平成12年3月 滋賀県社会教育委員会議報告書

新しい時代に対応する青少年教育のあり方について

〜社会全体で子どもを育てる環境づくりのために〜

青少年教育の課題
1 今、青少年が求めているもの
 最近の急激な社会変化、学歴信仰、ゆとりのない学校教育、少子化、核家族化、生活様式の変化、人間関係の稀薄化、体験不足などから、青少年のストレスには計り知れないものがあります。

 このような中で、今の青少年は自己の存在感を示す場所が少なく、あるいは与えられる場が少ないために、自己実現のできる学校外での社会体験やボランティア体験活動などを望んでいます。

 一方、今日の青少年は、ストレスの発散の仕方をはき違え、間違った方向で自己表現をしたり問題行動を起こしたりもしています。青少年に健全なストレスの発散ができるよう多様な体験活動の場の提供や、青少年がいつでも気軽に集える公共施設の充実が望まれるところです。

2 21世紀の青少年に求められるもの
 私たちは、21世紀にどのような青少年像を求めていけばよいのでしょうか。青少年は、21世紀の担い手として限りない可能性をひめた存在であり、様々な分野で活躍していくことが期待されています。

 激変する社会を生きる青少年が21世紀の担い手となり、また社会の主体者となるためには先ず、自主性、自律性(自律心)、主体性をもった自立した青少年が期待されます。そのためには、自己の存在感を示すことを求めるためにも、自己表現、コミュニケーションが積極的にできることや、独創性、創造性を兼ね備えることが大切であります。

 とりわけ21世紀は予想もつかない事態が次々に生じ、今までの経験だけでは対応できない事態がたくさんあると予想されます。そのような中で、様々な問題に対処するためにも現代的課題について正しく認識し、理解し、その課題を解決していける力を持った、また、問題発見能力を備えた青少年を期待するものであります。

 すなわち、ある部分だけに優れた人間ではなく、総合的な力を兼ね備え、「人はどのように生きるのか」を常に自問自答しながら生きていける豊かな人間性を持った青少年が期待されます。

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