滋賀県社会教育委員会議報告書

成人教育の充実活性化方策について

〜21世紀社会に生きる大人の社会参加促進のための学びとは〜


(平成15年12月)
いま、求められる社会参加
地域の絆を強める
 今日、身近な地域で、住民同士、とりわけ大人と子どもが出会い、交わり、一緒に何かをするというかつては当たり前であった風景が、日常的にあるだろうか。大人たちは、住民相互のつながりを深め、地域の中で子どもを育てることの大切さを忘れがちになっている。

 地域の教育力の低下の背景には、このような大人の意識や行動の変化があるのではないか。地域の大人と子どもが直接交わり、ともに活動をする中で、子どもたちは、他人との関わり方の基礎を身につけたり、地域社会の一員としての自覚を高め、実践を積み重ねながら、積極的に社会にかかわる人間として成長していくものである。

 そこで、地域の絆を強める取組、中でも、子どもと大人が織りなす人間関係づくりを進めることが、いま、求められている。

2 職場の人から地域の人へ
 これまで日本人の多くは、職場外の社会における自分自身の存在について考えることがないまま定年を迎えることが多かった。しかしながら、会社・職場という組織を離れて自分自身と向き合い、社会における「一市民」としての自己の存在や役割を認識することは、流動的で先行き不透明な時代を自立して生きるうえで必要なことである。

 そのためには、日頃から、仕事以外の様々な分野にも関心を持ち、仕事とは別の人間関係をつくったり、地域で活動したりすることが大切になってくる 。

 また、今後、定年を迎える世代の急増により、いわゆる「元気老人」の存在がクローズアップされてきているが、その多くの人達は、定年後に何をすればよいかわからない。また、どこへ行けば学びたいことなどの情報が得られるかわからないという。

 このような中、地域社会への関心を高めたり、仕事以外の生き方について考えるための地域や企業内でのセカンドライフセミナー等の学習機会の提供、情報交換や交流の場づくりが求められている。

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