滋賀県社会教育委員会議報告書

成人教育の充実活性化方策について

〜21世紀社会に生きる大人の社会参加促進のための学びとは〜


(平成15年12月)
参考事例 2            (「2 社会参加と学び」関係)
〇教えることは最高の学習
講師になることは、自らの知識を社会に役立てるという形の社会参加でもあります。
市民教授による「ながはま楽習熟」
 長浜市は、昭和58年に長浜城が市民からの寄付のもとに復興されたのを契機に市民全体のまちづくりが盛んになり、新しいボランティア活動が芽生え、全国から注目されるまちとなっている。

 平成14年3月に策定した基本方針の改訂版のなかで、生涯学習社会づくりを推進するための実践項目の一つとして「自ら学びを生かす」を挙げている。特に、指導者の育成・活用面では、習得した知識や技術を地域に還元す生涯学習ボランティアの育成とネットワークづくりをしていく必要があるとしている。そのことの具体策として、平成8年度から市民教授によって開設された「ながはま楽習塾」の充実が明記されている。

1.趣旨
「ながはま楽習塾」はボランティアの講師『市民教授』が講座を企画 ・プロデュースし、受講者(塾生)を交えて運営することを基本として開設する。このことにより、広く市民に、自主的な学習、交流の機会と場を積極的に提供するとともに、生涯ボランティアの育成 ・支援と本市における社会教育の一層の推進を目指すもの。 
2.主催
長浜市生涯学習推進協議会
3.講座の開設
1)提出書類
市民教授の応募者は、講座企画書を作成し、市教育委員会生涯学習課まで提出する。
2)講座の周知
市民教授から提出された講座企画書をもとに、事業の実施主体である長浜市生涯学習推進本部および長浜市生涯学習推進協議会が募集要項を作成し市民に周知する。
3)解説場所
市内の各公民館、市民交流センター、市民会館、サンパレス、市立図書館等
4)回数と時間
回数は3回以上で10回程度までとする。1回の学習時間は、1時間30分程度とする。
5)ゲスト講師
市民教授は、自らの責任と負担においてゲストを招くことができる。
6)運営
市民教授と塾生による自主運営とする。
各講座では、塾生の中から講座の自主運営を助けるためのスタッフを選ぶことができる。
7)開設の決定
受講申込者が定員に達しない場合は講座を開設しない場合もある。
ただし、開設するか、しないかは市民教授の意見を尊重し決定する。
8)資料代等
講座によっては、資料、材料代等を受講者から徴収する。
9)実施報告
講座終了後10日以内に実施報告書および塾生出席簿を市教育委員会生涯学習課まで提出する。
10)報酬
市民教授はボランティアで無報酬とする。
4.アンケート結果等
[ 市民教授 ]
◇良かった点

受講生の意欲が感じられたこと。
受講生が回を重ねるごとに増加していったこと。
受講生同士の交流の輪が広がったこと。

◇問題点
出席率の悪い方への対応をどうしたらよいか。
[ 受講生 ]
◇良かった点

内容が難しかったが、やりがいがあったこと。
市民教授に懇切丁寧な指導をしていただいたこと。
受講生同士がまとまっていて、友人もできたこと。
気軽に受講できたのしめたこと

◇悪かった点

講座の回数がもう少し多ければ良かった。
講座でビデオ、写真等を使用していただければ良かった。
講座開始時間を考えてほしい。

◆今後の課題

講座を開講する施設の問題(教室の広さ、設備、駐車場等)
新規の市民教授をいかに開拓するか。講座内容の充実。
30歳から40歳代の受講生をいかに増やす。

※チラシから

あなたの学びを活かしませんか!
 仕事や家事以外の時間に、「活動したり学んだりしてみたい」、また「わたしの持っている特技や能力、技能、経験が活かせたらいいなあ」と思っておられるみなさんの願いにこたえるために、今年度も『ながはま楽習塾』を開きます。この塾は、市民教授を中心に自主企画で運営願い、魅力ある学びと出会い・ふれあいの場をつくることをめざしています。“学習の成果を活かしたい”、“日常生活の中で培った知識や技術をまわりの人にボランティアとして役立たせたいな”と思っておられるあなた!ぜひ応募してください。なにもむずかしく考えていただく必要はありません。地域で・家庭で・学校で・職場で学んだことを、何気なくお隣りに、またお向かいに“おすそ分け”してください。
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