滋賀県社会教育委員会議報告書

成人教育の充実活性化方策について

〜21世紀社会に生きる大人の社会参加促進のための学びとは〜


(平成15年12月)
参考事例3 (「3 学びと社会参加を促進するための環境づくり」関係)
〇 永源寺町立図書館ネットワークの概要

1 図書館の目標について 〜図書館は何をするところか〜

 今私たちの生活を見ると、テレビ、ビデオ、ファミコンなど映像メデイアが活字文化を飲み込むような勢いで著しい普及をみせています。

 また、科学技術の発達は著しく、生活を便利にし、人々の生活を潤した反面、ダイオキシン間題が象徴するように地球環境を悪化させる結果を招いています。また、生活のあらゆる面においてスピード化を促しています。目まぐるしく変化する世の中で、大人だけでなく、子ども、特に青少年においては、心のやすらぎや明日を生きる力を必要としています。そんななかで、環境問題や経済問題などは、地球をひとつのものとして考え解決して行かなければならない状況が生まれて来ています。人と自然の望ましい在り方の追求や、効率の名のもとでの消費的な生活の見直しもようやく始まろうとしています。知恵に依拠して募らして来た人間のありようについて掘り下げることが求められています。

 「人間は考える葦である」というパスカルの言葉に示されているように、人間がもっとも人間らしいのは、想像(創造)することができることです。時代を描き、人間同士の豊かな関係を考えたとき、活字文化がもたらしたものは、限りなく大きいものがあります。活字文化と知恵の殿堂として図書館は欠かせない存在といえます。

図書館は、生涯にわたる町民の学習を保証する、町の情報センターです。

図書館は、本や人との出会いの広場、人と人との出会いの広場です。

図書館は、いつでも、だれでも、どこに住んでいても、どんな資料でも利用できます。

 これらの機能を生かしつつ、暮らしに役立つ図書館をつくることが、いま求められています。

2 具体的な活動を通して構築されたネットワーク

 上記の目標をもって歩んできた当町図書館は、豊かな心、優しい気持ちを養うために運営しています。今こそ、心でものをつくる、心で人に接する、心で人を迎え、もてなし、「また、きてください」と言い合える社会(町)こそが、求められていると思います。

 特に、子どもたちが「生きる力」を培うためには、家庭や地域での親子のふれあい、友だちとの遊び、地域の人々との交流など、年齢に応じた生活体験会、社会体験会、自然体験会をすることが重要です。これらの活動を通じて、感動したり、驚いたりしながら子どもたちは様々なことを学び、考えを深めることにより、自己と他者を思いやる気持ち、未来や社会に希望を抱く「生きる力」を育んでくれると期待します。

 そのために当町は、子どもの成育に関わる様々な機関や団体、学校からなる教育支援組織の構築を模索しました。学校教育に加え、図書館活動、各種団体や地域社会の働きを有機的に組み合わせ、家庭教育を支援する仕組みを目指したのです。子どもが生きいきと育まれる家庭、地域社会づくりは、すべての人々が幸せに暮らせる「まちづくり」になると考えます。

 現在、図書館を拠点として、子育て支援体制が広がりつつあります。(ネットワーク参照)図書館は、子育てについての情報収集の場であり、親子のふれあいの場であり、子育てに悩む親たちの交流の場であります。子どもからお年よりまで、ほっこりとした居場所として、グループ、個人の発表の場として、そして、“ほんもの”にふれあい、出合う場として、住民が主体的、自主的に集える生涯学習の機関となるよう努めています。

永源寺町立図書館のネットワーク

人が集まる図書館に「ほっこり居場所」学びのネット ひろがる!

こちらのネットワーク図は、クリックすると拡大表示されます。

| 戻る | 次へ |