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2.家庭教育振興の方向

 以上述べてきたように、人間形成において家庭教育の重要性が多くの人々によって論 じられながら、現代社会におけるいろいろな局面(社会的要因、家庭的要因)による影響から家庭教育はゆがめられている。

 家庭は、人間の社会生活の基盤であり「いこいの場」「愛と信頼の場」であると同時に「人づくりの場でもある。家庭における教育機能の重視こそ今日特に求めらるべきものである。

 こうした意味から、今まで以上に家庭生活を見直し、家庭における大人のあり方を考え「個性ある家庭づくり」への実践が必要である。しかし一方において、家庭教育にかかわりのある諸問題は単に子どもをもつ親の責任のみでなく、家庭と家庭を結ぶ「となり意識」に支えられた地域ぐるみの活動の中から、子ども自身が生きがいとたくましさを身につけるよう援助することも家庭教育振興の上で重要な一つの方向であり、こうした地域の連帯感に支えられた教育的社会こそ渇望される社会である。

 こうした立場から、家庭教育振興の方向として次のような提言をしたい。

  1. 家庭教育に関する成人の教育的教養を高める。
  2. 生涯の各時期に応ずる適正な学習機会の提供と学習内容の明確化。
  3. 行政関係機関、各種団体との連携強化。
  4. 親と子の対話の促進。
  5. 家庭の教育機能を補完するための地域の機能の強化。

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