわかって、今私たちがなにをすれば良いかがわかりました。
  • 琵琶湖は動いているとはじめて知りました。

学校・園の感想 【大津市立下阪本小学校の先生より】

 児童は、琵琶湖が今、どうなっているのかがよくわかったようです。特に、「琵琶湖が動いていて形がかわってきたこと」「外来魚のこと」に興味があったようです。これから、児童が自分で琵琶湖のことをパンフレットにまとめる授業があるのですが、そのことにも意欲をもったようです。

講師の感想 【滋賀県琵琶湖環境部琵琶湖再生課の方より】

 準備の時間があまりなかったのですが、テーマが絞り込めたことで対応ができました。児童が真剣に聞き入ってくれたことに感謝します。

児童たちへのメッセージ

 これからの琵琶湖がどうなるのか、皆さんの行動次第だと思います。琵琶湖のことをもっと知って、琵琶湖のことをもっと好きになってください。

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