平成10年3月 滋賀県社会教育委員会議報告書

夢のある家庭・地域社会をどう創りだしていくか

〜家庭の教育機能を高める支援方策について〜

はじめに
 子どもの人間形成にとって家庭は重要な役割を担っており、その家庭は子どもが学習する最初の場でもあり、生涯学習の原点として位置づけられます。そして、その中でも、子どもの健やかな成長を図るうえで親の役割は非常に大きく、基本的生活習慣等の育成や豊かな情操、そしてルールやマナーの指導など、社会の多様な変化に対応できるよう、子どもの発達段階に応じて、「生きる力」を育てる役割を担っています。

 しかしながら、今日の家庭は、少子化の進行や生活様式の変化、価値観の多様化、更には核家族化などにより、家庭の伝承機能や家族間の相互扶助機能など、家庭の教育機能が弱体化し、このため、子どもにとって、兄弟・姉妹、祖父母との交わりや、最も重要な親子のふれあいまでもが不十分な状況となり、尊敬や思いやりの心、助け合う心等が培われにくくなってきてます。

 また、近年、このことがいじめや登校拒否、青少年の問題行動等の発生のひとつの要因となっているようにも指摘されています。

 先の国の第15期中央教育審議会の第一次答申の中にも、「子どもの教育や人格形成に対し最終的に責任を負うのは家庭である。その責任を自覚し家庭が本来、果たすべき役割を見つめなおしていく必要があることを訴えたい」と述べられており、さらに、現在、第16期中央教育審議会においては「幼児期からの心の教育」について審議が進められているなど、当然であるはずの家庭の姿を強調しなければならないところに、今日家庭を取り巻く問題の根深さが伺えます。

 このような中で、当会議では、審議の方向を「家庭教育」の分野の焦点をあてて、2年間審議を重ねてきました。

 このたび、その経過をまとめましたのでここに報告いたします。

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