県立図書館の中心的な役割は、市町村立図書館の援助、市町村立図書館を通じての県民へのサービスであるが、直接来館する県民へのサービスも重要である。
ここでは、市町村立図書館への援助のみについて述べる。
A:貸出しとレファレンス
県民からよせられた資料や情報の要求は、まず市町村立図書館でうけとめられ、そこでは提供できないものが、県立図書館に転送され、県立図書館の資料
によって提供または処理される。この働きは県立図書館の役割のなかでも最も重要で、これによってはじめて県立図書館は全県民にサービスしていると言える。市町村立図書館の増加によって、今後この働きの重さは増加するが、サービス水準が低下するようなことがあってはならない。
B:書誌・索引の作成と提供
滋賀県に関する資料の書誌・索引をつくって、県内の図書館や関係機関に配布するのは県立図書館のつとめである。現在、新聞記事索引がつくられているが、郷土資料総合目録、雑誌記事索引(滋賀県関係、家庭むき実用記事など)をつくる必要がある。
C:資料の保存
県内の市町村立図書館は、ほとんど利用されなくなった図書を保存する書庫 スペースは持っていない。しかし、除籍には抵抗やためらいがあり、これらの図書もどこかで一部は保存する必要がある。これらの図書を、県立図書館にうつし、必要なときに全公立図書館が共同に使うことができれば、全県的に効率の高い資料保存体制ができるであろう。
県立図書館の書庫はすでに飽和状態にちかく、早急な書庫の増設がのぞまれる。
D:市町村立図書館の目録作成への援助
コンピューターを導入した図書館では、目録用磁気テープの購入を図書購入とセットにしている館があり、入荷のおくれによる利用への影響がでている。
県立図書館の書誌データをつかい、市町村立図書館それぞれの目録を早く確実に作成する体制をつくるべきである。
E:職員の研修
県内公立図書館職員のため、県立図書館は図書館講座などをひらき、専門的資質の向上につとめる。
F:県立図書館職員の市町村への出向
市町村は、必要な専門職員を採用すべきであるが、やむをえない場合には、県立図書館の職員が市町村へ出向する道もひらいておく。