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昭和61年12月 滋賀県社会教育委員会議報告書

生涯学習社会における社会教育の果たすべき役割について

(建議)

1.はじめに

 近年の急速な科学技術の進歩や情報化、国際化、高齢化の進展など時代は大きく変化しているなかで、21世紀に向かって力強く歩みを進めていくためには、社会に柔軟に対応し新しい時代を切り拓くたくましい人を育むことがもとめられている。

 また、人生80年時代において県民一人ひとりが学習活動により、自己を高め生きがいを持ち、より豊かな生涯を送ろうとする気運が高まりつつある。

 本県における 「生涯学習に関する調査 」(昭和61年度)によると、何らかの学習を継続して進めている人(64.4%)、今後学習に取り組みたい人(91.0%)となっており、本県においても、「生涯学習の時代」に入っている。

 そこで、本県の生涯学習をより促進していくためには、もはや理念の段階から実践の段階に来ているといえる。

 「生涯学習の促進」については、行政はいうに及ばず、様々な機関、施設さらに民間等の連携・協力のもとに推し進めていく必要がある。

 本会議では、本県の生涯学習社会における公的社会教育の果たすべき役割について具体的な方策を検討することとした。

 まず、本会議では、「生涯学習」と「生涯教育」について次のように共通理解を図った。「生涯学習」とは、人間が生きていく中で遭遇する様々な生活課題を解決するため、それを学習課題としてとらえ、自らの意志で最も適した場所や方法を選び、生涯を通じて自発的、主体的に取り組む学習であり、その内容は二つに大別できる。

 一つは、“いきがい”のための学習である。これは、週休2日制や高齢化などによる自由時間の増大にともない、人々がより豊かな充実した生涯をおくるため、趣味・特技・教養などを高めるための学習としてとらえる。

 もう一つは、“いきぬく”ための学習である。これは、個人的には科学技術の急激な進歩や国際化、情報化などの社会の変化に対応するための新しい技術や知識等の習得など余儀なくされる学習である。

 又、社会的には人権、環境、資源、コミュニティづくりなど社会の存続にとって必要な学習である。

 現在は、「生涯教育」といえば、“いきがい”のための学習のイメージが強いが、今後は、“いきぬく”ための学習の必要性が、ますます増えてくるのではないかと考えられる。

 「生涯教育」とは人びとの生涯学習を(側面から)援助している社会の様々な教育機能を総称し、生涯学習を推進する行政施策として、生涯のすべての生活課題にかかわって人々が最も効果的に学習が行えるよう支持・改善・促進するための条件整備としてとらえる。

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