平成3年11月 滋賀県社会教育委員会議報告書

生涯学習社会における指導者養成の在り方について(建議)
1 はじめに
 生涯学習社会の創造をめざして、滋賀県では、平成2年3月策定された「楽しみふれあう滋賀の生涯学習推進プラン」をもとに、諸施策が展開され、一方、県下各市町村においても、推進会議や推進本部の設置により、基本構想の策定や推進体制の整備が進みつつある。

 今後は、いよいよそのことを実践に移していこうとする段階にあって、施設の整備やそのネットワーク化などとともに大きな課題であるのが、指導者の確保とその養成の在り方である。特に、「学校教育中心の教育体系」から、「生涯学習体系」への移行を図る上で、指導者の果たす役割はますます大きくなる。

 その背景として、所得水準の向上、自由時間の増大、長寿社会の到来、科学技術の進歩や国際化・情報化の進展などに見られる著しい社会の変化に伴い、さらに、環境、人権、青少年、高齢化といった社会問題に対して、人々の学習ニーズが増大するとともに、多様化、高齢化してきていることがある。

 加えて、生涯学習は、「各人が自発的意思に基づいて行うことを基本とするものであり、必要に応じ、自己に適した手段・方法は、これを自ら選んで生涯を通じて行うもの」(昭和56年 中央教育審議会答申)であり、「地方公共団体に期待される役割は、人々の学習が円滑に行われるよう生涯学習の基盤を整備して、人々の生涯学習を支援していくこと」(平成2年 中央教育審議会答申)であると指摘されている。

 これらのことから、生涯学習社会の創造には、「多数の、多様な、専門化された指導者」が必要であって、しかも「人々の学習活動を側面から支援できる」指導者が望まれているといえよう。

 そこで、生涯学習社会の創造に大きな役割を果たす指導者の確保養成の在り方を明らかにすることが重要であると考え、社会教育にかかわる分野に限定して標記のテーマを設定した。

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