滋賀県社会教育委員会議報告書

成人教育の充実活性化方策について

〜21世紀社会に生きる大人の社会参加促進のための学びとは〜


(平成15年12月)
はじめに
「成人教育の充実活性化方策」について
〜21世紀社会に生きる大人の社会参加促進のための学びとは〜
 急変する今日の社会にあって、青少年の問題行動の深刻化が大きく取り上げられており、その背景の一つとして近年の家庭や地域の教育力の低下が指摘されている。家庭教育や青少年教育、地域の教育力の充実が社会教育行政上の重要課題となり、滋賀県社会教育委員会議においても平成6年度以降、これらにかかる社会教育の在り方について、様々な提言を行ってきたところである。

 滋賀県においては、これらの提言などを受けて、平成14年度より「しが子どもの世紀3カ年プロジェクト推進事業」を施策化し、社会全体で子どもを育む体制づくりが進められている。

 これは、平成14年度からの完全学校週5日制の実施を契機に、「子どもの体験活動の機会と場の拡大」と「家庭教育の再生」を図り、子どもを中心に据えたコミュニティづくりをめざす取組である。

 地域での子どもたちの体験活動や家庭教育を充実するためには、体制の整備とともに、地域の大人たちがそれらの活動に参加することが重要であり、自主的、積極的に社会参加ができる風土をつくる必要がある。

 また、環境問題や少子高齢化、福祉、国際化等の現代的課題と言われるものも、深刻さを増しており、その課題の克服には、行政だけでなく、行政と住民、NPO、市民活動団体などが対等の立場で新たなパートナーシップを構築し、連携しながらあたることが求められており、そのような動きも活発化してきている。

 これまでの行政は、住民に対して、個人的要求課題や現代的課題について様々な学習機会の提供等を行ってきたが、今後は、地域の大人たちが、主体的に社会貢献・社会参加するとともに、このような活動を自らもコーディネートできる力を付けていくための学習の機会や場、情報の提供等を行うことが重要である。

 そこで、滋賀県社会教育委員会議では、今期のテーマを「成人教育の充実活性化方策」とし、中でも「21世紀社会に生きる大人の社会参加促進のための学びとは」について審議することにした。

 当会議では、学びの成果を生かす社会参加と、それを促進する環境づくりなどについて議論する「社会参加部会」と、子育てをめぐって学習を深めながら社会参加を進めることについて議論する「子育て支援部会」の二つの部会に分かれて検討を行い、それらの成果をもとに全体会で審議し、今後のあるべき方向や提案をまとめて行った。

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