1 事業の背景と目的
滋賀県内における最近の中高年者・高齢者の生活ニーズ調査によると、高齢者の80%を占める元気な高齢者は、自分たちの特技・技術・経験を生かせるような社会活動をしたいと考えることが明らかになった。本県では、こうした高齢者のニーズを社会参加意欲の高まりとしてとらえ、その生きがいと健康づくりを推進するため、多様な価値観を持つ元気な中高年者・高齢者を対象にした新たな社会参加支援の仕組みを、インターネットを活用して構築したいと考えている。
本事業は、この新たな仕組み「(仮称)新高齢市民ITネット」構築に向けての機運の醸成とキーパーソンとなる人材の育成及び内容の具体化に取り組んだものである。
2 事業の内容
(1)「(仮称)新高齢市民ITネット」検討会の開催 構築しようとしているシニアネットの内容、利用促進のための方策及びシニアネットを運用する人材の育成について、ユーザー、事業企画側、それぞれの立場の有識者からなる検討会を設け、意見交換を行った。
(2)ITネット運用ボランティア養成講座の開催 シニアネットの運用リーダーとなるボランティアの養成講座を、県内2か所において開催した。講座の内容は、ホームページ作成ソフトを用いたホームページの作成である。
(3)びわこシニアネット(準備編) 運用ボランティア養成講座修了者を活動グループとして組織化し、すべてのシニア県民にむけてシニアネットへの参加を呼びかけるためのホームページとして、「びわこシニアネット(準備編)ホームページ」の制作を開始した。
3 シニアネットのコンテンツ
(1)基本となる考え方 県と財団が、市町村や関係団体の協力と参加を得て運営し、運用ボランティアを活動リーダーとする 「シニア県民の交流の場・仲間づくりの場 」。
- シニアが主体的に参加してつくりあげるホームページであるという見せ方
- 人が人を呼び込むようなネットワーク型の情報展開
- すべての県民が親しみを感じる名称
- 行政とシニア県民とのコラボレーションによる事業展開
(2)具体的なコンテンツのイメージ
■シニアの社会参加活動に関わる部分
《生活の中での楽しみにつながること》
「今日は何をしようかな」と考えながら開くと、興味を引くニュースや話題が載っている。「こんなことがあったのか」「おもしろそうだな、行ってみよう」と思わせる情報、一般化されていない情報であることがポイント。シニアの目線で、情報ニーズを的確にキャッチした情報の掲載に努める。
- 既存の書籍や一般的なホームページ、カタログでは得られないような「人」が知っている身近な情報、一般化されていない情報
(例)どこそこで蛍が飛び始めたよ
- 高齢者だからこそ公に受けられる特典の情報
- 何歳になってもおしゃれゴコロをもっていられるような働きかけ など
《定年後のライフスタイル》
定年前にはたいていの人が「自分の好きなことをしよう」と夢をもっている。しかし、実際に職場から解放されると何から始めたらよいのかわからなくなる。その上、家は妻の領域である。こんなふうに、定年後の生活についての、定年後の実際の生活とのギャップについては、みんな多かれ少なかれ同じような悩みを抱えているのではないか。ここでは悩める同賢諸氏に押し付けがましくないアドバイスを掲載する。
- 退職前に気づきを与えられるような内容
- 高企業内でのライフプラン研修では出せない味
《社会参加や仲間づくり、生涯学習》
「こんな活動がしたい」と思ったときに、どこに行ったらそれに参加できるのか..シニア世代が、今までやりたいなと思っていたことを始めようとしたときに、第1歩が踏み出せるように応援する具体的な情報を掲載
- 仲間づくりのためのサークル情報の公開(既存のデータベースの活用)
- サークル同士の情報交換の場
- サークルやグループ活動情報の積極的な収集と、データベースとしての蓄積
- 利用者から質問や相談を受け付け、それに対する回答も利用者から出してもらうという利用者全体のしくみ
- 広報に掲載されないような地域情報
《シニアボランティア・マッチング》
地域での支え合い活動を始めとするコミュニティワークと、シニア層のボランティア│意欲と結びつける仕組みをインターネット上で実現する。
- 福祉ボランティアだけでなく、学習ボランティアや環境ボランティアなど幅広く取り上げ、活動内容を限定しない。
- 「ボランティアしてほしい」という情報があがってくる仕組みづくりが重要であり、市町村や、在宅介護支援センター、ボランティアセンター、公民館との連携が必要
《滋賀県人》
きらっと光る「人」や「グループ」情報をレポーターから仕入れて掲載。単位老人クラブ│の活動も含めて、ひろく考える。
《レイカディア大学》
レイカディア大学の学生、卒業生の交流の場を設け、シニアリーダーとしての活動が│広がるような情報交換が行えるように働きかける。また、大学の講義や活動の紹介など、県民シニア層に対して積極的な情報提供に努める。
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